クエストと魔法少女
ダンジョンが崩れたせいで攻略できなくなった俺達は、グロウルと一緒にギルドで時間を潰そうとしていた。
誠「暇だな…。」
リディ「暇ならクエストでも受けてくださいよ。困ったモンスターが溢れてるんです。」
グロウル「…すみません…。」
ベル「…そういえばクエスト受けたことないですね。」
セナ「暇だし受けたい…。」
誠「じゃあ受けるか。」
俺は席から立ち上がりクエスト掲示板に向かった。そこには沢山の紙が貼られていた。それぞれどんな内容が書かれているか見てみると、
誠「なになに…?夜中にうるさいゴブリン、畑の野菜を盗るゴブリン、人の敷地で寝るゴブリン…?」
その他にも特に害もないようなゴブリンが溢れかえっていた。面倒だな…ゴブリンくらい自分で倒せるだろ…。
誠「はあ…やりがい無いな…。」
アイラ「こんなのやらなくていいんじゃないか…?」
剣聖「確かに…。」
誠「せめてゴブリンじゃなければな…。」
グロウル「ゴブリンはノーコストですからね。」
誠「量産しすぎだ…全く…。」
俺はため息をつきながら掲示板に貼ってある全ての紙を全て取り、リディに渡した。そして俺は数十秒で国の内外を走り回って、全てのゴブリンを辻斬りのごとく切り裂いてギルドに帰った。
誠「ふう…ただいま。」
リディ「…おかえりなさい…流石に速いですね…。」
誠「だろ。」
ベル「…クエスト全部終わらせて来たんですか…?」
誠「ゴブリンの数もピッタリだったし、多分全部やった。」
セナ「…またやること無くなった…。」
アイラ「まあ私は眠いしやることなくていいけど。」
剣聖「私も眠い…。」
ベル「どうします…?」
誠「家で昼寝でもするか…?」
本当にやることが無くなってしまった俺達は、冗談のつもりが、本当に家に帰って昼寝をすることになってしまった。
誠「…で?なんでグロウルもついてきてるんだ?」
グロウル「ダメですか…?」
誠「いやまあいいけど…。」
俺達はそのままグロウルを連れて家に帰り、それぞれの布団をリビングに持ってきて横に並べた。そして布団を横に並べたのにもかかわらず、なぜか俺は椅子で寝ることになった。
誠「…なんで俺だけ椅子なんだよ…。」
剣聖「男だからに決まってるだろ。」
誠「別になんもしないのに…。」
アイラ「どーだか。」
誠「はあ…信用無いな…。」
俺は不満を感じつつもゆっくりと目を閉じて眠りに入った。暫くすると俺は目を覚ました、というよりは覚まされてしまった。ドアをバンバンと強く叩く音が聞こえたからだ。
誠「…今いきまーす…!」
女組は全然起きる気配がないので、俺は眠い目を擦りながらドアに向かった。ドアを開けるとそこには白髪の女の子が立っていた。
?「あなたが誠さんですか!?」
誠「…そうだけど…君は…?」
アルス「私は魔法使いのアルスです!突然ですけど私をあなたのパーティに入れてほしいんです!」
誠「…はい?」
アルス「あなたのパーティは最近力を付けていると聞きました。今も家で作戦会議をしていたんですよね!?」
誠「え…?あ、ああ…まあね?」
アルス「やっぱりそうでしたか…!流石です!」
誠「だろ…?」
アルス「では私も作戦会議に入れてくれませんか?」
誠「え!?だ、駄目だ!」
アルス「なんでですか!?私の腕が信じられないんですか!?」
誠「そういうわけじゃ…てか腕がたつなら何でパーティに入りたいんだ?」
アルス「うっ…実は…支援魔法だけなんです、私の使える魔法…。」
誠「パーティじゃないと力を発揮できないってことか…。」
アルス「そうなんです…。」
支援魔法か…回復とかステータスアップみたいなやつか。うーん…確かにパーティに一人は欲しいかもな…。
誠「…わかった。歓迎するよ。」
アルス「本当ですか!?」
誠「これからよろしくな。」
アルス「じゃあ早速私も作戦会議に…」
誠「それは駄目だ!!」
アルス「ええっ!?」




