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What A Wonderful World (※第一章まとめ)

どうも、abyss 零です。前回の更新と同時に章立てしたので、それを期に第一章までの物語をおさらいというコーナーです。こういうまとめを作るべきか否か極限まで悩んだのですが、今まで読んでくださった方や初めてお読みになる方、双方にメリットがあるかなと思いましたので。

物語の続きを楽しみにしていたという方は、申し訳ありません。今回はストーリーの進行はありません。

【あらすじ】


 ある日、一人の少年が幼馴染みの少女と再会し、直後に異世界へ転移してしまう。

 転移した先の世界はクラウズのゲリラ攻撃に苦しめられていた。だが、人々は諦めてはいなかった。世界は長い歴史の中で幾度となく危機に瀕したが、その度に【救世主】が現れ窮地を打破してきた。クラウズとの戦いにおいても、イーヴァスという救世主が善戦し、民衆の安全と平和を守っていた。


 しかし、イーヴァスは死んでしまった。彼は死に際に別の世界の住民を召喚し、自らの救世主の使命を代行させようとしたのだ。

 その事実を突きつけられ、戸惑う少年――グレイは、しかし幼馴染みの少女――レインが救世主の任を受け入れると言ったことで、彼女を心配して同じく救世主となった。

 最初の戦いで死にゆく者を目の当たりにし、グレイは自らの無力を嘆き、救世主として戦い続ける意思をなくしてしまった。だが、レインやウィルら協力者たちの叱咤激励を受け、グレイは新たに『守りたいものを守る』という決意を胸に、改めて救世主の使命を帯びることとなった。


 イーヴァスに召喚された救世主はグレイとレインだけではなく、数多の人々が同じ世界より呼び寄せられていた。そこで世界情勢の最高意思決定機関(ケントルム)は、救世主のみで構成された特殊部隊を直属に組織、グレイとレインもこれに加わった。

 スコラ学院を拠点として与えられ、それぞれ隊の編成がなされた。グレイは元の世界での親友クロムと再会し、同じ隊の仲間たちが交流を深めていった。

 訓練と実戦で着実に力を発揮していく救世主たちだったが、大型クラウズ『タンク』の奇襲に苦戦を強いられる。しかし隊を越えての連携により、レインの必殺級の『召喚魔法』が発動、見事タンクを撃退した。


 レインの功績が認められ、彼女は表彰されることとなった。また民衆からの支持も徐々に増していき、もはや救世主たちは世界中の注目の的だ。時を同じくして、グレイは旧知の仲であるレッジの所属する救世主を有する研究所へ赴くこととなった。そこで謎の少年を目撃するのであった。

 レインの表彰を祝うパーティーが仲間内で行われた。寮へ帰宅すると、上官からとある町の住民全員が忽然と姿を消した事件を調査してほしいとの依頼を受ける。

 現地へ到着したグレイたちであったが、移動の際に仲間が分断してしまい、町の外への脱出も不可能であり、自分たちが罠に嵌められたことを悟る。しかし姿の見えない町民を見捨てるわけにはいかず、彼らは救世主の任を遂行せんと夜の町を彷徨った。

 そこに謎の少年――メシアが現れ、町を散策していた仲間たちが立て続けにやられていってしまう。絶体絶命のグレイたちだったが、間一髪のところで救援が駆けつけ、辛くも全員が生還することとなった。


 様々な真実が明るみになり、救世主の部隊は独立し、新たに【救世軍】と名を変えて再出発したのだった……。




【主要登場人物】


☆グレイ……17歳。日本人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。幼馴染みのレインと共にイーヴァスに召喚され、最初期の救世主となる。大切なものを守りたいという意思が強い反面、己の無力を嘆いている。また自分や仲間の死を過剰に恐れている節がある。学院を離れ、独り修行する決心を固めた。


 ◇ヤーグ……グレイの魂が具現化した剣。魔法ほどではないが特殊な効果を秘めている秘剣。灰色の刃が特徴。


  △秘術・業火……戦闘の際に発生する熱を蓄積させ、ヤーグの斬れ味を増すと同時にグレイの身体能力も向上させる。

  △秘技・炎天……秘術・業火で蓄積された熱を炎に変換する。炎は刀身に纏う他、使役し操ることで攻防を補うことも出来る。



☆レイン……17歳。日本人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。幼馴染みのグレイと共にイーヴァスに召喚され、最初期の救世主となる。誰に対しても優しく接し、慈愛に溢れた性格。


