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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第3章 没落軍師 天裁
27/83

☆メインストーリー3-2 「死神」※挿絵有

~仮想空間・電脳城


青の光に包まれた空間。

そこに立てかけられた巨大な機械。

生命維持装置の中に白髪の男。


その目の前に女性が時計を見せる。

数字が示され刻々と0に近づいていた。


挿絵(By みてみん)


彦星『まるで死神ですね。

死を告げに来ましたか?』


GGM「計算してたより少なかった?」


彦星『話の結論を聞きましょう。

アクアリゾートに淘汰は来ると?』


機械音声で発せられた言葉。

だが無機質な声から切迫さを感じさせた。


目の前には天使の羽が生えた女性。

彼女はGMの神と呼ばれた存在。


GGM「彼との決戦の地だった。

なら死に場所に丁度いいでしょ?

あなたは大罪の業火を使った。

どちらにせよ、GMは制裁にやってくる」


彦星『【衛星兵器ラグナロク】の件ですか。

確かに電脳生命体【GM】の理念からは外れました。

この星を守るという。

しかし人類の絶滅こそ我が悲願です。

人類なきGMの世界を後世に繋げるのが我が役目なのです』


GGM「そんなのどうでもいい。

あの少年を殺すためにそれを使った」


挿絵(By みてみん)


彦星は唯一の人類の生き残りを殺すために大陸を消そうとした。


それが同胞のGMからも反感を得たのだ。

GMの神には明らかな怒りの感情があった。


ちらりと彦星をその顔を見た。


彦星『おや明らかな私情が見えますね。

殺されたら不都合なのですか?』


GGM「……」


その返事に言葉はなかった。


急に彦星の機械音声が解け彼は笑い出す。

途切れながらも嘲笑し言葉を紡ぐ。


彦星「あはは……バカだなぁ。

お前がGM等眼中に無いのは知っている。

だけど、放任主義が祟ったよ。

お前の力は、権能を含め計算済みだ。

GMを産みすぎて全能とはいえ弱くなったな。

今僕を超える存在は000(ゼロ)のみだ。

お前は淘汰を見殺しすることになる」


掠れた声と口からこぼれる血。

彼の声帯は死にかけていた。


GGM「形容し難い程馬鹿な虚栄心ね。

全てのGMは私の老廃物に過ぎない。

それに000……まぁいい。

伝えたから」


ただ睨みつけGMの神は姿を消した。


彦星は咳き込み血を大量に吐き出す。

彼は苦悶からか涙を流した。


彦星「僕には……、僕を信じてくれた

金閣、銀閣の二人の部下……。

彼女達に世界を託す役目がある。

淘汰、000、未来淘汰。

僕には寿命がない、彼女達を、守ってやれない。

……だがやれるだけは、やってやる!」


目の前を一匹の黒い犬が近付く。

無機質な機械を舐める。


彦星「フェンリルか。

君には裏方を……任せ、過ぎた」


黒い犬は力強く吠えて尻尾を立てた。


彦星「僕の、亡骸は……喰らう予定か。

相応しい、僕の介錯に付き合ってくれ」


弱々しい笑みに死相がはっきり見えた。



~現実世界・小型飛行機 スミス号 遊び場


挿絵(By みてみん)


モニターの前に座りレトロゲームを楽しむ三人。


ゲーム内に映し出された犬と黒髪の女。

ステージの上で闘っている。


犬を操作している淘汰。


俺は上手くタイミングを合わせ犬にタックルをさせてみた。


「また吹っ飛ばされた!

絶対チートだよ、チート!

チーターだよ!」


隣で台をバンバン叩く音がする。

対戦相手の声がキンキンした。


どうやら今回も何とか勝てたようだ。


俺と対戦相手のノアと観戦している織姫。


休息の時間を貰いレトロゲームをしていた。

子供でも楽しめるライトな格ゲーだ。


ノアを隔てて座る織姫が声をかけてくる。


「どんな奴にも一つは才能あるのね。

反射神経が気持ち悪い。

リズムゲームもオート並みの結果だし。

ここまで出来ると観ててつまらない」


急に毒を吐かれて一瞬固まった。

しかし彼女なりの褒め言葉だろう。

言葉は悪いが根は悪い奴ではない。


対戦をしてくれたノアがコントローラーを置く。

そして目を光らせて提案をした。


「ねぇ!RTA挑戦しようよ!

