作戦会議と早起き
グロウル「ど、どうしましょう…。」
俺達は俺の偽物が逃走したあとに、ギルドに戻り明日の夜に備えての作戦会議をしていた。…面倒だな…正直眠いよ…。
リディ「誠さんの偽物…ですか。」
ベル「ステータスも同じなんですか?」
グロウル「はい…多分そうです…。」
アイラ「誠と同じか…厄介だな…。」
アルス「誠さん…速さカンストですからね…。」
あれ?ちょっと待って、なんか俺も厄介者みたいな言い方してない?絶対に俺そんなんじゃないよね?今まで清く正しく生きてきたよね?
グロウル「はあ…参りましたね…。」
誠「…ていうか大体俺の偽物なんかどうやって創ったんだよ?」
セナ「確かに…。」
剣聖「そういえば…モンスターは物の特徴からできてるんだっけ。…でも誠は今ここにいるし…。」
グロウル「はい…実はですね…誠さんに耳掻きしたときのゴミを試しに使ってみたんですよ…。」
誠「そんな俺の残りカスみたいなので創れちゃうの!?」
グロウル「みたいです…。」
千夏「なんと…誠さん…!今度は私が耳掻きしてあげ…」
誠「絶対にさせないからな。」
千夏「ひ、ひどい…。」
誠「ゴホン…ところでグロウルさん。この一件が無事解決したら、今度は俺が耳掻きしてあげ…」
グロウル「遠慮します!」
リディ「これ…作戦会議なんですよね…?」
こうして作戦会議という名のおしゃべりは続き、とうとうなにも決めずに帰ることになってしまった。
誠「そろそろ帰ろるか。」
ベル「ですね…。」
アイラ「眠…。」
俺達が家に帰ろうとしていると、何故かグロウルが後ろから着いてきていた。まだ用事があるのか…?
誠「どうした?まだ何か用か?」
グロウル「えっと…実は誠さんの偽物に城を壊されてしまって…ですね…。」
セナ「えげつない…。」
誠「…なんで俺の方見て言うんだ…?あれは俺であって俺じゃないぞ…?」
グロウルを連れて家に着いた俺達は、それぞれ風呂に入った。そのあと俺は皆を一度リビングに集めた。部屋割りを決めるためだ。
誠「ゴホン…俺と一緒に寝たい人!」
俺は手を挙げてそう言ったが、挙げ返してくれたのは千夏だけだった。無論、こんなヤンデレ女と寝るつもりはない。俺の息子が危ないからな。
誠「…他は?」
千夏「私じゃダメなんですか!?」
誠「当たり前だろ…。で、他はいないのか?」
アイラ「…てか誠がソファーで寝ればいいんじゃない?」
誠「え?」
セナ「私もそう思う…。」
誠「え?」
剣聖「…解決したみたいだし…私は寝るかな。」
誠「え?」
グロウル「じゃ、じゃあ私は誠さんの部屋で寝ますね…。」
誠「え?」
一人取り残された俺は、リビングで口を開けたまま暫く立ち尽くしていた。そのあとは嫌々だったが、寝にくいソファーに寝転がり夜を明かした。
誠「…んぐっ!?」
俺はソファーから落ちて目を覚ました。ウトウトしながら時計を見ると、時計は五時を指していた。
誠「これだからソファーは嫌いなんだよ…。」
俺はため息をつきながら立ち上がり、これからどうするかを考えた。ま、この時間に暇を潰すならギルド位しかないんだけどな。
誠「…ギルド行くか。」
ギルドの扉を開けると、いつも通りリディがいた。俺はとりあえず近くの席に座り、リディと対座した。
リディ「今日は早起きですね。」
誠「まあな…。てかリディの方が早いだろ?」
リディ「まあ…三時には起きますね。」
誠「早すぎだろ…。やっぱり年取ると早く起きられるものなんだな…。」
リディ「はい?」
誠「あ…なんでもないです…すみません…。」




