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俺だけが神速の異世界で  作者: apple_pie
26/84

放置とナンパ

誠「…ふう。」


俺は手を払いながら一息ついた。何をしていたかというと、あまりにもウザすぎた剣聖を縄で縛っていたのだ。


剣聖「んむむっ?むむむ~!」


ベル「…いいんですか?こんなことして…。」


誠「こいつがウザいのが悪い。」


アイラ「確かに…。」


誠「だろ?」


そんな話をしていると剣聖の口につけていたガムテープが剥がれ、またうるさウザい声が部屋中に響き渡った。


剣聖「も~!どうしてこんなに酷いことができるのかなっ?」


セナ「始まった…。」


誠「もう…放置するか…。」


アイラ「だな…。腹減ったしとりあえずギルド行こうぜ…。」


ベル「…本当にいいんですか?」


剣聖「キャピッ!」


誠「…いいってさ。」


ベル「ええ…?」


俺達は剣聖をそのまま放置してギルドに向かった。そしてドアを開けると何やらザワザワとしていた。よく見ると奥の方でリディが色白の男に絡まれていた。


男「なあ…金ならいくらでもやるからさ、俺のギルドに来なよ。な?」


誠「もしかしてナンパか?リディも案外モテるんだな。」


リディ「ナンパじゃないです!てかバカにしないでくれません!?これでもモテますから!!」


誠「…わ、わかったって…。」


アイラ「必死だな…。」


男「…てか、君達なに?あんまり俺の邪魔しないでほしいんだけど…?」


男は睨むような顔で俺達を見てきた。そして暫く見続けたあと、顔を覚えたのか俺達を見るのをやめてギルドを出ていった。


ベル「…怖い人でしたね…。」


誠「だな。…で、誰なのあれ?」


リディ「…知らないんですか?ここから少し離れたクルール王国の王様、ゲルグですよ。」


アイラ「…ああ、思い出した…あいつか。」


誠「アイラ知ってるのか?」


アイラ「これでも一応王家の身だからな…絶対忘れてただろ…。」


誠「…そ、そんなことない…よ?」


俺はアイラの質問を華麗にはぐらかしたあと、リディに話の本題を聞いた。なぜリディみたいな怪力女が他国から誘われていたか、だ。俺だったら絶対に誘わないぞ…。国一つなんて余裕で壊すだろ…この女…。


リディ「失礼なこと考えてないでしょうね…?」


誠「き、気のせいだよ…きっと…。」


ベル「…それで、何で他国の王様から誘いが?」


リディ「んー…可愛いから?」


セナ「…どう思う…?」


誠「無いな…。」


リディ「なによ!ふんっ!どうせ私は可愛くないですよ!」


どうやら機嫌を損ねてしまったようだ。…面倒くさい女だな…これでよく自分を可愛いだの何だの言えるよな…。


ベル「でも誘われるなんて嬉しいことじゃないですか?」


リディ「そんなことないですよ…。正直、死んでほしいくらいです…。」


誠「ええっ!?そんなに!?」


リディ「あの男は周りから悪魔とか死神って呼ばれてるんですよ…。」


アイラ「なんでも気に入らない人間は即死刑にするらしいぜ…。」


誠「へー…。」


俺は若干聞き流しながら曖昧な返事をした。正直この国にいれば安泰だからな。…あれ?そういえば俺ここの国名知らないぞ…?…まあ細かいこと気にしたら負けってことで…。


リディ「あ、そういえば皆さん何しに来たんですか?」


誠「あ、そうだ、飯食いに来たんだった。」


セナ「忘れてた…。」


リディ「そうだったんですか?じゃあほら、座ってください。」


俺達はリディに案内された席に座った。そしてそれぞれ好きなメニューを頼んで綺麗に完食し、ギルドを出た。その時外はもう暗くなっていた。


誠「…ふう。食った食った。」


ベル「帰りますか。」


アイラ「だな。」


セナ「うん…。」


俺達はゆっくりと家に帰りリビングで明日の予定を決めていた。結果、明日もダンジョンに行くことになった。そうと決まったらゆっくり寝て体を休めないとな。俺は部屋のドアを開けた。


誠「…忘れてた…。」


剣聖「あっ!やっと帰ってきたな~!」


誠「はあ…。」


俺は机に置いてあったガムテープを剣聖の口に当てて、ベッドに入り布団を頭から被るようにかけた。

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