罠とステータス異常
お手伝いロボットに復讐して一通り観光を終えた俺達は、馬車に乗ってダンジョンに向かった。少し経つと、機械染みた塔の前に着いた。
ベル「着にましたね。」
アルス「機械のダンジョン…ですか。」
誠「…よし!じゃあ行くか!」
アルスの支援魔法をかけたあと、俺達は機械のダンジョンに入っていった。一階層目には機械でできた剣士が、一体だけポツンと立っているだけだった。
剣聖「…これだけ?」
アイラ「なんだ…楽勝だな…。」
俺達が部屋の真ん中まで行くと、機械の剣士は動きだした。そして、それと同時に地面に魔方陣が浮かび上がった。
千夏「わ、罠ですかっ!?」
ベル「…で、でも何も起こってな…」
誠「ぐおぉぉおぉぉおおぉぉおおおお…!」
アルス「ま、誠さん!?どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」
セナ「うぅぅ…。」
ベル「セナちゃんも…大丈夫!?」
セナ「体が…重い…。」
誠「俺もだ…体が重…ぬおおぉぉぉおお!」
アイラ「誠のはふざけてるようにしか見えないぞ…。」
誠「いや…わりとマジで動けないです…。」
困惑する俺達を無視して、機械の剣士は斬りかかってきた。皆なんとか避けていたが、俺とセナは体が全く動かなかった。
機械の剣士「……。」
誠「あ、あの…動けないんでマジ勘弁してください…。」
俺が頼み込むと機械の剣士は黙ってコクリと頷き、他の皆を狙って斬りかかり始めた。これは流石に惚れた。
ベル「やっ!」
機械の剣士「グウウ…!」
ベルのナイフが機械の剣士に当たり、機械の剣士は粉々に散った。ああ…いいやつだったのにな…。
ベル「ふう…それで、一体どうしちゃったんですか?」
誠「体が動かないんだよ…。」
セナ「私も…。」
アルス「…もしかしたらステータス異常かもしれないですね。」
誠「ステータス…異常?」
アルス「そうです。誠さん、一度自分のステータスを見てみてください。」
誠「…わかった。」
俺はポーチから自分のカードを取り出して確認した。するとステータスの速さがピッタリ100になっていた。
誠「あ、あれ?俺も年かな…。」
セナ「私も100になってる…。」
千夏「つまり速さを100にするステータス異常ってことですね。」
ベル「なるほど…元から100に近い私達はなんともない…ってことですか。」
誠「じゃあ…このダンジョンは任せたわ…。」
アルス「わかりました!」
俺とセナはそのまま一階層に残り、他の皆は次の階層に向かった。全く…こんなに退屈なダンジョン攻略は初めてだ…。
セナ「誠…。」
誠「どうした…?」
セナ「攻略が終わったらこのダンジョン壊していい…?」
誠「俺が怒られるからやめてくれ…。」




