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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第2章 圧政者 チャラ民
24/83

☆メインストーリー2-9 「笑顔を取り戻した圧政者」※挿絵有

~???


先の見えない広く白い空間。

ワイングラスが置かれた小さなテーブルと椅子。

薄桃色の髪の女性が座っていた。


彼女の名前は000(ゼロ)。

無表情無言で携帯端末をいじっている。


そこに燕尾服を着た仮面の男が現れた。


挿絵(By みてみん)


Mr.B「お嬢様お呼びでしょうか?」


主と思われる少女は携帯端末を手に視線も合わせず返事をした。


000「呼んでない」


Mr.B「本日も変わらず天邪鬼なようで。

幼なじみの件です?」


静かに目を閉じると突然声色が変わった。


GGM「淘汰を守って欲しい」


瞳が虹色に染まり何かが憑いたような雰囲気だ。

突然の現象に仮面の男は一瞬固まったが即座に対応する。


Mr.B「了解です。

ついでとはなりますが淘汰様にお伝えしたい事はありますか?」


だがその声色は元に戻っていた。


000「しつこい。

淘汰の話はしてないでしょ?」


Mr.B「失礼致しました。

ところでお嬢様3時間ほど席を空けます」


執事の突然の言葉に000は視線を移した。


000「買い物?

怪我だけはしないでね」


仮面の男性はその言葉に一礼しその場を後にした。




~仮想空間・天空都市 処刑場





挿絵(By みてみん)


憑依体「ばばあ俺様の後ろにさがれ!」


織姫「ばばあ?失言にも程があるわよ!

でもその見た目、ぽちと合体したの!?」


夜空の下の処刑場。

俺はギロチンを壊し織姫の手を引いていた。


現実世界で指示をしているスミスから声がした。


スミス『成功だ!

これぞ2つ目の【亡者】の力。

最終兵器【憑依】じゃけ!』


ここに来るまで事前にじいさんから聞いていた。


感情が同調した相手に憑依し一体化する。


まさか、犬のぽちと合体するとは。

頭の中でその犬の声が響いた。


(どうやら我とヒョロガキの意思でこの体は動く。

気張れよ親友とやらの目を覚ましてやろうや)


憑依体「処刑台とやらはぶっ壊した。

──おいカマガキ来るなら来いよ。

俺様が全部受け止めてやらぁ!」


目の前の圧政者。

4,000万人による【(あかいろ)騎士団】。

その団長が剣と杖を左右に手にし構えた。


挿絵(By みてみん)


チャラ民「淘汰。

君は記憶を失う前人間嫌いだった。

だから結局電脳生命体に肩入れするんだ!」


憑依体「それは違うぞ。

俺らは現状に納得いかないから動いてる。

だからこそ手を取り合うんだ。

人間や電脳生命体の括りで判断するな」


チャラ民「その括りで人間は虐げられた!

【電脳生命体GM】の王、彦星によって!」


彼は右手の杖で左手に携えた剣に触れた。


挿絵(By みてみん)


バチバチと音を立てて剣が魔力を纏い始める。


チャラ民【覇王炎舞!】


燃える剣が投げ出され回転しこちらに迫る。


(ヒョロガキお前が持つ動体視力に頼る。

視認し触れた途端全身に力を入れろ!

一度もタイミングを誤るな!)


ぽちからの声に身を奮い立たせた。

足元に力を入れ踏み込む。


剣先が体を捉えたその時


ガン!

という鈍い音と共にその剣を掴んだ。


チャラ民「あれを受け止めたのか!?

ならば【覇王炎舞・爆】」


剣から光が点った。

嫌な予感がする。

即座にそれを持ち主の方へ蹴り飛ばす。


数秒もしないうちに凄まじい爆発が起きた。


こちらに爆風がやってくる。

タイミングを合わせ全身に力を入れる事でダメージをなんとか相殺した。


背後からひょこっと織姫が現れた。


織姫「ぽちの能力はダメージ判定時にガードして無効化処理をすることが出来る。

仮想空間にダイブして以降、強敵と立ち向かって粘れたのはこの力のお陰よ。

まぁタイミング合えばの話だけどね」


ぽちが半分体を動かしている為か勝手に口が動く。


憑依体「手の内を明かしてどうするんだ!?」


だがその言葉自体も相手を煽るもので攻撃を過激化させた。


爆風で戻った剣を掴み取る圧政者。

今度は杖を剣に押し当て風を纏わせる。

そして突き出した剣先から複数の緑色の矢を飛ばし始めた。


チャラ民「なら多段攻撃で崩せばいい話だ。

【覇王烈風!】」


背後の女は落ち着いていた。

腰の当たりをしっかりと掴みこちらを盾にする。


織姫「とにかくダメージ判定に合わせて身体に力を入れなさい。

私はあんたを信じて後ろでぼーっとしてるから」


憑依体「良いご身分だなお前」


背後にいる者を守らなければいけない。

1度もミスをすることは許されない。


強い緊張が掛かった途端。

極度に集中が高まった。


音が低くなり聴こえづらくなる。

視野がコマ送りのようにゆっくりとなる。


飛んでくる矢は5本。

先端部分に薄緑に光る物が見えた。


それが何かは判断が付かない。

だが触れた途端無意識に体に力を入れた。


連続で0の文字が重なる。


何とか受けきれたのか?

