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俺だけが神速の異世界で  作者: apple_pie
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作戦と腕相撲

ミノタウロス「ウオオオオオオオ!!」


俺はミノタウロスが投げてきた岩をギアブレイクで砕き、そのままミノタウロスに突っ込んだ。俺に続いて三人もミノタウロスに向かっていったが、ミノタウロスの体は硬くダメージがあまり通らなかった。


誠「くそっ…!」


俺は一旦ミノタウロスから距離をとった。そして眉間にシワを寄せ策を考えていると、アイラとセナが横切っていった。


アイラ「…これでも喰らえっ!」


セナ「ロックオン…。」


アイラの指には赤い石の埋め込まれた指輪が炎を纏ってはまっていた。アイラのパンチはセナの銃撃と混ざり、大爆発を起こした。それに耐えきれずミノタウロスは怯み、動きを止めた。


ミノタウロス「グルルルル…!」


セナ「…効いてるけど…。」


アイラ「うう…しぶといな…。」


ベル「…諦めて帰りましょう…。」


誠「いや、絶対に勝てる…!」


アイラ「ここで死んだら意味ないだろ!?」


アイラの言うことは正しい。でもここで諦めるのは嫌だった。俺は唾を飲み込み、一呼吸おいてから考えた作戦を話し始めた。


誠「…いいか、俺が時間を稼ぐからその間に外に出ろ…。」


ベル「なっ!?どうするつもりですか!?」


誠「そしたらセナ、洞窟ごと吹き飛ばすくらい全力で銃撃してくれ…。」


セナ「誠はどうするの…。」


誠「俺なら逃げ切れるさ。…多分な。」


アイラ「…本当に大丈夫なのか?」


誠「…話し合ってる時間もない。俺なら大丈夫だから行ってくれ…!」


俺はそう言ってミノタウロスに突っ込んでいった。三人がいなくなった事を確認して俺はミノタウロスの攻撃を避け続けた。


誠「避けるだけなら…!」


ミノタウロス「ウオオオオオオオ!!」


ミノタウロスは血走った目で俺に石包丁を振り続けた。しかしその石包丁は俺には当たらず、空を割き壁に傷をつけるだけだった。


誠「…はあ…はあ、そろそろいいか…?」


ミノタウロス「グルルルル…!」


誠「じゃあな化け物…!ギアブレイク…!」


俺はミノタウロスの足元をギアブレイクで斬りつけた。するとミノタウロスはバランスを崩して倒れた。それを見た俺は急いで洞窟の外に出た。


誠「…よし!セナ!今だ!」


セナ「わかった…!」


セナは空中から最大出力で銃撃を放った。その銃撃は半径数キロを吹き飛ばし、洞窟を消し去った。そこにはミノタウロスが持っていた石包丁と、採掘スポットを吹き飛ばしたのかドロップアイテムが散らばっていた。


誠「…ふう。よかった…。」


ベル「誠さん!!」


座り込んでいるとベル達が泣きそうな顔で走りよってきた。そしてベルは俺に抱きつき、アイラは俺の手前で怪我の心配を、セナは…無表情で親指を立てていた。


ベル「心配しましたよ…!」


誠「悪かったよ…。」


アイラ「本当に怪我ないか…?」


誠「平気だよ。」


セナ「……。」


誠「……。」


セナの仕草を真似して俺も親指を立てて返事をした。そして俺は立ち上がり、ドロップアイテムを拾い始めた。


誠「…ふう。こんなもんかな。」


ベル「これなら当分困らなそうですね。」


アイラ「じゃあ売りに行くか。」


誠「いや、まだだ。」


セナ「どういうこと…?」


誠「もっと稼いで余裕を持たないと。」


俺達はまず手に入れたアイテムを鑑定してもらいに行った。すると全部で50億ジルはあるらしい。正直このまま売ってもいいのだが、余裕がほしい。前にも言ったがこいつらは物凄く食う。


誠「と、いうわけでだ。」


リディ「は、はあ…。」


誠「腕相撲大会をギルドで開きたい。」


リディ「…別にいいですけど…あまり荒らさないでくださいよ?」


誠「約束する。」


俺達はギルドで腕相撲大会の準備を始めた。なぜ腕相撲なのか。それは色んな人が参加しやすいようにするためだ。そして俺なら確実に勝てるからだ。アイテムを餌に大金を稼ごうという作戦だ。


誠「さあ!金に餓えた愚かな者共よ!俺に腕相撲に勝てば50億ジルもの大金を掴めるぞ!参加費は1000万ジルだ!」


俺はギルドの中で大きな声を出し、ギャラリーを集めた。俺が細いからか、ガチムチ野郎共が続々と集まってきた。


誠「いいね…稼げそうだ。」


アイラ「お、おい…!誠…!」


ベル「何でこんな格好しなくちゃいけないんですか…!」


セナ「恥ずかしい…。」


三人には客引きと俺のためにバニーガールの格好をしてもらった。やはりギャンブルといえばバニーガールだろう。それにしてもよく似合っている…。


アイラ「…あんまりジロジロ見るな!」


アイラの平手打ちを喰らったあと、俺はガチムチ野郎共と腕相撲を始めた。勿論俺は全戦全勝。負けるはずなどないのだ。暫く稼いでいると、見覚えのある奴が挑戦してきた。


剣聖「50億ジル手に入るって聞いたんだけど…!」


誠「おっ剣聖か…一回1000万ジルだけどやるか?」


剣聖「やってやるわよ!」


性別も違うのになんでこんなに勝ち気なんだこいつは…。バニーガールがゴングを鳴らした瞬間俺は剣聖の手をテーブルに思い切りぶつけた。


誠「残念でしたー。」


剣聖「なっ!?フライングよフライング!」


誠「確認するか?」


俺は宙に浮いていた冒険者管理システムの映像を見せた。音のグラフが最高点に達した瞬間に剣聖の手がテーブルについていた。つまりフライングではない。


誠「異論あるか?」


剣聖「こ、こんなの勝てるわけないじゃない!」


誠「勝たせるわけないだろ。」


剣聖「ぐぬぬ…!」


誠「とりあえず1000万ジルな。」


剣聖「くそったれ…!」

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