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モノローグ

西暦20XX年、なんの前触れもなく唐突に日本の首都・東京に落下した隕石は一瞬にして多くの人命を奪っていった。


まあ、それからなんだかんだありつつ七年が過ぎて行った。


そして今、私はその隕石から出て来た未知の生命体と命を懸けた戦闘をしている。


そう、私こそは、天の道を行き総てを司…


『それ違う作品ですから!水○ヒロさんに怒られちゃうから!』


そう言って、俺はなぜだか唐突に始まったエセモノローグを遮った。


と、言うかこれ以上言ったら偉い人に怒られますから。


この作品、一瞬にして消し飛ばされますから。


『もーっ!私が素晴らしいモノローグを古○さん並みの超いい声で語ろうとしてたのにヒロ君はなんで邪魔するかなぁッ!』


そんな俺に対しエセモノローグを語っていた少女は不満そうに口を尖らせながらこちらに頭からアタックしようとしている。


技名は多分…体当たりかな?


ちなみにここはとある教室の真ん中である。


『いや、しなきゃやばいだろ…』


こちらに体当たりをしようとしている少女の頭を遠巻きに抑えながら俺はウンザリとした声を出す。


いつものことすぎていい加減疲れてきた。


この少女は怒らせると大変面倒くさいのだ。


まあ、女子を怒らせると基本面倒くさいらしいのだが…


『もーっ!私は怒ったぞ!ヒロ!』


そんな風に考えていると少女はいつの間にやら体当たりをやめて俺と少し距離を取った所でなにやらピーピー騒いでいる。


ふっ…1m48cm級か。


余裕だな。


『誰が1m48cm級か!捕食するぞ!』


そう言って少女は何処からか取り出した鉄製のベルトを腰に巻く。


…ベルト?


何故か嫌な予感がした。


果てし無く先程と同じくらいに嫌な予感が…


そしてその予感はあっけなく適中した。


少女は空に向け手を伸ばし叫ぶ。


『来い!カ○トゼクター‼︎』


『させるかぁっ!』


少女の言葉が終わる前に駆け出し何処からか急に現れたカブト虫の様なものを少女の手に収まる前に蹴り飛ばす。


不意に蹴り飛ばされたからかカブト虫の様なものは少女の手には収まらず教室の扉の方へと向かっていく。


ふぅ、危なかった…


この作品が終わる所だっ…


『騒がしいわね。何をして…へ?』


不意に教室の扉が開き黒髪の少女が入ってきた。


開けた瞬間にカブト虫の様なものが眼前にまで迫ってきていたからか可愛らしい疑問符を浮かべた声を上げるがそんなものではカブト虫の様なものは止まらない。


カ○トゼクターと呼ばれるそれは少女に向け一直線。


少女の胸元に向けてその角を突き刺そうとせんばかりに向かっていく。


そして、カ○トゼクターが少女の眼前に迫った瞬間。


少女は動いた。


これまた何処からか取り出した鉄製のストップウオッチの様なものを空中に向け投げる。


『トライ○ル』


そんな不思議な音が聞こえるや否や少女は眼前に迫っていたカ○トゼクターを蹴り飛ばした。


一撃では終わらない。


二撃、三撃と流れる様な動作で蹴り飛ばし続け最終的に嵐の様な勢いでカ○トゼクターを蹴り飛ばし続ける。


そして十秒も経つか経たないかあたりで蹴りの嵐をやめ落ちてきたストップウオッチを掴んで呟く。


『わずか9.8秒。それが貴方の絶望へのタイムよ』


その言葉が終わるや否やカ○トゼクターが弾け飛んだ。


…うん。


『…って、またパクリじゃねえかよ!どんだけ好きなんだよ!今すぐ東○に謝ってこいよ!』


『嫌だよ』


『嫌よ』


『即答かよ!』


今すぐ東○に全力土下座をしたくなるような気分だが少女達には関係ないらしい。


『って、私達なにしてたんだっけ?』


『仮面○イダーゴッコ?』


『モノローグだよ!どうすんだよこの微妙な始まり方!』


『『ヒロ(君)が悪い』』


『息を揃えて言うんじゃねえよ!悲しくなるからさぁッ!』


『あー…もう、うるさいわね…どうでもいいからさっさと物語を始めなさいよ。モノローグ終了みたいな感じで』


『まったくだよ。ヒロ君は全くもって気が利かないなぁ』


『えっ?俺が悪いのか?』


『うん』


『ええ』


なんで、こういう時に限ってこいつらは息が揃っているんだ…


『早くしなさい』


『早くー』


『あーっ!もうっ!始まるよーッ!』












『寒いわね』


『寒いねぇ…』


『うるさいよ!ほら!早く始める!』


モノローグ終了

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