03
「芽衣っ!」
篠宮は芽衣を呼んだはずが、目線の先には僕が居たのだ。
「…あ、れ?」
「芽衣ちゃん!早かったね!」
「なん、で…七瀬が…」
「あ、えっとね…今日からうちでご飯を食べる代わりに私に勉強を教えてもらってるんだっ!」
「はあ!?おい七瀬!!あたしの可愛い芽衣たそに手を出したと言うのか!?」
「いやいやいやいやいやないないないないない!!!!!!!!」
僕が慌てて首を横に振ると、篠宮は睨むのをやめ、
「はあ…なんか危なくなったらすぐあたしに言うんだぞ?」
「はーいっ!」
「だから大丈夫だからなっ!?」
僕が叫ぶと、芽衣は微笑んだ。
「なあんだ!北ちゃんと芽衣ちゃん…仲良しじゃん!」
「まあな!なんたって七瀬とあたしは『相棒』だからな!」
「まあ…うん…」
「あれっ!もしかして私、お邪魔かな?」
「それは無い。」
もちろんここでも僕はきっぱりと言い放った。
「………で、分からないのはどの問題?」
「えっとねー…これ!」
「あー…これかぁ…」
「好乃ちゃん、分かる…?数学97点の北ちゃんでも分からないって…」
「97点…?」
ちらり、と篠宮が僕を見た…いや、僕は何も嘘はついていないはずだが?
しかし僕は篠宮の目を見ることはできなかった。
「ふんふん…なるほど、前回のテスト、150点のあたしは分かったぞ‼」
「えっ…?」
「あっ…」
あっさりバラしやがった上にご丁寧に満点まで獲得しやがっていたのだ。
芽衣は僕の表情を見て「それでも私よりは成績がいいから!」と慰めのような事を僕に投げかけてきたが僕にはそれに対してお礼を言う気力は無かった。
「なんだ、芽衣たそと七瀬はこうして会うのは数年ぶりなのか。」
「朝にチラっとだけ見たことある程度だよねー。」
「まあ…今更話しかけるのもなあ…」
「別に話しかけてくれてもよかったのにー」
芽衣は笑顔でそう言ってくれるけど、やはり自分で言うのも何だが、年頃なので照れというのもあるのだ。
「また…こうやって集まれたらいいねー」
「そうだなー…と言ってもあたしたち3人でつるんでたのは…小学校ぶりか?」
「もうそんなになるのか…」