 ◇ニア……レインの魂が具現化した弓。矢の代わりに魔法を放つ魔弓。色鮮やか。


  △カスタム・ファイア……炎の魔法を様々な形で放つ。敵を焼き払うが威力は乏しい。

  △ウィンド・ブレード……風の刃を高速で放つ。対象を斬り裂くが殺傷力に欠ける。

  △ホイール・ダッシュ……棘の付いた巨大な車輪を放つ。対象を負傷させることに重点を置き、被弾した敵は次の行動へ移るのに時間がかかる。

  △エコロジー・デビル……身体を蝕む毒ガスを放つ。味方と認識した者には効力はない。

  △ロック・アート……爆音で敵を怯ませる。また、自分の位置を味方に知らせる。


  ▽イフリート……召喚魔法で呼び出される炎の獣王の精霊。



☆クロム……17歳。日本人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。グレイとは親友同士。平穏な元の世界での暮らしを憂いており、特別な使命を帯びる救世主となったことを悔やんではいない。協調性に欠ける感があるが、根は優しい。戦闘に関して類稀な才覚を発揮する。


 ◇モノ……クロムの魂が具現化した二丁拳銃。通常の銃弾の他、特殊な調整がされた弾丸や、クロムの魂そのものを凝縮して撃ち出すことも可能。


  △双式(ツイン・ピストル)……通常の二丁拳銃形態。扱いやすさはピカイチ。様々な形態への変形機構を搭載している。

  △散式(ショットガン)……威力に優れる形態。しかし射程は短く、連射も効かない。

  △連式(マシンガン)……連射に優れる形態だが、威力は低い。射程は散式より長く双式より短い。

  △遠式(スナイパーライフル)……射程に優れる形態。素晴らしい精度と貫通性能を誇るが、一発ごとに隙が生じてしまう。


☆スノウ……14歳。日本人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。言葉数が極端に少なくコミュニケーションは困難だが、最近では徐々に自ら仲間と交流を深めようとする意欲が感じられる。元の世界で親切にしてくれたグレイを慕っている。


 ◇チェーンウィップ……スノウの魂が具現化した鞭。攻撃範囲は広いが威力は期待できない。


  △エナジーチェーン……チェーンウィップを巻きつけ、対象の生命力を吸収する。自分や、近くにいれば他者の傷を回復することも出来る。



☆ヘイル……28歳。スペイン人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。徹頭徹尾、正義のために行動する熱血漢。人々のために戦う救世主の使命を誇りに思っており、それ故に自己犠牲の過多な精神の持ち主。だがその分、自分のせいで状況が悪化すると精神的に不安定になりやすい。


 ◇トリプルスピア……ヘイルの魂が具現化した槍。長さを三段階まで調節できる。柄を槍の先端の方へ縮めることも可能。


  △サウザンドスラッシュ……トリプルスピアの必殺技 (ヘイル自称) 。力の限り連撃する。特殊な効果などはなく、また本当に千回攻撃しているのかも不明。


☆スリート……23歳。ドイツ人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。理知的な性格で、常に冷静沈着、主に分隊の司令塔となる。知識欲も豊富で、この世界に関する情報を得ようと、勉強には熱心。堅物ではなく、意外と冗談も通じる。


 ◇リコイルトンファー……スリートの魂が具現化した一対のトンファー。攻撃範囲が狭く攻撃力も高くはないが、手数に優れる。


  △ソウルランチャー……リコイルトンファーの先端から放つ、気力の砲弾。追尾性能は低く、決定打にも欠けるが、一度に四発射出されるので、それを利用した戦略的な使用が求められる。援護用の側面が強い。



☆ブルート……19歳。台湾人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。毒舌家だが面倒見はいい。褒められたり口説かれたりすると、より口が悪くなる。歳下のことは何かと気にかけている。有り体に言ってツンデレ。


 ◇タロン(TALON)タスク(TUSK)……変身魔法。肉食獣や鳥類への変化が今は得意。バリエーションは虎、鳥、猫、犬など。



☆ネルシス……26歳。イタリア人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。何かにつけて女を口説く。女好きというのもあるが、自分の容姿に自信があるというのも一因。いわゆるナルシスト。


