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Ray of Hope (※第五章まとめ)

 第五章のまとめです。まとめます。色々と思うところがたくさんあった第五章、あとがきで反省会を開いてますので、気になる方はそのまま読み進め、作者のことなど興味ない方は本文のみお楽しみください。

【あらすじ】


 メゾン合州国に潜伏するクラウドの陰謀を予感した救世軍は、各地へ散らばりその企みを阻止しようと動き出した。グレイたちはクランケ州へ赴き、クラウドとその手引きをする内通者の調査任務に就く。

 州知事と合州国総統との接触、キュアドリンク流通不振の陰に忍ぶ工場長の疑惑、クラウドに家族を誘拐されたと主張する団体――やがて核心に迫り、グレイたちはクラウドの襲撃に遭う。多くの人々を巻き込んで身を潜めるクラウドは、人質を取ることで勢力を拡大させていた。裏切り者とされた人々は、家族や国のためクラウドの言いなりとならざるを得なかったのだ。

 人体の損傷を回復するキュアドリンクを確保し、戦力の増強を狙うクラウド。グレイたちは、その企てを未然に防ぎ、人質もみな無事に救出することができた。


 そして、グレイたちはウィルの口から繰り返されていた悲劇の真相を告げられる。メシアと最初に邂逅した『事件』の裏で、彼に加担したバンファは妻子を人質に取られ、その背景が隠蔽されていた。

 救世軍とパラティウムの秩序のために隠されてきた秘密を知り、レインは全てを公表することに決める。その誠実な姿に、世界はメゾン合州国やバンファら、クラウドの手助けをしてきた者たちを許そうとしていた。


 かつての団結を取り戻した世界と救世軍。その追い風を受けて、グレイは戦いに【希望ひかり】を見出だしたのだった……。




【主要登場人物】


☆グレイ……17歳。本作の主人公。恐れを越えて成長する少年。救世軍全体でも上位に入る戦闘能力を有するエース。今回はチルドと共に、メゾン合州国に潜むクラウドの陰謀を砕くため疾走する。


 ◇ヤーグ……グレイの魂が具現化した秘剣。炎熱を消費して強力な技を放つこともできるが、出力が100パーセントを超えるとオーバーヒートを起こし、能力が使えなくなってしまう。何らかの方法によって炎熱を吸収すれば、再び使用が可能となる。


  △秘術・【業火】……戦闘の際に発生する熱を吸収し、ヤーグの斬れ味が増す。同時にグレイの身体能力も僅かながら向上させる。これによって熱を吸収し続ければ、実質的にヤーグはオーバーヒートを起こさない。


  △秘技・【炎天】……秘術・【業火】で蓄えた熱を炎に変換し、操る。操った炎は常に刀身へ還元されるため、この技のみでは炎熱は消費しない。


  △ブレイズ……ヤーグを逆手で持ち、秘技・【炎天】の推進力で飛行する。炎の噴出には繊細な調節が必要なため、飛行には2本のヤーグが不可欠だが、高所への跳躍や敵に接近するだけなら片方だけでも可能。


  ▽インパルス……左手の剣を敵に投げつけて動きを封じ、右手の剣のブレイズで急接近、すれ違い様に2本の剣で同時に斬り裂く。炎を30パーセント出力・消費する。


  ▽メイルストロム……2本の剣から炎を噴出し、回転しながら敵を連続で斬りつけ、最後に斬り上げる。炎を50パーセント出力・消費する。


  ▽バラージュ……敵を十字に斬りつけてから跳び上がり、ブレイズで空中を浮きながら、多数の炎の剣を飛ばして敵を攻撃する。炎を70パーセント出力・消費する。



☆レイン……17歳。本作のヒロイン。グレイの幼馴染みで、慈愛に満ちた少女。【総代】として、救世軍全体のリーダーの役目を担っている。クラウドの手がかりを求めて探索をする最中、ミレッドという人物に出会い、これまで隠されてきた秘密に迫る。


