反省会と活躍
誠「…よし。」
ベル「とりあえず一段落つきましたね。」
千夏「ちょっと疲れちゃいましたよ…。」
誠「じゃあちょっと休憩するか…。」
俺はそう言いながら剣をしまい、入り口付近で立ち尽くす皆の方を睨んだ。結局戦わなかったからな…あいつら…。
誠「…反省会だ、お前ら座れ!」
剣聖「なに突然…」
誠「いいから座れ!」
俺は素早く皆の後ろに回り込み、渾身のヒザカックンを喰らわせた。不意を突かれた皆はまんまと引っ掛かり、地面に座り込んだ。
アイラ「び、ビックリしたな…なにするん…」
誠「いいかお前ら!」
アイラ「聞けよ…。」
誠「ここはダンジョンなんだぞ!?そんな半端な気持ちでいるとな、いつか死んじまうぞ!」
女神「そうなったら私が生き返らせればいいんじゃ…」
誠「そういう話をしてるんじゃない!」
セナ「そういう話だと思うけど…。」
誠「ああもう…うるさいな!!」
俺はもう半分ヤケクソになりながら、皆の方を指差した。そしてそのまま数分の間、俺はまるで先生のように皆に怒鳴り続けた。
誠「…わかったか!?」
アルス「は、はい…。」
誠「全く…じゃあ次行くぞ。」
アイラ「えっ!?もう行くのかよ!?」
誠「何か問題でも?」
アイラ「いやだって…」
誠「何か問題でも?」
アイラ「あ、いや…大丈夫です…。」
誠「よろしい。」
俺達は部屋の奥にあった階段から二階に上り、重厚な扉を開けた。するとそこには一階とまるで同じ配置で、剣を持った魔物が待ち構えていた。
アルス「また同じ…ですね。」
誠「チッ…まあいい…ほら戦うぞ!」
セナ「…まだ無理…。」
誠「はあ!?なんでだよ!?」
セナ「足が痺れて動けない…。」
誠「ここまで歩いてきただろうが。」
セナ「う…。」
誠「う…じゃない!ほら、さっさとロボット呼ぶ!」
セナ「わ、わかったから…勝手に操作しないで…!」
俺はセナの腕輪を無理矢理に操作していた。操作するのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくる魔物共に気づかなかった。
魔物「ガアアアアア!!」
誠「やべっ…」
魔物「ギャアアアア…!」
誠「……?」
死を悟っていた俺は目を閉じていた。が、特になにも起こらないことに気付き目を開けた。するとそこにはバハムートを持った剣聖が凛々しく立っていた。
誠「け、剣聖…お前…」
剣聖「大丈夫?怪我してない?」
誠「あ、ああ…。でも、なんで急に…」
剣聖「いや、ここで活躍しとけばもう今日は戦わなくていいと思ったからさ?」
誠「そこは包み隠せよ…。」
剣聖「ふう…じゃ、あとはよろしくね。」
誠「…は!?なに言ってんだよ!?」
剣聖「え?だってもう活躍したじゃん。」
誠「ダメだ!せめてここだけやりきれ!」
剣聖「えー…。」
嫌そうな顔をしながらも剣聖はバハムートを構え、バッサバッサと魔物を薙ぎ倒していった。剣聖って案外強いんだな…あ、バハムートが強いのか。
剣聖「…これでいい?」
誠「あ、おう…。」
ベル「剣聖さんかっこよかったですよ!」
剣聖「え?そ、そう?」
千夏「はい!剣聖さんって凄い人だったんですね!」
剣聖「ま、まあ…ね?」
誠「チョロすぎだろ…。」




