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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第3章 没落軍師 天裁
35/83

☆メインストーリー3-8 「勝利への策」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~仮想空間・電脳城


挿絵(By みてみん)


巨大な機械から電脳王の声が響く。


彦星「ようこそ我が電脳城へ。

ここでは物理法則が歪んでいるんだ。

その恐怖は三勇者の一人として何度か抗ってきた天裁。

君がよく知っている」


気付くとそこは見慣れぬ場所だった。

不気味な程青く発色した冷気。

果ての見えぬ虚無の空間。


横にいた天裁を見る。

彼は明らかに顔が青ざめていた。

眼鏡を人差し指を当てて説明を始めた。


天歳「ここで発生するダメージは全て累乗加算され、戦闘不能状態の放置は電脳生命体と同じくそのまま死に直結します」


淘汰「なんだって!?」


俺は思わず声を発してしまった。


膨大までインフレしたダメージだ。


仮想空間で何度か戦いを経てきた。

それが意味する事の重大さは少なくとも分かる。


前回の仮想空間でLv1のぽちでさえ2,000近くのダメージを出す事ができた。

単純計算で何百万以上ものダメージが当たり前に敵味方に飛んでくるというのか。


挿絵(By みてみん)


天裁「淘汰さんが消えて以降

私はかつての仲間達

レイブンさんとチャラ民さんの三人で

彦星と何度か対峙しました。

なんとか全員生き延びてきましたが私は挫折し脱落しました。

この圧倒的な強さの前に砕けたのです」


体が冷えるのを感じた。

そんな滅茶苦茶な戦いをしていたら確かに心が折れる。


だがさらに予想を超える事態が起きた。

電脳王から焼けつくほどのエネルギーが集まり始めたのだ。


彦星「そういえば淘汰は圧政者戦でカウンターを使った。

奇遇だね。それは僕の得意な戦い方でもあるんだ。

最早残された時間も僅か。

電脳生命体の神の力を最大限に使おう」


さらに上空にいる彦星の機体が一瞬虹色の光沢を持つのが見えた。

隣から息を飲む音がする。


Mr.B「これは鏡魔法の極地!

【ミラーカウンターζ(ゼータ)】!

自身へ放たれた攻撃を恒常的に無効にし累乗にして返す技!

GGM権限をここまで多用するのですか!」


受ける攻撃は累乗の威力。

放った攻撃は累乗の累乗で返される。

発生する威力は億単位まで上るのか。


天裁「私達の戦いでは二倍の威力で強制的に返す

鏡魔法【ミラーカウンターβ(ベータ)‬】を用いていた。

その比ではない……!」


奥歯を噛んだ俺にMr.Bが言葉をかけてきた。

仮面越しから真剣な眼差しが向けられる。


Mr.B「淘汰さん酷な言葉となりますが何故我が主000(ゼロ)様は貴方に電脳王という人類の宿敵を託したか。

それは唯一の人類の生き残り。

あなた達に雌雄を決めて頂くためです。

立ち向かう覚悟はありますか?」


挿絵(By みてみん)


現実世界で000と初めて相対した時を思い出した。


元の日常を取り戻すために仮想空間へ挑む織姫達。

俺はその世界に入れず何もすることが出来なかった。

電脳王と過去に戦い相打ちとなりアバターを失った為だ。


途方に暮れていた中000はこの体を与えた。

彼女は最初からその覚悟を試しこの戦いを託そうとしていたのだろうか。


彦星「淘汰。

君が000から与えられた能力【亡者】

戦闘不能となった者との憑依による合体能力とダメージ時にすり抜ける体質。

その対策法は確立している」


敗北はステータス0の状態の俺のみが残され戦闘不可の状態である。

それを言いたいのか?


しかし彦星の言葉は戦慄させるものであった。


彦星「生き埋めだよ。

全く動けない状態で閉じ込められればダメージの発生はせず、すり抜けもできない。

地盤沈下を発生させ超重力を起こし引力で引き寄せ埋める。

死に損ないの僕でもそれぐらいはできる。

しかし淘汰、君にはガッカリした。

ステータス1だった君と殴り合うためにこのギミックを完成させたというのに、それを下回るステータス0で来るとは」


周囲を見渡した時だ。

織姫と目が合った。

思わず視線が再び下に向いてしまった。


織姫「引き下がるの?

圧政者戦となんら変わらないじゃない。

私達の方が弱いのが常だった。

だけど乗り越えてきた。

それは諦めず噛み付いてきたからよ!」


確かにそうだ。

滅茶苦茶な戦いはこれまでもあった。


挿絵(By みてみん)


複数のカンストしたステータスを持つ敵。

Lv5,300の圧政者。


どの戦いも気が抜けなかった。


その時だ。

天裁が俺の前に立った。


天裁「どうか聞かせて下さい淘汰さん。

戦う覚悟はありますか?」


淘汰「申し訳ない」


周囲の雰囲気が暗くなった。

しかし大きく一言を発した。


淘汰「憂いを見せた!

覚悟は出来ている!」


天裁は背中を見せ彦星と対峙すると突然高らかに笑いはじめた。


初めて会った時に見せたヘラヘラした笑いではなく自信に満ち溢れた笑い声だ。


天裁「ならあります!

