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朝6時30分
怠い身体を無理やり起こしなんとか布団から出る。布団から出るには勢いが大事なんだと思う。この勢いというやつは案外馬鹿にできないものだ。例えば小学校の頃に嫌いな給食が出た時に、ええいままよと勢いで食べることができるかできないか。それができる者は早めの昼休みを享受することができるが、踏ん切りがつかない者は、周囲から人が消えていく焦燥感や自身に対する情けなさをその身に味わうことになる。かく言う僕がその後者の人間であったからその苦しさは人一倍理解できる。今でもあの小さく、でこぼこした緑色の豆とは友達にはなれない、もちろんこれからもだ。フローリングの床に足をつけると床から冷気がじわりじわりと伝わってくるのがわかる。僕は爪先立ちになり足早に部屋の隅へ行き、電気ストーブのスイッチを入れた。ストーブからジリジリと熱が伝わってくる。僕はストーブの前に胡座をかきスマホをいじりながら部屋が暖まるのを待つことにした。