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俺だけが神速の異世界で  作者: apple_pie
20/84

料理と黒き侵略者

誠「あーあ…。」


アイラ「…退屈だな。」


ベル「時間も沢山ありますし…。」


セナ「お金も沢山ある…。」


俺達は昨日の腕相撲大会で荒稼ぎをしたせいで予定を決める時間がなく、今日することが決まっていなかった。そのせいで俺達は退屈な時間を過ごしていた。


誠「何するかな…。」


ベル「思い付きませんね…。」


力の無い会話をしているとアイラのお腹がグーッと鳴った。そういえばご飯を食べていなかったな。そして俺は一つの名案を思い付いた。


誠「よし!今日は俺が飯作ってやるよ!」


ベル「え…。」


アイラ「…大丈夫なのか…?」


誠「お前が言うな。」


アイラ「うっ…。」


誠「とにかく任せとけって!」


俺は意気揚々とキッチンに向かった。そして冷蔵庫を開けた、がしかし中には食べ物が何も入っていなかった。


誠「…ギルドに頼りすぎだな…。…よし!買い物に行くぞ!」


俺は無理矢理に三人を外に連れ出して買い物に向かった。その最中にどんなものが食べたいか三人に質問した。


誠「皆はなに食べたいんだ?」


ベル「んー…ご飯がいいですかね…。」


アイラ「肉。」


セナ「何でも…。」


誠「適当だな…。」


俺は三人の意見に一致する飯を思い浮かべた。しかし料理経験のない俺には牛丼くらいしか思い付かなかった。…もう牛丼でいいか。俺達は牛肉に玉ねぎ、その他調味料等を買って家に戻った。


誠「…さてと、とりあえずご飯だな。」


ベル「私がやりましょうか?」


誠「いや、皆は座って待ってて。」


ベル「…わかりました。」


俺はご飯を炊くためにジャーに米と水を入れて、米をといだ。そしてご飯を炊き、次に肉の準備をしようとした。その時、キッチンに黒い侵略者が勢いよく横切った。


誠「うっ!?まさか…!?」


キッチンには黒い侵略者Gがカサカサと足を動かして動いていた。それを見た俺は後ずさるようにキッチンを離れた。


ベル「誠さん?どうしたんですか?」


誠「はっ!べ、ベル!お前獣人だろ!何とかしてくれ!」


ベル「えっ!?ゴ、ゴキブリじゃないですか!」


誠「だからこうして頼んでるんじゃないか!」


ベル「む、無理に決まってるじゃないですか!誠さんこそ、男として倒してくださいよ!」


誠「い、嫌だよ!気持ち悪いじゃん!」


俺は言いながらベルの後ろに身を隠して、慌てるベルの背中をゴキブリに向けて押し出した。するとベルは汗を流して抵抗した。


ベル「ちょ、ちょっと何で押してるんですか!」


誠「頼むから何とかしてくれ!」


ベル「無理って言ってるじゃないですか!」


そんなやり取りを繰り返していると、ゴキブリは体をベルの方に向けて羽を振るわせ始めた。どうやら飛ぼうとしてるようだ。


ベル「ま、待って…来ないで…!」


ベルの願いもむなしく、ゴキブリは空を舞いそのままベルの体に張り付いた。その瞬間ベルは泣き叫んで部屋を走り回った。


ベル「いやあああああ!!」


誠「お、落ち着けベル!ゴキブリがまた飛んじゃうだろ!」


ベル「私の心配をしてくださいよ!!」


アイラ「ちょっ!こっちに来ないでよ!」


セナ「イヤー…。」


誠「お前平気そうだなっ!平気なら撃ってくれよ!」


セナ「充電切れ…。」


誠「くそったれめ!!」


俺は逃げ回っているときにキッチンの机にぶつかり、予備に買っておいた小麦粉を部屋に撒き散らしてしまった。


誠「ゲホッ…そうだ!アイラ!火を起こしてくれ!」


アイラ「ゴホッ…。火…?」


アイラは戸惑いながらポーチから赤い指輪を取り出して指にはめた。そしてアイラの手に火がついた瞬間、小麦粉が粉塵爆発し部屋の中を吹き飛ばした。ゴキブリは焼き焦げ、俺達も焼け焦げた。


ベル「…爆発するって言ってくださいよ…。」


誠「…ゴキブリに悟られると思って…。」


アイラ「…酷い言い訳だな…。」


セナ「…部屋が…。」


俺は咳払いをしながらキッチンに戻った。そこにはご飯に牛肉、玉ねぎが四方八方に飛び散っていた。それを見て俺は二度と料理はしないと心に決めた。


誠「腹減ったし…ギルド行くか…。」


ベル「結局そうなるんですね…。」


アイラ「片付けないのか…?」


誠「…そんなのあとでいいよ…。」


セナ「お腹空いた…。」


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