ここまでの会話で我々の……。

勝利の策が完成した!」


彦星「ほう?

今度はなにをするつもりかい?

何度も戦っては失敗を繰り返してきた没落軍師が」


上空を見上げる天裁の顔には陰りはなかった。

腕を大きく振るい指示を出し始めた。


天裁「織姫さん、分身は可能ですか?

可能でしたら分身後泡魔法を彦星に向かって囲むように放ってください!

ただの泡で大丈夫です!」


織姫「え!?……ってやるしかないわね!

G(グランド)カード【分身】!」


その声に戸惑いながらも織姫は一枚のカードを振り上げた。


海底洞窟でも織姫が使っていたぽちの能力を抽出した力だ。


織姫ABCD「とりあえず沢山ね!」


四人に増加した織姫。

前回は揉めていたが今回は息ぴったりに纏まっていた。


挿絵(By みてみん)


それぞれから放たれた泡が彦星を囲む。

そこへ天裁が一つの魔法を放った。


天裁「織姫さんありがとうございます。

彦星、私も下位互換だがその魔法を身に付けた!

リスクの大きさから一度使えば数日は使えない。

だがここで最大限使わせてもらう!

鏡魔法!【ミラーカウンターα(アルファ)】」


無数の泡一つ一つが銀色に輝き鏡のような光沢が目に入った。


彦星「カウンター魔法に対してカウンターを行えない。

その仕様を利用したという訳か」


天裁「これが私の奥の手だ!

その泡を壊したければ攻撃するがいい。

電脳城の効果によりその威力の累乗が乗る!

HPを億単位で持つお前でさえただでは済まない!」


彦星「結局は時間稼ぎさ。

それに何の意義がある。

まさか僕の寿命を待つというのか?」


そこには明らかな苛立ちが見えた。

人工音声の時に感じた落ち着いた印象はなく彼自身も非常に追い詰められているのだろうか?


天裁「Mr.B。

改良版となる【禁術・命絶(めいぜつ)】を放ちます。

詠唱を必要とするので私に対し【神速化】の能力をお願いします。

今回は命を犠牲せずこの技を放つ方法があります。

ですが発動に必要な処理として私の命をコストに……」


Mr.B「いえ私は一度死んだ身。

少しでもリスクを抑えられるのなら

あの時と同じ条件でお願いします。

それに貴方の顔を見れば分かります。

発動に賭ける命は私でいい」


彼らから不穏なやり取りが見られた。

思わず声をかける。


淘汰「俺に出来ることはないか?

今できる最善を」


もしかして何かを犠牲にするのか?

冷たくなる胸をさする。


彼は俺の目をしっかりと見てこう言った。


天裁「あなたには最も重要で不確定な役割を任せることになります。

さらに私が今からする行為は非難されて然るべきでしょう。

私は過去にこの禁術でMr.Bを死なせた上に失敗してしまった。

ですがその因縁を果たし今度は何の犠牲もなく成功させます。

最前の行為、と言うには変ですが

後押しを頂けますか?」


俺はMr.Bを見た。

スミスじいさんの言葉や天裁の心理空間。


Mr.Bは天裁によって死に000の力によって息を吹き返したと聞いた。


命を犠牲にするなんて行為は許されないが天裁がそれを進んでやろうとは思えない。


決定権があるのはそれを行う天裁。

そして禁術を放つのに関わるMr.Bにある。


その上でこの言葉。

彼は背中を押すことを願っているのかもしれない。


淘汰「約束だ。

000を悲しませないでやって欲しい」


天裁は意表を付かれMr.Bを見つめた。

生半可な覚悟は許されない。

その背景にある000の存在。

彼を失い傷付く者がいる。


天裁「ええ約束します」


そう頷いた瞬間天裁から光が溢れ出した。

禁術の詠唱が完了したようだ。


淘汰「俺は天裁を信じる!

全力をぶつけてやれ!」


彼はその言葉に強く頷く。

その顔にはもはや迷いを微塵に感じさせなかった。


彦星を取り囲む泡が消える。

その途端に凝縮されたエネルギーを片腕から彦星に投げつけた。


天裁「ミラーカウンターを利用させてもらう!

【禁術・後命絶(こうめいぜつ)】!」


彦星「【ミラーカウンターζ】

【禁術・後命絶】!」


挿絵(By みてみん)


その声は重なった。

ミラーカウンターの効果が発動し、天裁の放った魔法と彦星の鏡魔法によるカウンターがぶつかる。

強制的に反射するギミック。

まさかそこを狙った行動なのか!


天裁「本来これは命をコストにし放つ禁術。

改良しそのコストの発生をダメージ後にしました。

ミラーカウンターは技を無効化し返す能力。

それによりこちらに及ぶコストはない!」


彦星「カウンターで放たれた技は無効化されずこちらは命のコストを必ず払うのか!」


返された一撃は天裁とMr.Bに向かって放たれた。

三乗の威力となったカウンター。

無効すらされないその攻撃を防ぐ手立てはあるのか?


Mr.B「……!!」


挿絵(By みてみん)


天裁は突然Mr.Bを押し飛ばしその直撃から庇った。

彼を突き刺す黒い光。

爆風と共に膨大な数値のダメージが発生したのが微かに見えた。

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