ゲームを短時間でクリアするやつ!

攻略ルートはサポートAIでもあるボクが手伝うからさ!」


それは助かる。

小学生の頃よくやっていた記憶がある。

本物の記憶かは分からないが。


さて手元で攻略ルートの確認をしながらは悪手だ。

その為攻略法を暗記してからでないと最短クリアは難しい。


最短クリアと言いつつその下準備はかなり時間が必要だし確認ミスもある。


精度を上げるのにあたりここまで心強い味方はいない。


ノアが取り出した【すてぜろクエスト】

というRPGのゲームカセットを見て心が湧いたその時だ。


「おーう。

良いところ邪魔してすまんの。

次の仮想空間でのダイブ先が決まった。

娯楽都市アクアリゾートじゃけ」


レトロゲームを用意してくれたスミスじいさんが部屋に入ってきた。


そして次の目的地に対し織姫がいち早く反応を示した。


「アクアリゾートですって!?」


「わしらの決戦の場所だったな。

過去の淘汰が彦星を満身創痍まで追い詰めた場所でもある。

全人類精神凍結プログラム【フェンリル】

つまり人類の意思を仮想空間に閉じ込めているプログラムがそこに存在する事が分かった」


「フェンリルを壊す。

それが次のミッションなんだな?」


俺の確認に対しじいさんは頷いた。


挿絵(By みてみん)


「お前さんの親友のチャラ民。

学友の天裁てんさいに担任の教師のレイブン。

他にも大多数の人間の精神がこれによって仮想空間に縛られておる」


親友のチャラ民は以前の仮想空間へのダイブで再会していた。

仮想空間に閉じ込められた人類を戻す為に動いていると話していた。


隣にいたノアが情報端末を手に補足説明を入れてくれた。


「【グレイプニルの鎖】フェンリルの権能だね。

精神を鎖で繋いで閉じ込める力。

奴を倒せば人類の精神は仮想空間から開放される」


この短期間でもうそこまで調査が進んでいたのか、やっぱり凄いんだなこのじいさん。


こちらの表情を見た織姫が喝を入れてきた。


「シャキッとしていきましょ!

Lv999のパンダ集団。

Lv5300の猩騎士団団長。

そんな理不尽を私達は越えてきたもの」


その言葉に緩んだ口を引き締め頷いた。

フェンリルがどんな敵かは分からない。

だが俺達はそれも乗り越える。


本当の日常を取り戻すために。


すると不意にじいさんが声をかけた。


「織姫。

お前さんに2つ良い話がある。

そして淘汰。

お前さんに2つ悪い話がある。

先に話しておくわ、淘汰ちと来てくれ」



~現実世界・小型飛行機 スミス号 廊下


嫌な話だけというのは少し緊張する。

だが最悪のケースを把握するのは大切だ。


ある程度遊び場から離れるとスミスが声をかけた。


「次のフェンリル打倒計画について。

000がお前達と共に行動する」


「なんだって?」


000は俺の5年間の記憶を奪った女だ。

元々はチャラ民と同じ幼なじみらしい。


仮想空間に入れるように制限付きの特殊アバターを渡してくれたのも彼女だ。


じいさんは畳み掛けるように加えた。


挿絵(By みてみん)


「そして000の真の正体。

それはお前さんの幼なじみ神谷について。

今は断言できんが何者かが操っている。

彦星以上にヤバい奴じゃ気を付けろ。

伝えるべきことはそれだけじゃ」


いきなり入ってきた情報に頭がパンクしそうであった。


やけに肩入れしてくる000。

味方か敵かすらよく分からない。


だが不確定要素ではあるが様々な情報を集めそれを伝えてくれたじいさん。

それに対して感謝しないといけない。


「ありがとな。

色々俺達の為にやってくれて」


じいさんは蓄えた髭をさすって目を逸らした。


「いいんじゃよ。

しっかしこんな好少年があの頑固おやじになるんじゃものな、時とは残酷じゃけ」


「ん?」


突然独り言のような呟きに思わず聞き返してしまった、しかし返事の答えはない。


「仮想空間転移の準備してくるわ。

アナウンスすべき事はそこでする。

まぁお前さんもわしも運命というものに抗っていこうや。

未来というものは一つじゃあない」


じいさん片腕を上げその場を立ち去る。


その姿を見て家族のような不思議な信頼感を垣間見た気がした。

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