 ◇ニア……レインの魂が具現化した魔弓。様々な魔法を宿している。いくつもの精霊と契約しており、召喚魔法で使役できる。


  △カスタム・ファイア……レインの得意魔法。魔力の火を様々な形で放って攻撃できる。レインが使う魔法の中でも威力は最強だが、他の救世主と比べると弱い部類。


  △ウィンド・ブレード……風の刃で敵を切り裂く。対象を切断するには威力が足りず、主に牽制に用いられる。


  △ホイール・ダッシュ……棘のついた車輪を射ち出す。敵を負傷・行動不能状態にするために使われる。


  △ロック・アート……弦を弾く音が何倍にも増幅される。敵を怯ませたり、孤立した場合は仲間に自分の居場所を知らせることも出来る。


  △エコロジー・デビル……毒の霧を散布する魔法。味方と認識した者には効果がない。


  ▽イフリート……召喚魔法で呼び出される炎の獣王の精霊。


  ▽シヴァ……召喚魔法で呼び出される氷の女帝の精霊。


  ▽ゴーレム……召喚魔法で呼び出される土の巨像の精霊。


  ▽バハムート……召喚魔法で呼び出される、精霊の王。他3体の精霊と【絆】を結び、初めて契約できる。



☆クロム……17歳。本作の準主人公。グレイの親友で、怒りっぽいところもあるが、根は優しい少年。時にキャプテンとしてメンバーを引っ張る。今回はスリートと共に、クラウドを手引きする裏切り者を探る。


 ◇モノ……クロムの魂が具現化した二丁拳銃。様々な種類の弾丸に対応している他、魔力を凝縮して撃ち出すことも可能。変型・合体して特性を変え、臨機応変な使用が可能。


  △双式ツイン・ピストル……二丁拳銃の形態。モノの通常形態で、この形態を基点に様々な形態に変型・合体する。


  △散式ショットガン……散弾銃の形態。射程の短さや弾の装填リロードに時間が掛かることがネックだが、1発で広範囲の敵を攻撃できる。


  △連式マシンガン……軽機関銃の形態。凄まじい勢いの連射が可能だが、残弾の消費が著しいことと、照準がブレやすいことが難点。


  △遠式スナイパーライフル……狙撃銃の形態。長距離からの精密射撃に特化した形態だが、反動が強く、次弾の射撃までにタイムラグが生じる。


  △剣式ベヨネット……銃剣の形態。銃口の下部に短剣が備えつけられている、モノの形態の中でも特異な形態。グレイの戦法から着想を得て体得した。遠近両用の万能な戦い方が出来る。


  △転式リボルヴ……回転式拳銃リボルバーの形態。装弾数が6発と少ないが、モノの全形態で最強の威力を誇る。取り扱いの難度も相まって、使いどころを選ぶ。使用者の技術が試される形態。


  ▽インヴァースバースト……双式で繰り出される技。回転しながら二丁拳銃を連射し、周囲の敵を一掃する。


  ▽イベントホライズン……剣式で繰り出される技。魔力を銃剣の刃にまとわせ、凄まじい大きさと斬れ味で敵を両断する。


  ▽ホーリーフレア……転式で繰り出される技。装填された弾丸、魔力、自身の魂のかけら全てを集約させて放つ、超高威力の1発。


 ◇空間魔法……新たに修得した能力。視界に入る場所なら、空間を越えて瞬時に移動できる。ただし、現在は建物の中や壁の向こうの部屋など、見えない場所への移動は出来ない。この魔法を極めた者は、時さえも転移することができるが、致命的な代償を支払うこともある。



☆チルド……12歳。分隊の最年少で、無邪気な少女。その純粋さでグレイらを和ませ、時に分隊の支えともなる。グレイと行動を共にし、クランケ州知事や合州国総統といった重鎮と出会った。