 ◇クラッシュ(CRASH)スプラッシュ(SPLASH)……水魔法。水流を操り敵を圧倒する。水の形状を変えることで様々な状況に応用が効く。



☆チルド……12歳。ロシア人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。無邪気で幼げの残る女の子。みんなを愛し、みんなに愛される様は、端から見れば天使と同等である。また子供ならではの純真無垢さと直感とを持っており、他の仲間が見落としてしまいそうなことも鋭敏に見抜く。


 ◇プリーズ(PLEASE)フリーズ(FREEZE)……氷魔法。氷塊を生み出し操る。敵の足止めや無力化に最適な魔法だが、その形質から現在は温度が弱点。



☆グロウ……31歳。アメリカ人。救世主。第2中隊D小隊α分隊所属。いつも眠たげ。いつも気だるげ。講義や任務以外の時間はもっぱら寝ている。身だしなみや衛生面も気にしている様子はなく、年齢不相応の生活習慣。基本的に何をされても反応は薄いが、睡眠を妨げられると怒る。


 ◇クライド(CRIED)グラウンド(GROUND)……大地魔法。地面を揺るがし、土地そのものを使役する大規模魔法。強力だが味方をも巻き込みかねないため状況分析は必須。加えて高層建築物の内部では使用できない。



☆ウィル・ミン・ヴォルンテス……26歳。救世主実動部隊第2中隊D小隊指揮隊長。スコラ学院剣術学講師も兼任。イーヴァスに召喚されて間もないグレイとレインを導いた。厳しくもその裏には優しさを秘めており、常に救世主たちのことを慮っている。いつも重厚な漆黒の装備を着けている。兜の下には戦いでついた傷がある。武器は刀。



☆レッジ・ノウ・スケンティア……26歳。救世主支援部隊研究科陣頭指揮官。スコラ学院無系統魔法学講師も兼任。ウィルと共にグレイとレインを導き、その後も親交がある。教師と生徒という関係から意図的に距離を置いているが、その本心は変わっていない。常に白衣を身に纏っている。様々な魔法に精通している。



☆エモ・シオン・アフェクタス……25歳。ケントルム特殊工作部隊隠密調査員。スコラ学院歴史学非常勤講師も兼任。ウィルとレッジとは旧知の間柄らしいが、詳細は不明。歴史の表舞台には決して明るみにされることのない汚れ仕事を引き受けている。グレイとレインとは()かず離れずの距離を維持している。クロムからは反感を買われているが、本人は気づいている様子。茶色の地味な軍服をも着こなす美貌の持ち主。



【その他の登場人物】


◎聖王……ケントルムの頂点に君臨する世界行政最高責任者。グレイたちは彼に認可されることで初めて名実共に救世主となることが出来た。


◎ヒルト……救世主。第1中隊C小隊β分隊所属。剣術学の講義でグレイと親しくなった。内気で言葉数が少ないが、根は優しい。


◎アロー……救世主。第1中隊C小隊β分隊所属。弓術学の講義でレインと親しくなった。親しみやすい性分で友達は多い。


◎シース……救世主。第1中隊C小隊β分隊所属。剣術学の講義でグレイと親しくなった。ヒルトやガードをからかっては面白がる良識人。


◎ガード……救世主。第1中隊C小隊β分隊所属。剣術学の講義でグレイと親しくなった。挑発に乗りやすく、また頭もあまり良くない。


◎バレット……救世主。第1中隊C小隊β分隊所属。銃術学の講義でクロムと親しく (?) なった。掴みどころがなく、邪険なクロムにも動じず接する。ボクっ娘。


◎マタドレイク・ヴィッツヴァーン……グラディウス騎士団団長。スコラ学院剣術学特別外部講師も兼任。グレイにヤーグの秘技・炎天を修得するヒントを与えた。その後、グレイの修行に同行する。


◎グラディエラ・ポンデマカルシュ……グラディウス騎士団創設者。また、マタドレイクの剣技の師。全盛期は世界最強の剣豪の名を欲しいままにし、ケントルム直属の近衛騎士団を任せられたが、後に退役。グラディウス騎士団を創設し、若き精鋭の育成に余生を費やすことを決意。全盲となってからは剣術の指導ではなく、戦いに際する感情の抑制や死への恐怖の克服などを研究する。グレイの修行に同行する。


