☆「異形者 レイブン」※挿絵有
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※2 仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
乾き。
それが行動原理だ。
水、血、酒、欲求、快楽。
満たすまで傍若無人に暴れ楽しむ。
烏の如く何に対しても噛みつき
烏の如く何度も這い上がる。
そんな先祖様の苗字は烏丸。
んでそこに良い意味で適当な名前をつけた親がいて
出来た名前は烏丸 響子。
まぁぶっちゃけあっしから言わせてもらえばカッコつけすぎな名前な気もする。
でも気に入ってるぜ?
仮想空間でもカラスの意味を持つ名前。
レイブンって名乗ってんだ!
んで話変わるけど元々は教師をしてた。
あれだ2050年の世の中だと電脳生命体に職から人生決められるんよ!
ぜってえあっし向かねぇって思っても無理やりやらされてんだぜ?
髪も赤染めから茶染めになるし。
穏やかで優しい保母みたいな聖人君子の雰囲気作って誤魔化してたんだが経歴が経歴で
【暴走族の女総長】
【県トップの札付き不良】
【とにかくでけぇやつ】
とかくすぐったい名前のワルでやってたもんでそこでの習慣が抜けないせいかガサツ過ぎてやっぱヘマばっかしすんだ。
でも学級委員長を名乗る天歳とかいう眼鏡大男が手貸してくれて何とかやってた。
んー、だがなぁ。
どうしても鉄パイプもって他の組の総長に殴り込み行くあの興奮が忘れられなくてさ。
乾くんだ、すげぇ乾く。
満たされねぇから仕事終わりゃ大人になって飲めるようになった酒飲んでテレビで格闘番組やら不良学園ドラマ観て寝る日々。
ステゴロで男相手でも殴り合うあの感覚!
腕折れたら腕折りに行くあの緊張感!
もうあれは味わえねぇんだなって。
電脳クソ野郎どもにあっしらの自由を奪われて皆よく平気でいるもんだ。
そんな乾いた日々を続けてたらクラスにいる何人かが仮想空間を楽しんでるらしいと聞いた。
機械音痴だし電脳生命体が運営するんだから興味なかったんだが……
聞き耳立てれば立てると戦いやらなんやら
好奇心がプライドに勝って携帯端末から意識を送ってえーとログインとかできる仮想空間に入った訳よ。
そしたら親切なもんで色々AI?やらに教えてもらいながらチュート何とか?をやって
気付いたらあっしは仮想空間名【レイブン】として活動出来るようになった!
まぁその後は色々問題起こしまくって楽しかった訳だ。
仮想空間は予想以上だった。
ギルドっていう暴走族の組みたいなのあるし、喧嘩し放題、武器振り回し放題、体は超人みてぇに動くし、超能力も使えんだ!
実は後々気づいたが学級委員長やらクラスメイトやらと行動しちまってて、担任としてどうかと思うが現実と仮想空間はなるべく同じにしないで楽しんでいた。
わりとこういうハイテクなのも悪くねぇ。
しかしそんなある日だ。
【電脳王 彦星】とか言う奴のせいで一変した。
やつが起こした大事件。
2050年【真・シンギュラリティ】によって
全人類の意識が仮想空間に閉じ込められたんだ。
そこに適正のない人間が一部いてよ。
彼らは仮想空間においても倒れたまま目を覚まさず植物状態。
あっしのギルドの連中も半分以上消えた。
100億ある人間が全滅したんだ。
もちろん人類も刃向かった。
うちのギルド最強のパンダ?みたいな奴。
淘汰。
奴が彦星に大ダメージ与えたりな。
ただあっしら人類ができたのはそれだけ。
電脳王は強過ぎて未だに誰も太刀打ち出来てねぇ。
しかも淘汰は相打ちで死んじまった。
命犠牲にしたらダメだろーが。
一発ぶん殴りたかったがもういない。
でもあいつはいつも言ってたんだ。
「俺は諦める事を諦めた」
その言葉はあっしに強く響いた。
だから残った天裁とチャラ民。
二人ともあっしの教え子。
そいつらと共に何度も電脳王に刃向かった。
同じく電脳王に立ち向かうバカは数多いたが一回目で大抵諦めた。
あっし達人間の何億倍も総合戦闘能力が強いと計算されたからだ。
敵うわけがない。
それでもあっし達は諦めず滅茶苦茶な戦いを何度も何度も繰り返した。
その結果仮想空間でもトップを張るぐらい強くなった。
【三勇者】とかまたくすぐったい名前が付いた位な。
でも100億の人類が諦めた相手だ。
地獄のような戦いの中。
ある日仲間割れを起こしてしまった。
あっしは三勇者のパーティを追放されちまった。
滅茶苦茶な戦いの日々が原因だろうか。
アバター自体に変調が訪れたのだ。
あっしの肌が紫に染まり羽を生やし始めた。
まるで悪魔のような姿だ。
そして人間の姿に戻ったりを繰り返しやがる。
【異形化】というらしい。
最初は変身のタイミングも分からずその姿は制御出来ず仲間に迷惑をかけるようなった。
あっしは苛立ってしまった。
心が折れそうな天裁に強く言い過ぎて、チャラ民に非難され追い出されたんだ。
結果二勇者となったパーティ。
それも心が折れた天裁とチャラ民が別れ解散。
いくつかのパーティに入っては彦星を倒そうと戦ってきたものの毎回追い出されてしまった。
【悪魔】と呼ばれ恐れられたからだ。
あっしはそれでも諦めず放浪の旅の中。
電脳王によって召喚された奴らを倒し続け自己の研鑽を積み機会を狙った。
そこからしばらく時が経った。
~【無限回廊B92F】
戦いを求める者が走る戦場とされた場所無限回廊。
周囲の敵を刀でなぎ倒しながら赤髪の女はニコリと笑う。
レイブン「諦めないんだろ?
あっしはあんたのその言葉でここまで戦い抜いた」