 ◇プリーズ・フリーズ……氷魔法。大気中の水分を凝固させ、氷を作り出し操る。対象の身体の一部なら、僅かの時間だけ凍結することも可能。高熱に弱い。


 ◇マジックロッド……新たな戦法を得ようと手に入れた杖。先端の宝石が魔力を増幅させ、より強力な魔法を放てる。



☆スリート……23歳。頭脳明晰な知識人。クロムと行動を共にし、キュアドリンク流通の資料を基に衛生省の内部工作を調査していく。


 ◇リコイルトンファー……スリートの魂が具現化した左右一対のトンファー。至近距離の敵を連続して殴打できる。


  △ソウルランチャー……左右のトンファーの先端から、四つの光の球を放つ。球の速度は遅く、敵の動きを読んだ計算高い利用が必須。


 ◇クイック・ブリッツ……雷魔法。目にも止まらぬ速さの連撃で凄まじい威力の技を繰り出す。



☆スノウ……14歳。口数は少ないが、心優しい少女。レインたちと共に、クラウドの手がかりを求めて探索する。


 ◇チェーンウィップ……スノウの魂が具現化した鞭。変則的な動きを得意とし、敵の拘束具としても活用される。単体での攻撃は心許ない。


  △エナジーチェーン……チェーンウィップを敵に巻きつけ、生命力を吸い取る。吸収した生命力で自分や、傍にいる仲間の傷を癒やすことが出来る。


 ◇ヒーリング……治癒魔法。回復魔法の一種で、傷や怪我を治すことが出来る。



☆ヘイル……28歳。頭さえ筋肉で出来た熱血漢。レインたちと共に、クラウドの手がかりを求めて探索する。


 ◇トリプルスピア……ヘイルの魂が具現化した槍。三段階まで伸縮でき、その可変機能を活かしたトリッキーな戦い方も出来る。


  △サウザンドスラッシュ……ヘイル曰く必殺。本当に千回も攻撃しているのかは誰にも知る由はない。投げたりもする。


 ◇スウォープ・ストーム……風魔法。強力な攻撃を高速で浴びせる。



☆ブルート……19歳。絵に描いたようなツンデレ。レインたちと共に、クラウドの手がかりを求めて探索する。


 ◇タロン・タスク……変身魔法。様々な動物に変身できる。現在は哺乳類や鳥類のみ変身可能。子犬や子猫に変身した時の人気は絶大?


 ◇ファイトウェポン……新たな戦法を得ようと手に入れた装甲具。身体の各部位のプロテクターやグローブ一式の総称で、徒手空拳での戦闘を想定している。



☆ネルシス……26歳。美人に目がない残念色男。レインたちと共に、クラウドの手がかりを求めて探索する。


 ◇クラッシュ・スプラッシュ……水魔法。自分の魔力で無から水を作り出したり、生活用水などを使役したり出来る。汎用性が高く、他者との連携に向いている。


 ◇シールドブーメラン……新たな戦法を得ようとネルシスが手に入れた盾。投擲することも可能な上、自動で手元に戻ってくる。



☆グロウ……31歳。分隊最年長だが、いつも眠たげな女性。レインたちと共に、クラウドの手がかりを求めて探索する。


 ◇クライド・グラウンド……大地魔法。地表を支配し、時には土地の形状をすら変えてしまう大規模魔法。だが周囲の味方を巻き込み兼ねず、また屋内での使用が制限されるため、扱いには相応の注意が必要。


 ◇ブレイクハンマー……新たな戦法を得ようと手に入れた大槌。常人では持ち上げることも敵わない重量で、いかなるものも粉砕する。



☆ボスタフ……いつもチルドと一緒の、ライオンに似たぬいぐるみ。関西弁とやや生意気な態度が特徴。



☆ウィル・ミン・ヴォルンテス……26歳。救世主実動部隊第2中隊D小隊指揮隊長。スコラ学院剣術学講師も兼任。普段は厳かな態度が常だが、兜の下に優しさを秘めたグレイたちの頼れる理解者。武器は刀。




