The Next Awakening (※第六章まとめ)
どうも、abyss 零です。第六章のまとめです。
後書きに恒例の反省会的なやつや、今後の更新にまつわるご報告を記載しております。お好みでどうぞ。
【あらすじ】
しばらくクラウドの目立った動きが見られず、救世軍は休暇を与えられた。グレイたちは【預言者】と関わりを持つという小人族が住まうペティの森を行き先に設定し、観光も兼ねて向かった。
ところが、途中で飛空艇が墜落してしまい、グレイとブルートは仲間たちと連絡を取れないまま孤立してしまう。
森を散策する中でモニというペティ族に出会ったグレイたちは、ペティの里へ招かれることになった。
気絶する長老ニッチェ、野生動物クァールに拐われたカルデトの救出、ミィコウ川での気分転換。紆余曲折を経て、グレイは【預言者】の情報と引き換えという『あそび』の心を取り戻すため、ソトースの滝へ入った。
そこで垣間見たのは、幼い頃の記憶。異世界へ移される直前、電車の中で再会したレインが見せた表情の、原初を体験する。それは同時に、グレイが初めてレインを守りたいと願った瞬間でもあった。
目覚めたグレイは、自分が意識を失っている間にレインとクロムも滝へ入ったこと、ペティの里がクァールの女王ホワイトデストロイヤーに襲撃されていると知り、トカンの力を借りて戻る。
里を守り切ったグレイだったが、戦いの中でホワイトデストロイヤーを殺めてしまう。クラウドとの戦いでは感じたことのない罪の意識が、胸中を満たす。
一部始終を見届けたニッチェは、【預言者】は『アノクタラ山脈』におり、直にグレイらにとって重大な預言をするという。そして、グレイたちの魂は卵のような状態にあり、『あそび』の心を持って自らを解き放たなければ、『卵』は割れてしまう、と。
飛空艇の墜落と音信の途絶を受け、捜索に来た正規軍と合流し、グレイたちは不思議な種族と別れを告げる。
互いを守り合う騎士と姫。ソトースの滝で取り戻された記憶をレインに訊ね、グレイは彼女と共にいる未来を願った……。
【主要登場人物】
☆グレイ……17歳。本作の主人公。恐れを越えて成長する少年。救世軍全体でも上位に入る戦闘能力を有するエース。飛空艇墜落の際ブルートに助けられ、【預言者】の調査やはぐれた仲間の捜索で行動を共にする。
◇ヤーグ……グレイの魂が具現化した2本の秘剣。炎熱を消費して強力な技を放つこともできるが、出力が100パーセントを超えるとオーバーヒートを起こし、能力が使えなくなってしまう。
△秘術・【業火】……戦闘の際に発生する熱を吸収し、ヤーグの斬れ味が増すと同時にグレイの身体能力も向上させる。左手の【ドレインソード】の能力。
△秘技・【炎天】……秘術・【業火】で蓄えた熱を変換した炎を放出し、操る。右手の【スタンブレイド】の能力。
△ブレイズ……ヤーグを逆手で持ち、秘技・【炎天】の推進力で飛行する。炎の噴出には繊細な調節が必要なため、飛行には2本のヤーグが不可欠だが、高所への跳躍や敵に接近するだけなら片方だけでも可能。
▽インパルス……左手の剣を敵に投げつけて動きを封じ、右手の剣のブレイズで急接近、すれ違い様に2本の剣で同時に斬り裂く。炎を30パーセント出力・消費する。
▽メイルストロム……2本の剣から炎を噴出し、回転しながら敵を連続で斬りつけ、最後に斬り上げる。炎を50パーセント出力・消費する。
▽バラージュ……敵を十字に斬りつけてから跳び上がり、ブレイズで空中を浮きながら、多数の炎の剣を飛ばして敵を攻撃する。炎を70パーセント出力・消費する。
