忘却とパズル
誠「あーあ…。」
ラッキースケベが終わってしまった俺は、落胆しながらリビングに向かった。リビングにはベル、セナ、千夏、アルスがいた。
誠「おはよう…。」
ベル「…?随分テンション低いですね?」
誠「…まあな…。」
セナ「何かあった…?」
誠「生き甲斐を失ったのさ…。」
千夏「生き甲斐って…一体何があったんですか…。」
ベル「また死のうとしないでくださいよ…?結構大変だったんですから…。」
誠「ああ…うん…。」
俺は頷きながら椅子に座った。 そして、とりあえず今日は何をしようか話し合った。結果、ダンジョン攻略をすることになった。
誠「…よし!じゃあ他の皆起こして行くか!」
ベル「はい!」
俺達は部屋をまわり皆を起こしたあと、準備をしてギルドに向かった。ギルドに入ると、リディとグロウルが対座して話し合っていた。ほんと仲いいな…こいつら…。
グロウル「そうでしたか…よかった…。」
誠「何がよかったんだ?」
リディ「あ、誠さん。」
誠「よっ。で、なんの話してたんだ?」
グロウル「この前私が壊してしまったダンジョンの話です。」
アルス「…何の話ですか?」
誠「いや…俺にもわからん…。」
リディ「自分も壊してるからわからなくなるんじゃないですか?」
誠「う…すみません…。」
リディは若干俺を睨んだあと、下を向いてため息をこぼした。別に悪気があって壊したわけではないんだがな…。
誠「それで?何処のダンジョン壊したんだ?グロウルさん?」
グロウル「う…嫌な聞き方しますね…。」
アイラ「いつも通りだな…。」
剣聖「だね…。で、どんな壊し方したんですか?グロウルさん?」
グロウル「うぅ…剣聖さんまで…。」
なんか…最近気づいたけど俺のパーティまともな人いないな…。まあ、強いて言うなら俺くらいだな…。
グロウル「ジルで壊したダンジョンなんですけど…覚えてますか?」
誠「いや…全く…。」
ベル「ええ…?覚えてないんですか…?」
誠「えっ!?逆に覚えてるの!?」
ベル「覚えてますよ…ほら、ジルまみれの塔があったじゃないですか。」
誠「んぁ?あー…あったな…そんなの…?」
ベル「絶対思い浮かんでないですよね…?」
誠「…バレたか。」
俺は観念してベルにどんなダンジョンだったか聞いた。話を聞くうちに段々と記憶が戻り、攻略できずにいた事を思い出した。
誠「じゃあ早速攻略しに行くか。」
リディ「え!?ご飯食べて行かないんですか!?」
誠「まあ序盤のダンジョンっぽいし…すぐ終わるでしょ。」
剣聖「ええ…お腹空いたんだけど…。」
セナ「私も…。」
千夏「私もです…。」
誠「知らん!ほら行くぞ!」
俺は空腹を訴える者共を無視して、例のダンジョンへと向かった。ダンジョンに着くと入り口の前に、「難解のダンジョン」と書かれた看板が置かれていた。
アルス「難解のダンジョン…ですか。」
アイラ「誠には不向きだな。」
誠「アイラには言われたかないね。」
剣聖「否定はしないんだ。」
誠「できないからな。」
ベル「認めちゃうんですね…。」
そんな話をしたあと、俺達はダンジョンの中へと入った。そこには九つのボタンが正方形状に並んだパズルの様な物と、「黒に染めよ」と書かれた看板が置かれていた。
誠「…やっぱり頭使う系か。」
アイラ「とりあえず適当にやればいいんじゃない?」
誠「あ、おいっ!」
アイラは一人でパズルに向かって行ってしまった。そしてアイラがパズルの目の前に立った途端カチッという音が部屋に鳴り響き、部屋の壁から刺が飛び出してきた。
アイラ「え、えっと…?」
誠「はあ…言わんこっちゃない…。」
アルス「ど、どうするんですか!?どんどん迫ってきてますよ!?」
誠「まあ落ち着きなさいよアルスちゃん。」
アルス「どうしてそんなに落ち着けるんですか!?」
誠「なんたってアルスちゃんの支援魔法があるからな。」
アルス「え…?あっ!なるほど!」
アルスは思い付いたように俺に両手をかざした。その瞬間俺は、不意に沸き上がってくる不安を感じた。
誠「ちょ、ちょっと待った!」
アルス「な、なんですか!?速くしないと…」
誠「わかってるよ!ただその…上げすぎるなよ…?」
アルス「え…?あ、ああ!わ、わかってますよ!あはは…。」
危なかった…言ってなかったら絶対に大変なことになっていただろう…。そしてアルスが両手をかざすと俺の脳は急激に活性化し、あっという間にパズルを解き終えてしまった。
アイラ「よ、よかった…止まった…。」
誠「…ふう。」
ベル「危なかったですね…。」
誠「ほんとだよ全く…。」
アイラ「に、睨まないでよ…。」




