男とリディ
ベル「どうして誠さんはそんななんですか!」
誠「…はい。」
俺は今家のリビングで正座させられ、皆から説教を受けている。内容は何故そんなに女体に執着するのか、だ。実にくだらない…。
アルス「聞いてますか!?」
誠「あ…はい、聞いてます…。」
アイラ「…で、なんでそんなに女好きなんだよ?」
誠「いや男は皆そんなもんだと思うけど…。」
剣聖「まあ確かに…。」
誠「だろ?絶対俺だけじゃないぞ。」
千夏「…そういうものですか?」
誠「おう、なんならギルドにいる男に聞いたらどうだ?」
セナ「なるほど…。」
俺達はギルドに行ってそこらにいた男を集めた。…なんか急に暑くなってきたな…あと凄い汗臭いぞ…。これだから男は…。
男A「どうした、急に集めて?」
誠「ゴホン…なあ皆、今一番欲しいものってなんだ?」
男A「なんだよ、そんなの女に決まってるだろ。」
誠「だよな、お前は?」
男B「○フレ。」
誠「素晴らしい。お前は?」
男C「俺専用サキュバスかな。」
誠「…それはやめておけ…。」
こうして回りにいた十人くらいの男に同じ質問をしたが、皆口を揃えて女だとか○フレだとか言った。
誠「どうだ?皆俺と同じだろ?」
ベル「…もういいです…聞きたくないです…。」
リディ「どうしたんですか?」
俺達がテーブル席に座って話をしていると、リディが話に参加してきた。…正直リディに男の話を聞いても無意味だろ。
アルス「リディさん、男ってどうして変態ばっかりなんですか…?」
リディ「え?うーん…」
誠「男付き合いないからわからないだろ。」
リディ「…はい?」
誠「ご、ごめんなさい…。」
リディは暫く俺を睨み付けたあと、下を向いてため息をついた。そして顔をあげて予想もできなかったことを言った。
リディ「…まあ、男が女に興味を持つのは自然なんじゃないですか?」
誠「…えっ?」
リディ「…なんですか?」
誠「いや…リディがそんなこと言うとは思わなかったから…。」
リディ「…なんて言うと思ったんですか?」
誠「もっとこう…男なんてクズで駄目でいらない存在…みたいな?」
リディ「…私のこと低く見すぎじゃないですか?」
…確かに。今までリディのことをただの性格の若干悪い怪力ゴリラ女としか考えてなかったな…。これはリディを見直す良い機会になったかもな…。
セナ「どうしたの…?」
誠「いや、ちょっと考え事してた。」
ベル「リディさんのことですか?」
誠「そ、意外と性格良いんだなって思って。」
リディ「フフッ…絶賛彼氏募集中ですよ?」
誠「え…あ、うん…。」
千夏「なに本気にしてるんですか!誠さんは私のです!」
千夏はそう言いながら俺の腕に抱きついてきた。実った桃が当たる感触が俺の腕にまとわりついた。
誠「お、おい…。」
千夏「えへへ…照れてるんですか?」
誠「か、帰るぞ…!」
俺は照れ隠しをするために立ち上がり千夏の腕を振り払った。そして皆で家に帰ろうとしたその時、俺はギルドにいた男共に肩を掴まれた。
誠「…な、なんでしょう…?」
男A「おい…なんでお前あんなにモテてるんだよ…!」
男B「そうだぞ…てっきり同士かと思ってたが、敵のようだな…!」
男C「サキュバスを否定するとは貴様許さん…!」
おいおい…冗談だろ…!別に喧嘩売るつもりで質問した訳じゃないんだが…どうやら恨まれてしまったようだ…。てか男Cに至っては論外だろ…!
と思っていたが俺は夜が明けるまで、暑苦しい男共の相手をするはめになってしまった…。




