☆メインストーリー5-2「残された者達」※挿絵有
※1 画像が見切れる場合はリロードをお願いします
※2 仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~現実世界・住研究所地下 管制室
『じゃあ、淘汰達はフェンリル達によって地獄に放り込まれたっていうの!?』
鋭く高い声がモニター越しに響く。
青髪の少女の見た目をしたアバターがぶんぶんと手を振って焦っていた。
淘汰の幼なじみである速水。
仮想空間最大組織の【猩騎士団】団長。
圧政者との異名を持つチャラ民である。
わしスミスは不甲斐なさを表情に出し隣にいる助手のノアと共に状況説明を行った。
現段階で我々が分かる状況はこうだ。
仮想空間の無限回廊において敵であり電脳王の座を狙うフェンリル達。
彼らと対峙した淘汰達は無限回廊にて両陣営で戦いを繰り返した。
その中で【異形化】し悪魔の姿となったレイブン。
制御不可となった彼女に淘汰は【亡者の力】である【憑依】を用いその暴走をコントロールした。
こちらに勝機があるかと思えたがなんとフェンリルも【逆憑依】というこちらの能力の応用技を用いてきたのだ。
連れ去った000の魂を自身に宿し力を増幅させフェンリルゼロと名乗り立ち向かってきた。
激しい戦いの中勝利した淘汰達であったがフェンリルの部下がそこに割入った。
緑髪の初期型電脳生命体。
No.GM 【56(ごろ)】
奇跡的な乱数により超戦闘型に生まれた彼女の力は電脳王彦星に匹敵した。
56の奇襲を受けレイブンへの憑依が解けた淘汰は仲間である織姫、ぽち、神谷の父課金、天裁、レイブン。
彼らと共に地獄へとフェンリルによって放り込まれてしまった。
結果こちらの陣営は現実世界に残るこのわしとノアを除き全滅。
巻き込まれた際にフェンリルによって通信装置を破壊され彼らの安否すら分からない状態であった。
まぁ一言でいうと絶望的な状況だった。
わしはとりあえずチャラ民を落ち着かせる為に説明をした。
「しかし彼らは死んではおらん。
こちらに淘汰達の体はあるがVセルによる脳波には異常はない。
ただフェンリルによる【グレイプニルの鎖】の能力。
精神を仮想空間に縛るあれじゃ。
あの反応があるから帰還不可だ」
Vセルとはこの2050年代において誰もが脳に埋め込まれているチップの事だ。
夢を見る形で現実世界からダイブする仮想空間。
それにはVセルを用いる必要がある。
つまりこの装置が起動していると仮想空間に当人の意識が残っているという訳だ。
チャラ民は周りの部下と何かを話していた。
そしてすぐにどよめきが起こり何やら騒然とし始めた。
「どうしたんじゃ?」
『いいこと考えたんだ!
昔そこのノアが変身の魔法を使ってたのを思い出してね!』
~
「わしは反対じゃけぇ」
咄嗟に考えたアイデアを素直に賛成できなかったがノアはどうやら違ったようだ。
「今回は別件!
チャラ民さんの大ファンだからお願い事聞いちゃいます!」
どんな作戦か?
まぁ予想はつくじゃろ。
チャラ民の影武者に変身できるノアを用意する。
そして通信機を付けた本物が淘汰達を追いかける。
以上。
ただ人類の代表である【猩騎士団】団長。
彼までやられれば大変な事態じゃ。
むしろわしが行った方が良いまである。
まだ他にも安全な策は取れるはずだが確かに急を要する事態である。
その為団長を派遣するのはかなり悩ましいが不幸なことに圧政者チャラ民との言葉もあり部下たちは頷いておる。
そこに影武者となるノアまで味方するとなるとわしは反対がしにくい。
「住男くん。
ボクがついてるから安心して。
例の男も淘汰達をつけてるだろうし」
ノアのワクワクした表情にため息をつきながらわしは折れた。
「その名前で呼ぶな。
余程お前さんチャラ民が好きなのだな。
ええいとりあえず行ってこい。
じゃが忘れるなチャラ民。
お前さんも淘汰達と同じ人類の希望だと。
皆よいな?」
「『うん!』」
ノアとチャラ民の声が重なった。
~仮想空間・地獄 草原エリア
レイブン「くっそ!
あっし独りじゃ耐久戦にしかならねぇ!」
淘汰達が駆けつけるとレイブンが誰かと戦っていた。
茶髪の闇魔法使い。
フェンリルの部下だ!
ダンケルハイト「そりゃそうさ!
ここはフェンリル様の陣地。
おっさん達の力も倍増するって訳よ!
しかし不死身だなァお前。
何度も戦闘不能になっても立ち上がる。
流石は【不死鳥】といったところか」
レイブン「その名前で呼ぶな。
くすぐってぇからさ」
やり取り自体は軽いが両者凄まじい剣幕を放っている。
一瞬の間の後に動き出したのは敵だった。
ダンケルハイト「喰らいな!
大いなる断罪の一撃!
【カオスエリミネーター】!」
巨大な闇の波動がレイブンに迫る。
割り入るようにぽちが駆けつけた。
ぽち「【硬化】!」
肩代わりしたぽちは直撃を受けるがダメージは発生しない。
そこに000が詠唱を終えダンケルハイトに追い討ちをかけた。
000「集え冷気の刃、仇なす敵を貫け!
氷魔法【アイシクルエッジ】!」
ダンケルハイト「遅せぇ!
罪人の影よ我を守れ
【イビルシールド】!」
黒い人影が無数に現れ000の放った氷の刃が防がれてしまった。
しかし攻撃が目的ではない。
000「蒸発せよ!
熱魔法【スチーム】!」
辺りに散った氷の刃が急激に熱せられ白い蒸気が広範囲に発生した。
目くらましは上手くいったようだ。
硬化により固まったままのぽちを俺淘汰は抱きかかえて走り出す。
後を000達が追った。
走っていると先頭をレイブンが取る。
レイブン「助かったぜ!
とりあえずセーブポイントに飛ぶぞ!
【開け!炒りごま!】」
淘汰「なんだその暗号は?
それにセーブって?」
不意に告げられた単語に思わずきょとんとしてしまったが裂けるように空いた穴を見て飛び込んだ。