だが焼けるように体が熱くなる。


指示を出しているじいさんから歓声が上がった。

かなり興奮している様子だ。


スミス『1/50秒単位の精度で全て弾きおった!

記憶を失っても相変わらずの反射神経じゃ!』


サポートAIであるノアが諌める。


ノア『でも淘汰、そしてぽち。

そろそろダメージ蓄積量が限界だよ!

これ以上耐える事はもう出来ない』


挿絵(By みてみん)


スミス『じゃが今こそ反撃の時だ!

与えられたチャンスは一度!

受けた蓄積ダメージを返すんじゃけ!』


地鳴りが起き始めているのに気がつく。

恐ろしい力が圧制者に集まるのが分かった。

何か大きな一撃がくる。


だが彼には隙があった。


それは必ず攻撃の際に予備動作が入る事。

杖で魔力を灯し剣に宿らせる動作だ。


そして今彼はまさにそれをしている。

ぽちも気付いていたようだった。


(ヒョロガキ。

覚悟とやらを見せるなら今だ!)


全身に力が入る。

血管から蓄積されたエネルギーが溢れ出した。


早鐘のような鼓動。

握った拳を後ろに引く。

こめかみが脈を打つのを感じる。

そして歯を食いしばった。


長く感じた時間だがそこまでに至ったのはまさに一瞬だった。


挿絵(By みてみん)


憑依体「食らいやがれっ!!」


投げつけるように放った気弾。

怒号と共に狼のような形となり圧政者を貫いた。


995,505


唐突に現れたダメージ表記。

勝利を確信させるものかは分からなかった。


だが今までの熾烈な攻撃。

そのまま返ったと考えれば必然なはずだった。


乱れきった呼吸の音。

そして消え入りそうな声が聞こえた。


チャラ民「……【覇王流星剣】」


一筋の光が見える。

煙に包まれた視界が突然吹き飛ばされた。


チャラ民「一つだけ聞きたいんだ」


結った髪がほどけ垂れた青い髪。


満身創痍の彼が振り上げた剣。

それはまるで青く輝く流れ星の軌跡。

空に翔る一振りの巨大な剣となっていた。


挿絵(By みてみん)


チャラ民「本気で現状を変えるつもり?」


その言葉に静かに頷く。


正直言うと体にガタがきていた。

だが覚悟が決まるとそれでも立ち上がる気力が残るようだ。


"諦めるなら弱者だろう"


ぽちが俺に訴えた言葉。

何となくだが今となって強く伝わった。


輝く彗星の剣が姿を消す。


圧政者は力なく笑い始めた。

それはこの街で再開した時と同じ笑顔だった。


日が昇り太陽の光が射し始める。

朝焼けがその笑みを照らした。


挿絵(By みてみん)


チャラ民「そっか良かった。

やっぱ淘汰は淘汰だった」


幼なじみは満足そうな表情を浮かべ地面に伏した。


(我も休む疲れた)


不意に声が聞こえ体からぽちが抜けた。

憑依の力も限界であったのだろうか。


背後から腕を引く感覚がする。

小さい声が聞こえきた。


織姫「間に合わせて。

なんでもいいから時間を稼いで」


他に何か当てでもあるのか?

そう口にしようとした途端割り込む者がいた。

騎士団幹部。

2m程ある長身の二人組だ。


カイザー「無法地帯では何があるかは分からないですよね?」


瞳の淀んだ紫髪の男。


そしてゆっくりとした足音が聞こえる。

倒れた団長の方からだ。


相方。

茶髪の女性が剣を手に迫っていた。


ビショップ「敵討ちは免罪符です」


囲まれたか。


さらに別の騎士団幹部も加勢していた。


金髪坊主でサングラスの男。

騎士団幹部の一人じゃもだ。

彼は倒れたチャラ民を抱えている。


じゃも「あの団長がやられるとは。

しっかし圧制者が倒れた途端それを口にするん?」


カイザー「敵にも味方にも詰めにも甘いあなたに言われる筋合いはありませんよ。

仮想空間では人間は死にませんし」


じゃも「まず仲間心配するやろ?

まぁ敵討ちは分かるけども」


騎士団幹部同士はあまり仲良くないのか?


じゃもに関してはどういう意図があったかは不明だが牢屋から俺を見逃した。


だが今回は肩入れする気は無いようだ。

もはやこちらに勝機は全く見い出せない。


その時残像と共に仮面の男が突然現れた。

まくし立てるように声を張り上げる。


挿絵(By みてみん)


Mr.B「なんとか瞬足で間に合いました!

とりあえず【GGM権限:緊急ログアウト】

感謝はGMの神にして下さい!」


彼の体から光が溢れ出し視界が白く染まった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] チャラ民の心の動きがまっすぐ伝わったのが、印象的でした。続きもゆっくり読ませていただきますね!
2022/05/06 22:06 退会済み
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