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第14章 SAVIOR

 14章から、第3部が開始です。

 【救世主】イーヴァスの死は、あらゆる人々を絶望させた。

 ケントルム、王国正規軍、一般市民……経緯は伏せられたが、世情は暗澹(あんたん)としていた。

 当然、その影響は救世軍も受けていた。



 グレイは、敵軍に与して侵攻を助けた裏切り者と見做されていた。

 同情や擁護する者も一定数いたが、その処遇に対する意見は真っ二つに分かれた。

 強大な力を手に入れた仲間として今まで通り共に戦うか、裏切り者として追放ないし処刑するか――。


 また、救世軍の今後についても議論が交わされた。

 イーヴァスから分け当てられた魂の庇護から解放され、救世主たちは自我を取り戻していた。

 世界を救う使命の呪縛から解き放たれた者たちは、それぞれの主張を持っていた。



 オクシデントの人々を見捨てられない。世界を救うために戦おう。

 本来この世界と無関係な自分たちが戦う道理はない。元の世界へ帰る方法を探そう。



 救世軍は、この2つの考えによって二分され、深い分断は半ば内戦の様相を呈した。

 学院はこれまでと同じように運営されたが、授業内外で各派閥同士の争いが起こるようになってしまった。


 度々起こる争いの中で、グレイは応戦・阻止のために『虎の仮面』を使うこともあった。

 グレイは、仮面を使うことで自身の性格が好戦的になっていくのを感じていた。

 仮面を着ける時、仮面に顔が吸い寄せられるような感覚も……。


 このままでは、救世軍の秩序は崩壊する。

 グレイたちの危機感は日増しに募っていった。

 やがて、レインが【総代】として1つの決断を下す。



 元の世界へ帰りたいと望む者たちは、救世軍から離脱し、共に帰る方法を探すことになった。

 救世軍に残り戦い続ける者たちと、救世軍から去り元の世界へ帰る方法を探す者たち。

 どちらとも統率を保つため、グレイたちもそれぞれの派閥に分かれることになった。


 グレイ、クロム、ヘイル、ゼクスは、救世軍に残った。

 レイン、スノウ、ブルート、チルドは、救世軍を去った。



 それぞれの選択が、最後にはたくさんの人々を救うと信じて。

 グレイたちは別々の道を進んでいった。

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