謎の解説
全ての作品に解説を載せております。kanさんのアンソロジーにもです。
恵さんは足跡に気づき、空き家に向かいました。
解説
今回の事件はドラマ「アリバイ崩し承ります」を見たことで閃きました。もちろん、ドラマとは展開や状況が異なりますのでご安心下さい。
さて、今回は犯人が隠れているパターンをドラマの推理中に閃いたことから作品づくりが始まりました。
もちろん、犯人が隠れているわけですから足跡は"行き"になります。そして犯人はつねに隠れることにこだわります。
そのため、犯行後は証拠を隠滅しようとして血をふきとります。外に行くと足跡がつくのでやはり隠れます。隠れ続けます。ついには、見張りの為、逃走も出来ずに寝てしまったのでしょうか?凍死しました。かわいそうな犯人です。
あとは仁さんに他の犯人を想像していただきました。
名前も犬神家ですから、疑いたくもなるでしょう(笑)
そして、主人公にはとにかく急いで解決していただいております。事情聴取を無視して推理するのも実はそのためです。
また、実は犯人が生きている場合も探偵役には考慮していただいております。そう!沸かしたお湯は万が一犯人が生きていた場合のためです。
そしてこだわりは絶妙な雪。溶けていそうな4センチという深さ。そして探偵が推理を始める前には足跡ひとつない白銀の世界(犯人は推理前に逃げていないことを示す)。
ほかにもこだわりがあります。リアルさです。トリックなし、警察がやけに慎重に捜査をするなどです。
警察は仁を怪しみながらも逮捕しなかった理由に足跡を2度踏んだら多少、足跡が大きくなるだろうと考える人がいたからです。作中には書きませんでしたが、ご了承下さい。そして雪は4センチなので、踏み固め具合では2度踏みを判断しにくいです。
さらに、今回は推理ものによくある「犯人はこの中にいる!」をやりませんでした。私は本格ミステリ作家ではないという理由もありますが、意外な結末を用意したかったためでもあります。
今回の作品の意図をまとめると、、、「どこの誰が犯人かは知らないが居場所と状態は分かる」という結末で読者をあっと驚かそうとしたのです。
驚いていただけたら幸いです。
(後日譚、、、犯人は指名手配犯だと分かりました。また、依頼料は全ていただきました)
リアルに求めるものはQEDよりQOL。最近、忙しいなと思う作者なのでした。