ヤンデレと実力
風呂で千夏に襲われた俺はリビングにある自分の布団を持って、逃げるように部屋に入った。そしてドアに鍵をかけて布団に潜り込んだ。千夏の強運は危険だからな。
誠「…流石に寝てるところを襲わないだろうし、さっさと寝てしまおう…。」
俺がうとうとし始めると、ドアがガチャガチャと音を立てた。冷や汗を流しながらドアを見ていると、鍵の開く音と共に千夏が現れた。
誠「おいおい…うそだろ…。」
千夏「誠さん!これどうぞ!」
千夏が意気揚々と渡してきたのは湯気の立つコップだった。中には黒い液体が入っていた。ってこれコーヒーかよ…全く…寝ようとしてる人にコーヒー渡すなよな…。
千夏「あの…もしかしてコーヒー嫌いでしたか…?」
誠「いや…そういうんじゃないけど…。」
千夏「よかった…!ちょっと心配しちゃいました…。」
誠「…そうかい…。」
そう言いながら俺は温かいコーヒーを一気に飲み干した。あ~あ…折角寝ようとしてたのに目が覚め…ない!?いや、むしろ…眠く…
千夏「フフ…一気に飲んじゃうなんて…そんなに嬉しかったんですか?」
ボヤける視界の中、千夏はそう言いながら俺に馬乗りになった。そして不気味な笑みを見せながら服を脱ぎ始めた。
誠「…お、おい…これはどういう…」
千夏「実は…コーヒーにお薬入れておいたんです。どうです?眠たくなってきたでしょう?」
誠「…こ、この…」
千夏「それでは…おやすみなさい…誠さん。」
うう…まさか俺を好いてくれる後輩がヤンデレ属性だったとは…!俺は必死に眠らないようにしたが、努力も虚しく視界は真っ暗になってしまった。
誠「…んぐ…。」
目を覚ますと俺は千夏と同じ布団で、しかも全裸で寝ていた。恐る恐る千夏の方を見ると千夏も全裸になっていた。
誠「なっ!?まさか…俺の初めてを…俺のDTを!?」
千夏「…ん…どうしたんですか…誠さん?」
誠「おいっお前っ!昨日の夜俺に何しやがった!!」
千夏「…別になにもしてませんよ…?」
誠「なに言ってやがるっ!俺を無理矢理に眠らせたくせに!」
千夏「ですからなにもしてませんって…まあ、たしかに誠さんの◯◯◯を切断して、お守りにしようかと思いましたけど…。」
誠「なにっ!?」
俺は布団をめくって自分の息子の生存確認をした。…よかった…どうやら無事みたいだ…。くそっ、この女危なすぎる…。絶対にいつか俺の息子を狩りに来るだろ…。
誠「…てか俺の服はどこだ…?」
千夏「えへへ…どこだと思います…?」
誠「なに笑って…ってまさか!?」
千夏「そう、ここですよ…誠さん。」
千夏はそう言いながら布団の中を指差した。多分…いや、絶対に股に挟んでるな…。どうする…?とりあえず強行突破するか…。
誠「さっさと返せ…!」
千夏「きゃっ!?んっ…け、結構大胆ですね…!でも…そう簡単には返せません…!」
誠「いいから返せって言ってるだろ…!」
千夏「あっ…!」
俺はやっとの思いで千夏から服を奪い取った。そしてすぐに服を着てリビングに向かった。リビングではベルとセナとアルスが、ソファーに座って楽しそうに話していた。
ベル「あ、おはようございます誠さん。」
セナ「今日は早起き…。」
誠「…まあな。」
アルス「よく寝れたみたいですね!いいことです!」
誠「そうだな…本当によく寝れたよ…うん。」
ベル「…?」
俺はため息をつきながら椅子に座って話に加わった。そして今日は何をしようか話していると、服を着た千夏がリビングに入ってきた。
千夏「おはようございます!」
誠「…う。」
アルス「誠さん?どうしたんですか?」
誠「いや…なんでもない…。」
ここでさっき起こったことを口走ったらきっと殺されるだろう…。俺だけならまだしも他の皆でさえ殺すだろう、このヤンデレ女ならな…。
千夏「…ところで何話してたんですか?」
ベル「今日何しようか決めてたんです。」
セナ「結局どうするの…?」
誠「んー…あっ、そうだ!千夏の実力テストしよう!」
千夏「実力テスト…ですか?」
誠「そう、千夏がどれくらい強いのか試すテストだ。」
千夏「なるほど!でしたらすぐに出発しましょう!」
セナ「アイラと剣聖は…?」
誠「ああそうか…悪いけど起こして来てくれ。」
セナ「わかった…。」
アイラと剣聖を起こして俺達は門の外に出た。そして広い平地に移動して、早速千夏の実力テストを始めた。
アイラ「ふあ…ねむ…。」
剣聖「なんで私たちまで…。」
ベル「まあまあ…。」
誠「てか千夏って何の武器使ってるんだ?」
千夏「私の武器は弓ですよ。」
アルス「弓ですか…難しそうなイメージがあります。」
誠「確かに…。」
千夏「大丈夫です!私弓道やってましたから!」
誠「なるほどな…。よし!…じゃあ始めるか!」
俺はそう言って千夏からある程度の距離をとった。まあ要するに離れた敵に当てられたら合格ってことだ。
誠「いいぞー!射ってこーい!」
千夏「わかりましたー!」
そう言ってあと千夏は弓を構えて俺に向けて矢を放った。その矢は途中までは俺に向かっていたが、段々と左に寄っていった。
誠「フッ…強運もここまでか…。」
俺が余裕をかましていると左に寄っていた矢は近くにあった岩にぶつかり、俺に向かって跳ね返ってきた。
誠「そんなバカなっ!?」
俺はすぐに避けようとしたが突然のことで体が動かず、矢を受けてしまった。しかもよりによって股間に。俺は股間から血を流し地面に倒れ、気絶した。




