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俺だけが神速の異世界で  作者: apple_pie
30/84

海とタコ

ベル「着きましたね!」


グロウル「綺麗ですね…!」


誠「俺は二回目だけどな…。」


セナ「私も…。」


アイラ「何で雰囲気落とすんだよ…。」


話をしながら俺達はまずパラソルの下で準備をした。俺達というより、女組が準備をしていた。海の風物詩、日焼け止めだ。


ベル「リディさん…背中塗ってくれませんか?」


リディ「もちろん、いいですよ。」


誠「俺がやろうか?」


リディ「…誠さんは遊んできてくださいよ…。」


誠「ちっ…セナ行こうぜ…。」


セナ「わかった…。」


俺とセナはゆっくりと砂浜を歩いて海に入った。そして腰まで水が来たところで、俺とセナは海に浮かんだ。


誠「あーあ…除け者だな…。」


セナ「誠が悪い…。」


誠「うーん…あっ!じゃあセナのやってやろうか?」


セナ「私は自分でやったから平気…。」


誠「よくできたな…あ、スク水だもんな…。」


こんなにもつまらない展開でいいのか…!?今俺は五人の女と海に来てるんだぞ!何かこうウハウハな感じの展開は無いのか!?


誠「あーあ…。」


憂鬱な気分に浸っていると、複数人が走りよって来る音が聞こえてきた。海に浮かびながら音の方を見ると、皆がこっちに来ているようだった。


ベル「誠さーん!」


セナ「皆準備できたみたい…。」


誠「やっとか…。」


俺は地面に足をつけて皆の方を振り返った。…よく見るとアイラがいなかった。どうやらパラソルに籠っているようだった。


誠「…アイラは?」


グロウル「私は行かないの一点張りで…。」


誠「どうせ泳げないだけだろ…。」


アイラ「泳げるっつーの!!」


誠「…地獄耳だな…。」


そんなことを言っていると、突然辺りが影に覆われ暗くなった。さっきまで晴れていたのにと思い、背後の空を見ると巨大なタコが太陽を遮っていた。


誠「タコ…っ!?」


俺達は巨大なタコ足にあっという間に巻き付かれ、締め上げられてしまった。俺は皆を心配するように辺りを見回した。


誠「皆大丈夫か!?」


ベル「だ、大丈夫ですけど…。」


リディ「うう…ヌメヌメしてて気持ち悪い…。」


グロウル「何で私まで…。」


セナ「いやー…。」


皆平気そうだな…それにしても、こんなところにまでモンスターを配置するなんて…魔王様も性格悪いな…。


誠「……。」


グロウル「に、睨まないでくださいよ…。」


グロウルを睨んでいると巨大タコの口から、黒い墨が滝のように流れてきた。口の近くにいた俺は滝行の如く墨を喰らってしまった。


誠「……。」


グロウル「す、すみません…。本当にすみません…。」


誠「はあ…。…アイラー!助けてくれー!」


俺はパラソルにいるアイラに大きな声で助けを求めた。がアイラはグッスリと寝てしまったらしく、俺の声は届かなかった。


誠「おいおい…マジかよ…。」


セナ「ピンチ…。」


誠「そうだ!セナのロボットがあるじゃないか!」


セナ「錆びるから嫌…。」


誠「気にしてる場合か!?…もういい!」


俺は嫌々に最終手段を使うことにした。俺は自分の歯にギアブレイクを発動させ、巨大タコの足に思いっきり噛みついた。すると巨大タコは皆に巻き付けていた足を緩め、どこかへ行ってしまった。


誠「うえっ…ぺっぺっ!」


ベル「海には入らない方がいいですね…。」


グロウル「うう…すみません…。」


リディ「浜辺でも遊べないことはないですし、気にしなくて大丈夫ですよ。」


誠「ま、浜辺で遊んだ方がアイラも楽しめるしいいかもな。」


アイラ「だから泳げるって言ってるだろ!!」


それから俺達は浜辺でビーチバレーにスイカ割り、日光浴に埋葬と色んなことをして遊んだ。日が暮れるまでがあっという間だった。こんなに充実した海遊びは何年ぶりだろう…。やべ、涙が…。


リディ「もうこんな時間ですか…今日は楽しかったですね!」


ベル「はい!またいつか遊びたいです!」


誠「だな。」


グロウル「…では私はそろそろ仕事に戻りますね。」


リディ「あ、私も戻らないと…それでは誠さん、ダンジョン攻略頑張ってくださいね!」


誠「あ…。」


アイラ「…忘れてたのか…?」


誠「…行くか…。」


俺達はリディ、グロウルと解散してクルールの馬車乗り場に向かった。しかしそこに俺達が乗ってきた馬車の姿は無かった。


誠「あ、あれ…?」


セナ「おじさんがいない…。」


俺は馬車乗り場の受け付けにいた男の人に、俺達の馬車がどこにいるか聞いてみた。すると男の人はこう答えた。


男の人「ああ、その馬車ならさっき帰っちゃったよ。」


誠「…やっぱりか…。」

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