▽サイクロンスピン……回転する炎の渦を纏った刃を敵に突き刺す。ソトースの滝で身につけた新たな力。
☆レイン……17歳。本作のヒロイン。グレイの幼馴染みで、慈愛に満ちた少女。【総代】として、救世軍全体のリーダーの役目を担っている。グレイたちとはぐれてしまったが合流し、ソトースの滝に入った。
◇ニア……レインの魂が具現化した魔弓。様々な魔法を宿している。いくつもの精霊と契約しており、召喚魔法で使役できる。
△カスタム・ファイア……レインの得意魔法。魔力の火を様々な形で放って攻撃できる。レインが使う魔法の中でも威力は最強だが、他の救世主と比べると弱い部類。
△ウィンド・ブレード……風の刃で敵を切り裂く。対象を切断するには威力が足りず、主に牽制に用いられる。
△ホイール・ダッシュ……棘のついた車輪を射ち出す。敵を負傷・行動不能状態にするために使われる。
△ロック・アート……弦を弾く音が何倍にも増幅される。敵を怯ませたり、孤立した場合は仲間に自分の居場所を知らせることも出来る。
△エコロジー・デビル……毒の霧を散布する魔法。味方と認識した者には効果がない。
▽イフリート……召喚魔法で呼び出される炎の獣王の精霊。
▽シヴァ……召喚魔法で呼び出される氷の女帝の精霊。
▽ゴーレム……召喚魔法で呼び出される土の巨像の精霊。
▽バハムート……召喚魔法で呼び出される、精霊の王。他3体の精霊と【絆】を結び、初めて契約できる。
☆クロム……17歳。本作の準主人公。グレイの親友で、怒りっぽいところもあるが、根は優しい少年。時にキャプテンとしてメンバーを引っ張る。カルデト救出の際にグレイたちと合流し、レインと共にソトースの滝へ入った。
◇モノ……クロムの魂が具現化した二丁拳銃。様々な種類の弾丸に対応している他、魔力を凝縮して撃ち出すことも可能。変型・合体して特性を変え、臨機応変な使用が可能。
△双式……二丁拳銃の形態。モノの通常形態で、この形態を基点に様々な形態に変型・合体する。
△散式……散弾銃の形態。射程の短さや弾の装填に時間が掛かることがネックだが、1発で広範囲の敵を攻撃できる。
△連式……軽機関銃の形態。凄まじい勢いの連射が可能だが、残弾の消費が著しく、照準がブレやすいことが難点。
△遠式……狙撃銃の形態。長距離からの精密射撃に特化した形態だが、反動が強く、次弾の射撃までにタイムラグが生じる。
△剣式……銃剣の形態。銃口の下部に短剣が備えつけられている、モノの形態の中でも特異な形態。グレイの戦法から着想を得て体得した。遠近両用の万能な戦い方が出来る。
△転式……回転式拳銃リボルバーの形態。装弾数が6発と少ないが、モノの全形態で最強の威力を誇る。取り扱いの難度も相まって使いどころを選ぶ、使用者の技術が試される形態。
▽インヴァースバースト……双式で繰り出される技。回転しながら二丁拳銃を連射し、周囲の敵を一掃する。
▽イベントホライズン……剣式で繰り出される技。魔力を銃剣の刃にまとわせ、凄まじい大きさと斬れ味で敵を両断する。
▽ホーリーフレア……転式で繰り出される技。装填された弾丸、魔力、自身の魂のかけら全てを集約させて放つ、超高威力の1発。
◇空間魔法……視界に入る場所なら、空間を越えて瞬時に移動できる。ただし、現在は建物の中や壁の向こうの部屋など、見えない場所への移動は出来ない。
☆ブルート……19歳。絵に描いたようなツンデレ。飛空艇から落下したグレイを助け、行動を共にした。かわいいもの好きで、ペティ族にはべた惚れだった。
◇タロン・タスク……変身魔法。様々な動物に変身できる。現在は哺乳類や鳥類のみ変身可能。子犬や子猫に変身した時の人気は絶大?
