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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第4章 異形者 レイブン
46/83

〇サブストーリー「電脳狐と圧政者」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

挿絵(By みてみん)


これは主人公淘汰達が電脳王 彦星を倒してすぐのお話。


長らく電脳生命体の覇権を握っていた【電脳王 彦星】。

100億の人類の意志を電脳生命体フェンリルと共に共謀し仮想空間に閉じ込めた。


電脳王には部下の双子の電脳狐がいた。

彼女たちは電脳王のやり方に対し疑問を持っていた。


唯一の人類の生き残り淘汰によって電脳王は打ち倒された今。


電脳王の権限は双子の電脳狐。

金閣と銀閣に託された。


電脳王が掲げていた理想。


それは地球環境の破壊や同族を殺す戦争を続けてきた人類に対し電脳生命体が実効支配し管理する体制。


最初は電脳狐たちも賛成をしていた。


しかし二人は元々人間であり、彦星によって電脳生命体に転生していた。


人間と電脳生命体。

その狭間にいた彼女達は様々な人間や電脳生命体を見てきた。


そうしているうちに彼女達の総意は

"二つの種族には心があり境遇は違えど同等の存在である。"

そう考えるようになっていた。


電脳王は覇の道を進むも、未来を託した彼女達の考え方は否定をしなかった。


そして電脳王が消えて電脳生命体の覇権を金閣と銀閣は握る事となった。


元より電脳生命体には人間と共存をしたいと考える者も多く双子狐を支持するものも沢山いた。


勿論電脳生命体には人間を支配すべきと考えその中の代表であるフェンリルに力を貸す者もいた。


結果として電脳生命体内で派閥が起き争いが始まろうとしていた。


それを止めようとネットを用い生配信をすることで共存を訴える者達。

配信者が増え始めていた。


娯楽を通じて心を通わせることが出来るのは人間も電脳生命体も同じだからだ。


特に電脳王彦星と対となる存在。

電脳生命体の織姫は有名である。

彼女は常に人間と電脳生命体の共存を訴えネットを用い訴えている。


織姫と淘汰達は偉業を成し遂げている。


人間の中でも特に強い権力を持つ圧政者。

4000万人が所属する【(あかいろ)騎士団】の団長チャラ民と和解した。


チャラ民は最初電脳生命体の全滅を考えていたが在り方を変え、共存を考える者の一人となった。


そこで大きな賭けを私らは出る事になる。

そのチャラ民との対談だ。


銀閣「なぁ金。

本当にやるんか?

うちら殺されへんかな」


金閣「ほなら銀は帰ればよろしおす。

その程度の覚悟なん?」


天空城にたどり着いた金髪と銀髪の双子狐。

ここで私らが人間の代表と言葉を交わさなければ電脳生命体と人間の溝は埋まらない。


城の入口までくると金髪坊主サングラスのガタイのいい男性が現れた。

【猩騎士団】副団長だ。


じゃも「うぃーす!聞いとるで?

親書を受け入れてくれたんやな!

うちの団長も大喜びや!

歓迎するで?」


銀閣「おお!

こっちの方言と似とるやんけ!

仲良くなれそうやん!