【その他の登場人物】


○バライケ……メゾン合州国総統。クラウドの暗躍を黙認していたが裏切りの意思はなく、人質や国の資源の安全を考え、グレイたちに協力した。


○ダンモルゲン……クランケ州知事。グレイたちが総統と接触する機会を与えた。


○ミレッド……家族をクラウドに誘拐されたと主張し、その痕跡を探す年配の女性。レインたちとの出会いをきっかけに、様々な情報を提供した。


○バンファ……第一章で、メシアと結託しグレイたちを陥れた。実は妻子を人質に取られていたが、救世軍やパラティウムに事実を隠されていた。第五章には登場していない。


●エルネスト……今回メゾン合州国各地に潜伏していたクラウドたちのボス。キュアドリンクを大量に奪取することで、戦局を優位にしようと画策していた。グレイに倒され、消滅する。


●メシア……グレイの宿敵。第一章で、バンファを利用しグレイたちを罠に嵌めた。第五章には登場していない。




【用語】


○メゾン合州国……今回の任務の舞台。各州が自治を委ねられている。クラウドたちが各地に潜伏し、狡猾な作戦によって密かに占領されかけていた。

 ◎クランケ州……グレイたちが赴いた州。世界有数のキュアドリンク生産量を誇る。それを狙い、クラウドの拠点とされていた。

 ◎シュミゼ州……エルネストが潜伏していた州。他の隊が調査していたが苦戦を強いられ、終盤グレイたちが加勢に向かった。


○キュアドリンク……グレイたち救世主や正規軍、民間に渡って広く流通する回復薬。クラウドの暗躍により、最近は市場品や支給量が減少していた。




          【生存中の救世主】残り――502名

 第五章は、第四章で示唆された未来に対して、現在がどのように変化を迎えているかを提示すると共に、第一章の補完も絡めている内容です。この意味合いは、最後の最後にようやく見えてくるというのが執筆中の想定であり、狙いでした。

 そこへ至るまでの本筋は、政治的な話で大半を展開させ、最後のバトルでカタルシスを存分に体感できるという作風に挑戦したのが、この第五章てす。

 これを踏まえて、やはりいくつもの課題が見えたというのが、第五章を終えての実感でございます。


 物語の全てを100とすれば、僕は1、10、20、30……90、100というように、大まかな流れを予めで組み立て、ノリで間を埋めていくという作り方をしています。第五章は、過程で直面する疑惑や焦れったさを楽しめる構成にしなければならなかったのですが、この点が必要な水準に達していないというのが正直な実感です。ある種、刑事物や探偵物に通ずると思います。

 僕の執筆ペースの関係もあり、物語上の駅と駅とを繋ぐ線路の作り方の甘さを認識しました。前までの流れを忘れたため読み返したり、最初なにがしたかったなのかを見失ったり、それを曲げても別の新しいアイデアを組み込みたくなったりということがあり、一貫性と説得力が足らないなと思いました。

 また、言うなれば長めの『静』を経ての『動』を思いきり楽しませる、という第五章の雰囲気。この長めの『静』に作者たる僕自身が途中から痺れを切らしてしまった感もあります。1年以上、第三章以上の間お待たせした皆さんよりも先の物語を堪え忍ばれた方はいらっしゃらないことは想像に難くありませんが、書いておいて僕も『共有の夜』以降あたりから早く物語を転がしたくてウズウズしちゃってました。反省です。


 あと『疾走』と題された話ですが、僕はこの題にピッタリなバトルシーンを、更に強調するために第五章を展開させようとしていました。そのレベルで、この『疾走』というサブタイとバトルは第五章の構想時点で中核を成していました。

 けれども、このバトルシーンへ至る経緯やシチュエーションを、間を埋めるノリに委ねてしまった関係で、やりたいことが存分にできたとは言い難い結果となってしまいました。


 物語とバトルの連続性、静と動の説得力、これを意識した運び方を洗練したいなと思いました。


 第五章の着地としては、今まで不始末や犠牲を経て章を終えてきたので、そういった後味の悪さを払拭したような形です。

 本作も全体の1/4を終え、徐々にムードの豊富さや幅の広さ、色鮮やかさを醸し出せたらなと思います。


 長々と失礼いたしました。第六章でお会いしましょう。またお待たせしたら申し訳ありませんが、いつも通りなる早を心がけて参ります。




※追記……確認したところ、第三章まとめの残り救世主の人数が1名だけ多かったので、修正いたしました。

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