表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

謎解き

ついに謎解き!みなさん、驚いてくれるのでしょうか?

 「警察には事件の謎と犯人の居場所が分かったと伝えておいて下さい。あと、万が一のため、お湯を沸かしておいて下さい。必要になるかも知れません」


 探偵はそう言うと鋭い眼差しで窓の外を見た。


 しばらくして警察が到着したが、保は謎解きを始めずに、まずは現場に行こうと言い始めた。


 周りは困惑しながらも、現場に向かうこととなった。歩行路から現場への道筋には、5日前までとは異なり、足跡ひとつない白銀の世界があった。


「探偵さん。いったい何をしようと言うんだね。警察も忙しいんだよ」

 やってきた警察が文句を言う。


「探してもらいたいものがありまして、部外者に現場を荒らされてはかなわないでしょ?」


「いや、まあそうだが。で、何を探したいんだ?」

「もう1人のご遺体か、殺人犯です。おそらく屋根裏に衰弱した犯人か、凍死体があるはずです」


「「なんだって!」」

 皮肉なことに警察と仁の声がハモった。






 屋根裏からは凍死体が1体見つかった。

 警察は応援を要請することとなった。


 応援が来る間に、保は警察に事情聴取をされることとなった。


「では謎解きを始めましょうか」

 保は事情聴取を無視して、謎解きを始めた。




 〜〜〜

「状況を整理しましょう。5日前、ここでは古屋 恵さんが亡くなり、それを仁さんが見つけた。現場までには足跡が2種類あり、下足痕は取れなかった。25センチの"行き"が1つ。27センチの"行き"が2つあった」


「そうですよね?」


 仁は頷いた。


「その日は犬神家が帰宅した日であった」


 仁がまた頷く。


「今回、犬神家は忘れてください。やはり大事なのは足跡です。トリックなんて何も使われなかったんですよ。それが現実です。」

 保がとんでもないことを言い放った。


「当たり前のことが、真実だったんですよ。恵さん以外の"行き"が2つあるなら、2人の人間が空き家に向かったと考えるべきだったんです」


 警察と仁に驚きの表情が浮かんだ。


「その2人とは犯人と仁さんです。そして犯人は常に現場を見張っていた仁さんを警戒して、現場から逃走することが出来ず、隠れていた屋根裏で凍死したのです。いやー、実にシンプルな結末だ」


 真相を語ると、仁は緊張の糸が切れたからか、その場に倒れ込んだ。

 その男の目から怒りは消えていた。


「まさか、犯人はもう死んでたなんてな」

「仁さん、、、」


「探偵さん。、、、恵はなんで殺されなくちゃいけなかったんだろうな」


「そればかりは、想像するしかありません」

「想像?」

「理由がないとしたら、シリアルキラーに出会ってしまったか、、、今回の場合は逃亡犯でしょうか?」


「なんでそう思うんだい」


「シリアルキラーなら、奥さんを追ってきたあなたも殺されていたでしょう。でも逃亡犯なら、隠れたくなる心境も理解できる」


「、、、」



 ピッ


 警察の無線が鳴った。

 どうやら応援が近いらしい。


 車道は麓の方にしかないので、歩いてきたのだろう。パトカーのサイレンの音は聞こえなかった。


「応援来たけど、どうしようか?」

 警察は呟いた。


 探偵は笑って言った。

「また、謎解きでもしましょうか?」

次回、解説編


3月8日

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