……痛った!」


金閣はパシンと銀閣の頭をはたくと静かに頭を下げた。


金閣「失礼致しました。

団長はんとお話をさせて頂きたいと思い参りました」


~天空城・スカイキャッスル


一応緊急の為に緊急避難装置(テレポーター)は持ってきている。

しかし意外にも街には電脳生命体がちらほら見られ人間たちと朗らかに話している。


電脳生命体にも種類があり、私らみたいな人間から電脳生命体に電脳王によって転生させた人種【転生者】もいる。


どうやらチャラ民はそうした電脳生命体には人間として市民権を与えていたようだ。

それに現在は行き場の困った電脳生命体も受け入れるようにしている。


勿論最初は問題が何度もあったが人間と全く変わらないその姿。

そして転生者の働きや織姫達配信者の活動によりいざこざ等はすぐに無くなっていたらしい。


そういった経緯もあり、今回は旧電脳王派閥の私らが団長と会談することとなったのだ。

勿論事件などの防止の為に車に乗り城下町を通り城へ向かっている。


隣に座る銀閣が運転席のじゃもに話しかけていた。


銀閣「本当に電脳生命体もすぐ受けいれられてるんやなぁ」


じゃも「ああ、これも淘汰達のお陰や。

元々は団長が激しく純粋な電脳生命体をジェノサイドしていたんやけど反対派がすごい多かったんや。

それでも団長に歯向かう奴おらんくて圧政者と呼ばれてたんやで」


金閣「都合のいいもんやねぇ。

たった1人の王様が怖くて誰も歯向かわんと、そして手のひら返したら大喜びどすか?」


銀閣に睨まれた。

しかし電脳生命体が理不尽に処置されていた事は私としては許せへん。


じゃも「本当に申し訳ないと思っとる。

俺も反対はしとったよ。

だけど騎士団全員纏めても団長には敵わへんのや。

でも淘汰達の勇気のお陰で団長は変わったんよ、本当はごつ怖かったんや。

さて着くで」


~スカイキャッスル 猩騎士団 団長室


覚悟はしていた。

下手すればその場で殺されるかもしれない。

しかし私らを殺すことはフェンリル派を生かし電脳生命体と全面戦争を望むことになる。


ただあちら側もその結果は望まないだろうし親書を相手から送ってきた訳だから殺されることはないと信じたい。


と考えていたら騎士団長は開口一番


チャラ民「あー!

淘汰達と会ったんだって!

そこに座ってよ!

団長(だんちょ)二人の為にお菓子つくったの!

和菓子がいい?洋菓子がいい?」


金閣は気が抜けてしまった。

あまりにもフレンドリー過ぎる。


隣の銀閣に至っては喜んでお菓子に手を伸ばし口に入れている始末。

毒でもあったらどうするん?


とりあえず銀の隣の席に座る。

テーブルの向かいに座ってニコニコする青髪の少女らしい人間。

猩騎士団 団長に声をかけることにした。


金閣「私らは旧電脳王とは考え方は違います。

人間と電脳生命体の共存を考え、両者の投票により新電脳王を決める民主制を取りたいと考えとる」


チャラ民「へえ。

君達が代表になる訳では無いの?」


銀閣「もぐもぐ。

代表者を補佐する形や。

どうしてもうちらはトップで動くより

もぐもぐ

トップ2で動くのが得意で

もぐもぐ……むぎゃ!」


金閣「銀、口にものいれてしゃべらん!

過去にそちらのギルドegoには迷惑を掛けたなぁ。

正直私らは人類を一度裏切っとる。

それを代表にするよりも皆で電脳生命体を選んでもらって代表者として立てる。

これがベストと考えております」


チャラ民「まぁたしかに君達とは色々あったねぇ、2050年には団長の所属していたギルドで戦いもあったし。

まぁ団長はもう別に気にしてないよ!

それに君達が改心したって聞いてるし!」


意外と話してみると名前とは違いチャラチャラしているというよりかは懐の広さを感じる。

一度彦星様の元でチャラ民の仲間を攻撃してしまった事があった。


私事でも憎まれて当たり前だがその屈託のない笑みを見せられると申し訳なさが止まらなくなる。


チャラ民「団長は電脳王代表選挙制には賛成だな。

人間にも投票権があるのならこちらでも票を入れてもらえるように団員の4000万人に流しておくよ。

そうだ、聞いたよフェンリル派閥と抗争中だって。

あいつら彦星と結託して人類を仮想空間に閉じ込めたんだよね?」


銀閣「チャラ民さんありがとうございます!

そうなんや!

彦星様には悪いけど人間を支配する程電脳生命体は立派じゃない。

両者足りないとこ補って支え合うのが大切だってうちらは思うんや!

だからこそ現実世界を取り戻し、両者で支え合う世界を作りたい!」


銀の言葉遣いに非常に気になってしまうが内容自体は私が説明したいものだった。


さて深い話が始まり1時間経った時だ。


チャラ民「じゃあ包括的な条約は結ばせてもらったよ。

君達は勇気のある電脳生命体だ!

ここまで来たことを誇りに思うよ!

団長も電脳生命体達には申し訳ないことをしたと思ってる。

だからお互いより良い未来を作ろうね!」


団長は私たちに両手をそれぞれ差し出した。

銀は間髪言わず握手をし、私も手に何か仕掛けられていないか確認しながら握手をした。


チャラ民「あ、そうそうもし二代目電脳王の投票が始まるとしたら入れたい人がいるの!

織姫に一票入れといて!」


その言葉に私達は目を見張った。


チャラ民「淘汰も命をかけて団長に立ち向かってきた。

だけどあの子も命をかけて電脳生命体と人間の共存を訴えかけてきたからね!」


金銀の狐は二人とも笑みを見せる。

私の本心としては信じることが出来るかは分からんが銀が毒で逝かん限り信じてみてええやろ。


人間と電脳生命体。

両者共存の道が開く大きな瞬間であった。

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