◎メシア……謎の少年。自らを、イーヴァスを殺害した元クラウズと名乗る。綿密な計画でグレイたちを奇襲し、全滅させようとした強敵。戦争の影の暗躍者クラウンと、精鋭部隊クラウドの存在をグレイに明かす。間一髪のところで救援が駆けつけ、姿を消した。武器は、油を多量に含んだ大剣。


◎イーヴァス……真の救世主。グレイたちをこの世界へ召喚した張本人。十数名の護衛を引き連れて行方知れずとなった後、メシアに殺害され、ケントルムの元に遺体が寄越された。




【用語】


○救世主……世界を救う存在。世界が危機に瀕すると、選ばれし者が人々を救う救世主としての使命を帯びる。救世主の選定については詳細は不明だが、法律によればその時代のケントルムの総員が揃った場で聖王が認可することで、名実共に正式な救世主として任命されることになる。現在はグレイらイーヴァスに召喚された者たちが便宜的に使っている呼称。

 総勢785名から成り、内720名が【実動部隊】、残り65名が【支援部隊】に所属。

 実動部隊は5名でひと【班】、10名で一個【分隊】、40名で一個【小隊】、240名で一個【中隊】という編成。また第1、第2、第3中隊の総員が結集された兵団を【大隊】と呼ぶ。この大隊は現在、スコラ学院を拠点に活動中。

 支援部隊は作戦科、通信科、衛生科、物資科、運搬科、研究科、開発科、広報科、隠密科の九つの科から成り、隠密科には9名、残る八科には7名が所属している。各科に在籍する救世主は、それぞれの役職に適った組織で活動している。

 実動部隊720名と支援部隊65名を合わせ、救世主の総力を備えた軍団を【連隊】と呼ぶ。


○魂……生きるもの全てが持つ、自我の象徴のようなもの。この世界では、名前がその存在を表す絶対不可侵のもの。人は自分の魂に刻まれた武器や魔法を、生まれた時から扱える。また、先天的に魂に刻まれていない能力も、大抵なら一から技術を習得すれば使うことが出来る。


○スコラ学院……実動部隊所属の救世主たちが拠点としている場所。ここで救世主たちは戦いについての知識や世界にまつわる知識を学び、生活する。学舎と男女それぞれの寮、スタジアムとラビリンスで構成されている。広場の噴水はある種シンボル。正門はヴァントという移動魔法システムが搭載され、救世主たちを出撃させる。

 学舎では各教室に小隊、各階に中隊、全域が大隊と所有する範囲が明確に指定されている。男女別の寮では各班に一部屋が割り当てられ、5名が共同で生活する。


○ケントルム……世界最高意思決定機関。各国の首脳で構成され、様々な観点から諸問題を分析し、最適な政策や対応を打ち出す。しかしいかなる時代においても名ばかりであることが多く、大抵は内部のいざこざが絶えず、衝突を繰り返している。現代は聖王のコントロールが行き届いている様子。


○パラティウム……世界行政の中核を担う機関が集う建造物。内装外観共に豪華絢爛な作り。ケントルムもここで日夜会議に明け暮れている。


○ウルプス……スコラ学院やパラティウムがある、世界有数の中央都市。商業が盛んで、住まう人々も活気に溢れている。


クラウズ(crowds)……世界を脅かす異形の化け物。メシア曰く、殺した人間の魂を食らう性質があり、魂を食らったクラウズは誰かに名付けてもらうことで新たな存在へ進化するらしいが、詳細は不明。これが軍勢でゲリラ侵攻を仕掛けるため、救世主不在の間は各地の正規軍が応戦していたが、戦況は芳しくなかった。グレイたち救世主部隊の投入により、最近では形勢が逆転されたが――。


クラウド(CLOUD)……メシアによって明かされた、クラウズが進化した存在によって構成される精鋭部隊。メシアもその内の一人らしいが、詳細は不明。


クラウン(CROWN)……メシアが明かした名付け主。曰く、老齢の男性らしい (人間かどうかは不明) 。その口ぶりから強大な権力を握っていることは確かだが、詳細は全くもって不明。

こんな感じです。こうして書き終えてみると、僕自身もうっかり忘れてしまっていた設定や、構想はあったのに描ききれていなかった設定がチラホラあって。振り返るって大事だなって。このまとめが、他でもない僕自身のための場となってしまったかもしれないなと思いました。こういうまとめは、章ごとに作っていこうかなと、検討しています。

次回から第二章です。ここから先は未知の物語です。楽しんでいただけるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

以上、『第一章 What A Wonderful World』でした。

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