これは酷い
先週も投稿出来なくてすいません!
今年の更新はこれで終わりとなります。読んでくださりありがとうございます!
今年最後の話がこれって自分でもどうかと思いますけどねぇ……。
「つまり、ここにその…………なんとか団が襲撃してくるかもしれないってこと?」
「なんとか団…………。まあ、だね。どれぐらいの規模とかは一応聞いてるけど、結構高レベルの相手らしいよ」
「そーいや色々聞き出してたな」
「で?で? 相手さんはどれくらい強いの?」
「えっと、構成員は約40人。その内30人近くがLv.15以上、Lv.25以上が4、5人。…………そして、正確な数値は不明だけどボスはLv.40以上だってさ」
僕が吐き出した最後の言葉に、皆は息を呑む。ちらりと表情を見れば、彼女らは一様に一人を除いて諦念と落胆の混じった引き攣り顔をしている。それは僕も同じだと思う。なにせ、相手はLv.40だ。未だにLv.10以下の僕達では逆立ちしても勝ち目は無い。
ちなみに、例外の一人とは我が相棒たるミールィさんである。院長から孤児ちゃん達を助けたお礼として大量に貰ったサンドイッチ。それを、一人だけ未だに食べ続けている。口一杯に頬張っているせいか、頬肉がぷるんぷるんだ。可愛い。
僕達が今何してるのかと言えば、ついさっき知り合ったプレイヤー二人とNPC一人の3人組に僕達の事情を少しだけ説明している。僕達が受けたクエストが文字通りのものだとしたら、盗賊団からカチコミがくるのだ。黙っておいて巻き込ませるのは悪い気もするから、ファイブスターと相談の結果、話すこととなった。
院長には、既に話を通してある。クエストを受けたからか、孤児ちゃん達と共に話したからか、すんなりと納得してくれた。…………院長には、スリをする子どもについて、心当たりは無い事は無いと言っていた。守る側としては、それが外れてくれると嬉しいけど、はてさて…………。
だから、この場に院長はいないし、子ども達もいない。今はファイブスターの命令により、ゴブリン達が子どもの相手をしてくれている。
………………僕の話、聞いてくれてたんだろうか?レベル云々の話はミールィさん達にもまだ話して無かったから聞いてて欲しいんだけど。
「「「………………」」」
ほら見ろ、3人少女も呆れてるぞ。
ファイブスターと玲奈ちゃんは苦笑してるけど。
「…………ん?何?食べたいの?」
「いや、違う違う」
僕達の視線に気付いたミールィさんは嚥下して、首を傾げる。若干声色が尖っているのは、僕がさっきハムカツサンドの半分を騙し取ったことが原因だろうか。あれは元々僕が買ったもんなんだけどなぁ………。
そんな態度を作っているミールィさんを見慣れている僕は、気楽に応える。
「ふーん…………?ま、良いけど」
「そう言ってくれると助かるよ」
「それで?九十九君はどうやって格上を相手しようっていうの?」
おや?
「なんだ。話聞いてたんだ」
「…………君って私に対してちょいちょい失礼だよね~?」
「僕とミールィさんの仲だし?」
「親しき仲にも礼儀ありとか言うよ」
「ふむ、確かに」
最終的には礼儀も要らないぐらいの仲になりたいけど…………今はまだ無理そうだ。
「とりあえずその話は置いといて、だ。ミールィの言うとおりどうするか考えるべきだろ」
ファイブスターは会話が、横道で草を食べながら油を売っているのを止めさせ、生産性のあるものへと転じさせた。
「でも、Lv.20や30なんてどう相手するってのよ?自慢じゃないけどアタシのレベルは5よ?」
「あ、私は4です」
「私は11だが…………生産職なので戦いについてはあまり」
女子3人のAが苦言と自分のレベルを呈し、なんとなくと言った感じでB、Cもレベルを自己申告する。その雰囲気になんとなく乗って、僕達もレベル…………と、自己紹介をする。そう言えばまだしていなかったね僕達。彼女達のこともABCで分けてたし。
「僕は九十九。レベルは8で、戦士職。軽戦士よりかな?」
「私の名前ははミールィちゃんねっ。魔法職だから紙耐久だよ!気をつけてね!レベルは同じく8!」
「あなたは紙というかもはや空気では?」
「シースルーだね!えっちぃ!」
「えっちぃの?」
まず、僕とミールィさんが。
「オレはファイブスター。召喚士やってる。多分お前らが思ってるとおり、あのゴブリンはオレが召喚したやつらだ。Lv.7だな」
「私は玲奈と言います。Lv.6です。調教師をしていますけど、今は戦える者は居ません」
次いでファイブスターと玲奈ちゃんがそれぞれ名乗る。
「じゃあアタシ達も!アタシは鱗華!役割は盾職ね」
3人の内最初に名乗ったのは、特に元気がありさっきから会話に積極的に参加してくれているLv.5の少女Aだった。
タンクかぁ。という事は《盾使い》や《重戦士》とかかな?随分渋いジョブにつく。タンクは相手の攻撃を受けることに重点を置くスタイルの為、攻撃力に乏しく、地味で弱いという印象を持たれがちな役割だ。