◇ファイトウェポン……新たな戦法を得ようと手に入れた装甲具。身体の各部位のプロテクターやグローブ一式の総称で、徒手空拳での戦闘を想定している。
☆スノウ……14歳。口数は少ないが、心優しい少女。レインたちと共に行動し、後にトカンやカルデトと出会い、グレイたちと合流した。
◇チェーンウィップ……スノウの魂が具現化した鞭。変則的な動きを得意とし、敵の拘束具としても活用される。単体での攻撃は心許ない。
△エナジーチェーン……チェーンウィップを敵に巻きつけ、生命力を吸い取る。吸収した生命力で自分や、傍にいる仲間の傷を癒やすことが出来る。
◇ヒーリング……治癒魔法。回復魔法の一種で、傷や怪我を治すことが出来る。
☆スリート……23歳。頭脳明晰な知識人。カルデト救出の際、グレイたちと偶然にも再会した。
◇リコイルトンファー……スリートの魂が具現化した左右一対のトンファー。至近距離の敵を連続して殴打できる。
△ソウルランチャー……左右のトンファーの先端から、四つの光の球を放つ。球の速度は遅く、敵の動きを読んだ計算高い利用が必須。
◇クイック・ブリッツ……雷魔法。目にも止まらぬ速さの連撃で凄まじい威力の技を繰り出す。
☆ヘイル……28歳。頭さえ筋肉で出来た熱血漢。スリートやネルシスと行動を共にし、カルデト救出の際は窮地に陥ったグレイたちに加勢した。
◇トリプルスピア……ヘイルの魂が具現化した槍。三段階まで伸縮でき、その可変機能を活かしたトリッキーな戦い方も出来る。
△サウザンドスラッシュ……ヘイル曰く必殺。本当に千回も攻撃しているのかは誰にも知る由はない。投げたりもする。
◇スウォープ・ストーム……風魔法。強力な攻撃を高速で浴びせる。
☆ネルシス……26歳。美人に目がない残念色男。カルデト救出に協力したが、本人はペティ族をあまり好いていないらしい。
◇クラッシュ・スプラッシュ……水魔法。自分の魔力で無から水を作り出したり、生活用水などを使役したり出来る。汎用性が高く、他者との連携に向いている。
◇シールドブーメラン……新たな戦法を得ようとネルシスが手に入れた盾。投擲することも可能な上、自動で手元に戻ってくる。
☆グロウ……31歳。分隊最年長だが、いつも眠たげな女性。罪なき命を殺めたことで心を痛めるグレイに、大地を介して死後の想いを伝え、励ました。
◇クライド・グラウンド……大地魔法。地表を支配し、時には土地の形状をすら変えてしまう大規模魔法。だが周囲の味方を巻き込み兼ねず、また屋内での使用が制限されるため、扱いには相応の注意が必要。
◇ブレイクハンマー……新たな戦法を得ようと手に入れた大槌。常人では持ち上げることも敵わない重量で、いかなるものも粉砕する。
☆チルド……12歳。分隊の最年少で、無邪気な少女。その純粋さでグレイらを和ませ、時に分隊の支えともなる。飛空艇墜落後は、グロウと行動を共にし、カルデト救出へ赴いたグレイたちと入れ違いでペティの里へ辿り着いた。
◇プリーズ・フリーズ……氷魔法。大気中の水分を凝固させ、氷を作り出し操る。対象の身体の一部なら、僅かの時間だけ凍結することも可能。高熱に弱い。
◇マジックロッド……新たな戦法を得ようと手に入れた杖。先端の宝石が魔力を増幅させ、より強力な魔法を放てる。
☆ボスタフ……いつもチルドと一緒の、ライオンに似たぬいぐるみ。関西弁とやや生意気な態度が特徴。
☆ウィル・ミン・ヴォルンテス……26歳。救世主実動部隊第2中隊D小隊指揮隊長。スコラ学院剣術学講師も兼任。普段は厳かな態度が常だが、兜の下に優しさを秘めたグレイたちの頼れる理解者。グレイたちに休暇を与え、飛空艇での旅程を提案した。武器は刀。
