☆メインストーリー6-7 「天国への鍵」※挿絵有
※仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~仮想空間・改変地獄・フェンリル城
ダンケルハイト「いいのかフェンリル様。
あいつら56の弟の村から天国への鍵を盗ろうとしてやがるぜ?」
1人の少年の前に4人の配下が並んだ。
そのうちの茶髪の女性が軽い口調で語りかける。
フェンリル「我も驚いてるのだが56(ごろ)本人が何もするなと言っているからな。
まぁ確かに戦いになれば村が焼けてしまう。
それに天国に織姫本人が行くというのだから我らとしても好都合で止める必要とない。
なぁMr.B」
少年は暗い笑みを浮かべて腕を組んだ。
名前を呼ばれた仮面の男も独特な口調で頷いた。
Mr.B「YES.
私の目的としても我が主【破壊の電脳神】の降臨は悲願ともいえます。
場合によっては000の身体を媒体にもできますし。
さて皆様【天国】へいく準備をしましょうか」
それぞれが動き出す中虎の獣人、56はぼそりと呟いた。
56「淘汰。お前達が村を攻撃する奴じゃないって信じての発言だからな。
57(ごしち)無事でいてくれだぞ」
津田「大丈夫、あいつらのお人好しさだけは一丁前だからさ」
56「?」
津田「もしかして僕のこと見えてない?」
影が薄い青髪の青年津田は相変わらず周りに気づかれていないようだ。
~村長の家
淘汰と織姫、スミス、000、ぽちは電脳村の村長である57の家に入っていた。
双子の狐の獣人、金閣と銀閣もいる。
57「スミス博士あなたのしたことは許されるべきではない。
だが我々を生んでくれたのも事実であり、街の襲撃を救ったのも事実だ。
そして電脳神様に対して失礼をした」
織姫「いいのよ。
全部計算済みだったから」
ぽち「肉をくれ!」
カルーアミルク飲んで酔っ払ってたけど
その言葉本当か?
とはこのチビ女に言いたかったがここは押えた。
それにぽちは相変わらずうるさい。
000が気を遣ってくれたのかぽちを抱きかかえ外にでていった。
村長に一瞥を受けたスミスは目を逸らさずに向き合った。
スミス「お前さん達には色々迷惑をかけたな。
事情は金銀狐から聞いとるだろうがこの電脳神、織姫。
そして天使の輪の少年淘汰。
他にも村で活躍した面々が活躍し世界が変わろうとしている。
電脳生命体と人間の共存へとな」
57「皆強い熱意で語っていた。
新しい電脳王の金銀も同じことを言っていた。
信じてみたいとは思うが1つお願いがある」
スミス「なんじゃ?」
57「私の姉56にもその熱意を伝えてやって欲しい。
さらには敵となる電脳生命体に対してもだ。
お前たちの欲しいものは既に分かっている。
これは約束の前払いだ」
彼は金色の鍵を取り出すとスミスに手渡そうとした。
そうか56もスミスや人間を憎んでいる。
ここの人達とは少し分かり合えた。
だが彼女とはすれ違ったままだ。
フェンリルの部下とは言えど。
いやフェンリル本人とも分かり合う必要があるのかもしれないな。
スミス「敵とも分かり合えということか」
57「ああそうだ。
共存を語るのならフェンリルとやらとも理解をし合って欲しい」
俺と織姫、金閣、銀閣を見回しスミスは俺に問いかけた。
スミス「淘汰。
お前さんはどう思う?」
その答えは難しいかもしれない。
だが
淘汰「必ずフェンリルと理解しあえるかは分からない。
だがこの村の人達のように電脳生命体にも心がある。
だから相手の事を分からないじゃなく、そうフェンリル達においても努めたい」
スミス「わしも同じじゃ。
彦星の時のように一方的な状態で別れというのは悲しいものがあるからのう。
それにわしにはお前さんたちを生んだ責任がある。
約束じゃ」
57の持つその鍵にスミスが手を差し伸べた時だ。
空間が割れその鍵を掴み取る黒い物体があった。
まるでクマのようなパンダのような動物の手だ。
那老「ならスミスお前の覚悟を示せ。
過去に約束した親子喧嘩だ。
立会人として淘汰と000を連れて近くの丘へ来い」
それは未来の俺の声であった。
~丘への道のり
淘汰「あのパンダの手。
もしかしてかなり前にスミスの研究所を襲った奴が那老だったのか?」
近くの丘へ進む俺淘汰とスミスと000。
スミス「あのパンダのアバターは未来でも使っていたようじゃけ。
現実世界の時はわざとパンダのアンドロイドをハッキングして乗り込み暴走したようじゃ」
000「余程パンダが好きなんだね。
私と同じ」
彼女はそう呟くとほくそ笑んでいた。
俺は別にパンダに関して強い思いはないが過去の俺や未来の俺がパンダに関係してるというのは不思議な感覚だ。
淘汰「しかしなぜ今となって那老が妨害を?
あいつは味方じゃないのか?」
スミス「別に味方ではない。
000とお前に生きて欲しくて手伝っただけじゃ。
そして天国の鍵を奪ったのは決戦に備えわし達の力量を測ろうとしてるのかもな」
000「じゃあなんで皆を呼ばなかったんだろう」
スミス「それは既に認められてるからじゃろうな」
ん?
先程の話と少し食い違うぞ。
それなら測る必要は無いのではないか?
ふと気付く点があった。
淘汰「もしかして親子喧嘩ってスミス自身の力量を測ろうとしているのか?」
スミス「ああ。
あやつとは1度殴り合うと約束したからな。
それにお前の兄アンスを死なせてしまった責任にケジメをつけなければならない。
わし自身もどこまでの覚悟があるか示すときじゃ」
俺の兄、アンス。
詳しい話を聞けていないので少し触れてみた。
淘汰「そういえばアンスってどんな人間だったんだ?」
000「アンスヴァール・ナトー。
正義感が強い人だったよ。
明るくて文武両道でハーフで整った顔立ち。
淘汰とは異父兄弟の兄の関係だね」
異父とは父親が違うということか。
複雑な家庭環境だったんだな俺。
スミス「1度目の外国人の父親が亡くなり、2度目の父親とは離婚。
それ以来は近所のわし、チャラ民の家族速水家。
那藤兄弟の面倒を見ていたというわけじゃ。
わしなんかは親戚のおじとして淘汰の母さんとは縁を示していた」
000「淘汰とアンスのお母さんは出張する仕事が多くてよくお世話になってたんだって。
私も実は片親だったから皆にお世話になることもあったの、そこで淘汰と長い付き合いがあったんだ」
幼なじみの000とチャラ民。
神谷と速水。
そして兄のアンス。
俺らの関係性が見えてきた。
また違った世界線では俺らのメンバーにも兄貴ここにいたのかもしれないな。
淘汰「未来の世界線ではアンスはいたのか?」
那老「それがいなかったから不思議だったんだ。
だが存在した理由は分かる。
無理やり世界線を変えまくろうとしていた真の黒幕がそこのバカ息子だったんだからな」
視線を前に向けるとその声の主が立っていた。