まあ、確かに、一対一だったら盾職は動く的だ。よほど両者の間に能力差が無ければ盾職が敵を打ち倒すのは難しい。けど、MMORPGでは必須と言って良いほど重要な役割となる。………ただ、この中では一番レベルが低いことを考えたら、前衛に出て注意を引くのではなく、中衛での後衛を守る役目を任せることになりそうだけど。低レベルの僕達では、数レベルの差が勝敗を分けかねない。
閑話休題。
容姿は高校生ぐらい、髪は栗色で肩口に切り揃えられている。全体的に、綺麗より可愛いという印象の少女だ。そして、僕と同じ鱗系種族でもあった。
鱗の色は、少し重みのある白。…………確か白鱗族だったか。アバター作成時で説明を見た覚えがある。冷気に弱い鱗系種族の中でも、例外的に氷属性が弱点とならない種族だ。ただ、その代わり火属性に対して脆弱で、プラス値はVIT、MINが上がる構成になっていた、と思う。
「種族だけで考えるなら、結構適役なのか」
「うん?どうした、同類君?」
「同類って…………」
いや、まあ鱗系種族だし同類かもしれんが………。
なんとなく釈然としない気持ちを抱きつつも、反論するほどでも無い小さいことだから、苦笑いで隠しつつ鱗華の疑問のお茶を濁す。
「私はU・Uと言います。宜しくお願いしますね」
片手を上げて自己主張をした後に、少女BことU・Uが名乗る。
「私が任されているのは、デバッファーです。闇魔法と光魔法で色々するんですよ」
色々、ねー。
「色々ねぇ~」
おや、ミールィさんと被った。と思ったら、ミールィさんの頭上でファイブスターと目が合う。その瞳が、ちらりと眼下の人物に一瞬落ちたことから、彼の考えた事になんとなくの予想がついた。デュエットではなく、トリオだったようだ。
U・Uの見た目は、ファンタジーの魔法使いらしいローブに杖というもの。種族は、側頭部から生えている巻き角を見る限り、多分獣人の山羊人族。羊かもしれんけど。
くるくるととぐろを巻くように生える左巻きの角は、初見では髪を弄くっているのだと勘違いした。何故か、彼女の髪は角の色と同じ乳白色だったのだ。牛乳色とはまた微妙な色を選ぶ。視界に映る、ゆったりとしたローブの上からでも分かる胸部の膨らみと連動して、変な方向に思考が誘導されるのを感じた。
「………………(山羊乳)」
「ぶふぅっ!!?」
突如、隣から、ぎりぎり僕だけが聴こえるほどの音量の呟きが、僕の鼓膜と腹筋を揺らした。
ふ、不意打ちは卑怯でしょうがっ!
いきなり吹き出す僕に視線が集中するのを肌で感じる。くぅっ…………皆の視線が痛い……。
「九十九くーん?どーうしーたのー?」
にやにや笑い止めろよぉっ!
顔を覗き込んでくる褐色幼女のにやけ面に、内心頭を抱える。皆が意味不明だと首を捻っている中で、この人だけは僕の突然の挙動不振の理由に察しがついてるんだろう。小声で、僕に囁く。
「(九十九君、大きいおっぱいが好きだったんだ~。お姉さん知らなかったなぁ~?やっぱり男の子なら、巨乳に憧れちゃうの?ねーねー?)」
「………………………」
別の事だ。全く別の事を考えよう。今の状況とかけ離れた心穏やかになるシチュエーションをっ…………無理だ。無理だった。頭の中でばるんばるん揺れる二つのアレが暴れている。
…………じゃあ方向性を変えるか?胸。乳。おぱーい。ぼいんぼいーん。ええい、カバさんは黙ってなさい!
「……………………………………肋骨?」
胸よりも鎖骨とか首筋に興味があるけどそれより気になるのはやっぱり脇腹でうっすら浮き出る肋骨とかくっそエロいと思ってるんですが汗が脇腹の凹凸にちょっと引っ掛かってたりしたら最高だと思う所存で特に大事なのは肋骨のエロは不健康のエロではなく痩せぎみのエロという事でなんか文句あるかおら?
「……………………よし、落ち着いた」
そうだよ。よく考えたら胸とか、脇腹のエロさとは比べものにならないじゃないか!
自分が一番大事にしているものがなんなのかを再認識すれば、羞恥心も無視出来ないほどじゃない。
「つ…………九十九、君……?」
「うんうん。やっぱり骨ってエロいよねぇ…………」
「九十九君が壊れたぁっ!?!?」
「ん?」
何故かミールィさんがムンクの「叫び」みたいな顔をしている。はて?
どういう事かと、ファイブスター達に顔を向ける…………宇宙人と河童に同時遭遇したような得体の知れないものを見る目が十個、僕を見詰めていた。
……………………おや?
唐突に笑い出し、幼女に何やら耳打ちされ、かと思えば意味不明な一人言を溢す………………誰がどう見てもキ○ガイの類なのだと思い至るまで後、4秒。
この主人公は一体何をしてるんだ!?(自問)
FGOしてませんがラヴィニアちゃんが好きな作者です。三白眼で青白い痩せぎみ角少女とか最高では?




