酔いと不眠
千夏「はあ…。」
誠「そんな落ち込むなよ…。」
千夏「そうは言ってもですね…。」
千夏はゲンナイさんの造ってくれた杖を売って、武器屋で買った「復活の杖」を手に持ちため息をついた。
千夏「なんか…地味すぎません…?」
誠「そんなもんだって…。」
俺は家に着くまでの間ずっと、女神を励ましながら歩いた。しかし家に着いた途端、女神は杖を玄関に置いて寂しげにリビングに行ってしまった。
ベル「あ、遅かっ…どうしたんですか…?」
女神「その…色々と…。」
剣聖「誠…また何かやらかしたの?」
誠「なんでそうなるんだよ…。」
アイラ「それしか浮かばないけど?」
誠「イメージ悪すぎるだろ…。」
とりあえず俺は席に座り、少し前に起こったことを皆に話した。すると皆は苦笑いを浮かべ始めた。まあそうなるよな…。
セナ「別に気にすることじゃない…。」
アルス「私もそう思います…。」
女神「そんなことないですよ!皆さんの武器はカッコいいからわからないんですよ!」
千夏「そんなこと…」
女神「ベルさんの武器とか凄くカッコいいじゃないですか!」
ベル「わ、私ですか…?」
そう言いながらベルは少し嫌な顔をしながら、腰からゲンナイさんに造ってもらったナイフを取り出した。
女神「カッコいいじゃないですか…。」
ベル「そんなこと言われてもですね…?」
女神「アイラさんはどうですか!?」
アイラ「えっ…これだけど…。」
アイラはポーチから指輪をいくつか取り出し、女神に見せるように突き出した。すると女神は更に怒ったような顔を浮かべた。
女神「指輪なんてオシャレじゃないですか!」
アイラ「え…?ごめん…なさい…。」
女神「むぅ…セナさんは…?」
セナ「…これ…。」
誠「お、おい…!?」
セナはちょっと自慢気な顔をしたあと、腕輪を操作し始めた。すると数秒後、地面が少し揺れ外から轟音が聞こえ始めた。そしてその直後、家の壁を突き破りロボットが現れた。
誠「……。」
女神「か、カッコいい…!」
セナ「でしょ…。」
誠「メシクイニイクカ…。」
剣聖「現実見なよ…。」
俺達は結局ロボットを無視してギルドに向かうことにした。何も起きていない…俺は何も見ていない…。
リディ「あ、いらっしゃいませ。」
誠「……。」
リディ「誠さん…?」
千夏「あ…誠さんは今ちょっと話せない状態で…。」
リディ「何があったんですか…?」
俺達は近くの席に座り、それぞれ注文を始めた。放心中の俺以外の皆はいつもの料理を注文する中、女神は少し暗い顔で、
女神「ビールください…。」
リディ「ビールですか?わ、わかりました…。」
千夏「ビールなんて…大丈夫ですか…?」
女神「大丈夫じゃないから飲むんですよ…。」
千夏「ああ…なるほど…。」
少し経つとリディがビールを手に、再び俺達の席に戻ってきた。すると女神はリディからビールを貰い、それをゴクゴクと飲み始めた。
リディ「そ、そんなに一気に…大丈夫なんですか?」
女神「……。」
アルス「女神さん…?」
女神「はぁい…?なんでしょ~?」
女神は頬を赤く染め、口回りと鼻に白い泡を付けて顔を上げた。女神は完全に出来上がってしまっていた。
女神「えへへ~…。」
アイラ「ど、どうするんだ…これ…?」
セナ「どうしようもない…。」
剣聖「だね…。」
アルス「ま、誠さん!女神さんが…」
誠「……。」
アルス「こ、こっちもですか…。」
ベル「も、もう…早く食べて帰りましょう…。」
千夏「ですね…。」
そのあと皆は急ぎで飯を食べたあと、俺と女神は皆に支えられながら家に帰った。そしてリビングに入り、壊れた壁とロボットが俺の目に入った。
誠「…やっぱり夢じゃなかったのか…。」
千夏「やっとまともになってくれましたか…。」
アルス「どうするんですか…?あれ…。」
誠「明日考えるよ…もうなんか眠いわ…。」
ベル「じゃあ…私達も寝ますか?」
剣聖「とりあえず明日ってことで。」
セナ「わかった…。」
リビングから解散した俺は一通りやること済ませ部屋に向かった。そして瞼が重くなってきた頃、部屋のドアが開く音が聞こえた。
誠「…ん?」
女神「ん~…!」
誠「なっ…!?」
女神は背伸びをしたあと俺に向かって飛びかかってきた。そして俺の胸に頬擦りしたかと思うと、顔を上げて不思議そうな顔をした。
女神「ん~…?なんかこのベッド硬いですね~…?」
誠「お、おい…そろそろ離れて…」
女神「まあいいですよねっ!」
誠「良くねえよ!」
女神「ん~…。」
女神は俺の胸に顔を埋め、寝息を立て始めた。下腹部に女神の胸が当たる。腕は俺を抱き枕にするかの様にきつく巻いていた。
誠「ね、眠れん…!!」