☆エモ・シオン・アフェクタス……25歳。ケントルム特殊工作部隊隠密調査員。スコラ学院歴史学非常勤講師も兼任。仕事柄、彼女の素性を知る者はほとんどおらず、旧友のウィルやレッジでさえも詳細な経歴は知らない。歴史学の授業でペティ族について取り上げ、グレイの【預言者】や【世紀末戦争】に対する関心を刺激した。
【その他の登場人物】
○ニッチェ……ペティ族の長老。【預言者】について教える代わりに、『あそび』の心を身につけるようグレイに告げる。何かを知っているらしく、グレイたちの行く末に助言と忠告を与えた。
○モニ……ペティ族の民。グレイとブルートが最初に出会った。ほっぺたをぷにぷにすると雨を降らせる能力を持つ。
○トカン……ペティ族の民。グレイとブルートに仲間を助けるよう要請した。ジャンプすると瞬間移動する能力を持ち、手を繋いだ者には同じ効果がある。
○カルデト……ペティ族の民。クァールに巣へ連れ去られたが、グレイたちの活躍で窮地を逃れた。凄まじい爆音の声を発する能力を持つ。
●ホワイトデストロイヤー……クァールのボス。レギナ変異種と呼ばれる雌の個体で、他のクァールに比べ数倍の戦闘能力を持つ。群れを伴ってペティの里を襲撃したが、グレイによって葬られた。
【用語】
○ペティ族……ペティの森に住む小人の民。俗世から隔たれた環境で生活しており、1人1人が天敵から身を守るための能力を持っている。
◎ペティの里……森の中にある、ペティ族の集落。グレイたちはエモの授業で有名な観光地と聞き赴いたが、実際は人間社会との交流が廃れて久しく、知る者からは『忘れられた民』と呼ばれていた。
○クァール……グレイたちの元の世界でいう、ネコ科動物と似た姿形、生態を持つ生物。大きな特徴は体躯以上の長さの頬ひげと、卓越した身体能力。
○【預言者】……グレイら救世軍を異世界へ召喚した【救世主】と同じ起源を持つ、未来に起こる運命を視るという存在。ニッチェの口からは、近く救世軍にとって重要な預言があると告げられた。
【生存中の救世主】残り――502名
というわけで今回は(も?)、【預言者】に関するお話でした。
ぶっちゃけ、第四〜六章は、【預言者】を中心に戦いや世界の未来を見据える今後の展開の前振りという感じです。長い前振りが。
この3つの章は、第一〜三章に比べ、割りとその場の思いつきで組み立てていった部分も多く、そのため当初想定した展開や着地点とズレたものとなったりもしました。大きな矛盾などはないはずですが、それでも出したい雰囲気を出せたか微妙な感触もあり、正直難しかったです。
第六章単体としては、もう少しグレイたちを遊ばせる予定だったのですが、冒頭からその線から逸れてしまっていました。もっとずっと穏便に話が進むはずだったのですが、やはり戦いを書きたいので、飛空艇が墜落というアドリブが入りました。
結果、全然遊ぶどころじゃなかったグレイたちですが、まあそもそもあんまり遊んでるムードじゃない感もあったので、これはこれでよかったかなと今では思います。どうでしょう。
あとは、更新頻度です。自分なりにコンスタントに投稿できるペースを見つけたつもりでしたが、失念することも多く、課題が残ります。〆切は守らなければ。
反省会はこれくらいにして。
本作は、第Ⅶ章から『第Ⅱ部』へ突入します。長かった……。
本筋としては第一部の延長ですが、がらりとシリアス度や全体の雰囲気を変えようと思っております。
それでは、次回も乞うご期待。