湖と心肺蘇生
遅れてすみません。
思えば下らない人生(二度目)だったな…。あ、でも女神に見つけてもらえればそれで生き返れるのか…。
誠「おーい?グロウル、そろそろ正気に…」
グロウル「ブツブツブツ…。」
誠「くそ…仕方ないな…。」
俺は落下しながら辺りを見回した。すると近くに大きな湖があるのが目に入った。俺は転移魔法を使い、グロウルと一緒に湖上空に転移した。
誠「グロウル?湖に入るから息止めとけよ?」
グロウル「ブツブツブツ…。」
誠「はあ…もはや尊敬に値するよ、全く…。」
俺はブツブツうるさいグロウルを無視して、大きく息を吸い込んだ。そしてグロウルを抱えたまま湖に飛び込み、そのまま岸部に泳ぎ着いた。
誠「ふう…おいグロウル…平気か?」
グロウル「……。」
誠「グ、グロウルゥ!?」
何度かグロウルの肩を掴み揺らしながら名前を呼んだが、グロウルは目を覚ますことなく動くこともなかった。
誠「ど、どうするんだこれ…!?し、死んでるのか…!?いやでもまだわからないし心肺蘇生とかした方が…!?」
俺は焦りながらも、やるだけやったほうがいいという冷静な判断をすることができた。生唾を飲み込んだあと、グロウルの服の胸元をはだけさせた。
誠「わ、悪く思うなよ…!」
はだけさせたグロウルの柔肌に片手を当てた。暖かく柔らかい感触に少し胸を高鳴らせながら、俺は心肺蘇生を始めた。
誠「た、確か三十回だったか…?」
俺は保健の授業を思い出しながら、グロウルの胸を強く押し続けた。そして三十回胸を押したあと、俺はグロウルの顎を右手で押し上げ左手で鼻を摘まんだ。
誠「胸元を見ながら…だったよな…。」
俺はグロウルの胸元を見ながら、唇をグロウルの唇と重ねた。そして息を吹き込みグロウルの二つの丘を見ながら、胸元が膨らむのを確認した。
誠「も、もう一回か…。」
もう一度グロウルの胸に手を当て数回強く押していると、グロウルが水を吐きながら息を吹き替えした。上手くいったみたいだ…保健の授業聞いといてよかった…。
グロウル「ま、誠さん…?」
誠「だ、大丈夫か…?」
グロウル「あ、はい…大丈夫ですけど…誠さんも顔赤いですよ…?」
誠「えっ!?あ、いやこれは…その…。」
グロウル「…?もしかして風邪ですか…?」
グロウルは額を俺の額と合わせて、俺に熱があるか確かめた。息もかかるような至近距離が数秒間続いた。
グロウル「熱は…ないみたいですね…。」
誠「お、おう…ありがとな…そ、それじゃ俺はこれで…。」
俺は立ち上がりグロウルに背を向け、皆のところに戻ろうとした。が、そのときグロウルに呼び止められてしまった。
グロウル「あ、あの…誠さん?」
誠「な、なんだよ…?」
グロウル「助けてくれたんですよね…その、ありがとうございました…。」
誠「あ、ああいや…こちらこそありがとな…。」
グロウル「…?」
俺はグロウルに感づかれる前に逃げるように走り去った。残されたグロウルは自分の胸元がはだけているのを見て、状況を把握したように胸元と口元を手で押さえ顔を赤くした。
ベル「誠さんどこ行っちゃったんですかね…。」
千夏「それなりに時間経ってますよね…。」
アイラ「ま、そのうち帰ってくるだろ。」
誠「ただいま。」
アイラ「うわっ!?び、ビックリさせるなよ…。」
誠「わりいわりい。」
俺は腰が抜けたように倒れ込んでしまったアイラに手を伸ばし、アイラの手を掴み立ち上がらせた。
セナ「どこ行ってたの…?」
誠「ちょっと人(?)助けにな。」
アルス「グロウルさんのことですか…?」
女神「あれ、そういえばグロウルさんは…?」
誠「グロウルはまあ…色々あってあっちの方にいるよ。てかまだ機嫌直ってないのな。」
俺は来た方を指差しながらそう言った。色々の部分を思い出さないようにしたが、ついさっきの出来事だったせいで無理だった。
剣聖「…どうしたの?顔赤いけど?」
誠「…え?い、いや気のせいだよ…。」
千夏「もしかしてグロウルさんと何かあったんですか…?」
誠「な、なにもないって!顔怖いぞ!」
千夏「本当ですか…?」
誠「ほ、本当だって!ほ、ほらもう帰るぞ!」




