謎の気配
この物語、考えようによってはクローズドサークルになるのでしょうか?第一話はあくまで導入で、これだけでは真相はわかりません。
また、ぜひ考えながら読んで欲しいという筆者の思いから、読者への挑戦のタグをつけさせて頂いております。
寒さが厳しいある冬の日、1通の手紙が「神名探偵事務所」に届いた。
その手紙には怒りと悲しみに満ちた筆跡で、依頼が書かれていた。
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神名保 様
私は長野でペンションを経営しております、古屋と申します。訳あって、急ぎ解決していただきたい事件があり、手紙を書かせて頂きました。
実は、私のペンションの隣にある空き家で、妻である古屋 恵が遺体となって発見されました。そして妻を殺したのはあの日、ペンションに泊まりにきたあの家族しか考えられません。
あの犬神家の誰かが妻を殺したに違いないのです。無能な警察は犬神家の「朝チェックアウトを済ませたあと、家族みんなで山登りに出かけた」などというウソを鵜呑みにして、未だに犯人を探しているようなのです。
しまいには私を犯人だと疑っています。どうか真犯人を捕まえて、妻の無念を晴らしてください。
依頼料は同封させて頂きました10万円で、足りなければまた後ほどお渡しいたします。
古屋 仁 call 080-〇〇-***
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「タモツさん、この依頼どうしましょうか?10万ももらったからにはやはり、受けないわけにはいきませんよね?」
神名 メイは夫である保に優雅に語りかけた。
答えはもう決まっている。保はメイには逆らえないのだから。
「その依頼。引き受けよう」
つづく
次回2月27日