わがままと迷惑
遅れてすみません。短くてすみません。
誠「…ん?」
俺は武器屋の床の上で目を覚ました。さっきまで女神(小)と幸せな一時を過ごしていたはずなのに。どうやら女神が生き返らせてくれたようだ。
女神「…何か言うことはありませんか?」
誠「…俺の幸せを奪いやがって…。」
女神「遺言ですか。」
誠「違うからその釘付きバット下げようか…。」
俺は女神に手を向けながら立ち上がり、少しボーッとする頭で今まで何をしていたか思い出す。…ダメだ女神(小)の顔しか浮かばねえわ。
ベル「誠さん大丈夫ですか…?」
誠「なにが…?」
アルス「なんだかボーッとしてますよ?」
誠「大丈夫だよ…。それで…何してたんだっけ…?」
千夏「大丈夫じゃないじゃないですか…。」
アイラ「女神の武器を選びに来たんだろ?本当に大丈夫か?」
誠「ああそうだったな、じゃあ選ぶとするか。」
女神「真面目に選んでくださいよ。」
誠「わかってらい。」
俺は段々と冴え始めた頭を使い、女神の武器を選び始めた。とりあえず適当に杖を見ていると「復活の杖」という杖が目に入った。
誠「ふーん…これでいいかな…。」
女神「これでいい…?」
誠「ああいや…その、これがいいと思うぞ。」
女神「そうですか…。」
女神はそう言いながら俺の腰元に視線を落とした。そして首をかしげてから俺の方に視線を向き直した。
誠「…?なんだよ…?」
女神「誠さんの武器ってここで買ったんですか?なんだかそんな立派な武器が置いてあるように見えないんですけど…。」
店員「え…」
誠「俺の武器は魔物の素材から造ったからな。こんな店の武器とはレベルが違うぜ。」
店員「ちょ…」
女神「そうなんですか!?私もそれがいいです!こんな店の武器じゃなくてもっと強いのがいいです!」
店員「あの…」
誠「はあ…仕方ない…じゃあとりあえずギルドのクエストでも見に行くか…。」
店員「……。」
俺はそれぞれ武器を選んでいた皆を集め、ギルドに向かうことを伝えた。途中謎の殺気を感じたが気のせいということにしてギルドに向かった。
リディ「あれ?誠さん、早いですね?」
誠「ちょっとクエストをな。」
リディ「そうですか、頑張ってくださいね!」
誠「おう。」
俺達はリディと別れ、クエストの貼り出してある場所に向かった。そこにはたくさんの紙が張られていた。が、
アイラ「平和だな…。」
剣聖「ゴブリンしかないじゃん…。」
セナ「相変わらず…。」
女神「そんな…。」
誠「…もうゴブリンの杖でいいんじゃない?」
女神「嫌です!」
セナ「わがまま…。」
アルス「まあまあ…。」
俺はゴブリンクエストを前に腕を組み、どうするか考えた。このままじゃ女神の不満は収まらないだろうし…でもゴブリンしかいないし…。
誠「…魔王に相談してみるか…。」
千夏「ですね…。」
ベル「また迷惑かけるんですか…?」
誠「俺のせいじゃないし…。」
少し離れた場所にいる女神を横目に俺は大きくため息をつき、転移魔法でグロウルさん家に向かった。




