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目的のモノ

約二週間ぶりの投稿です。

side:龍崎


「これは……」


男が開けた鞄の中に入っていた物は、二丁の拳銃とその弾丸がそれぞれ十五発だった。


一つは、武骨な作りに禍々しい氣を纏い、黒い石が一つはめ込まれた、中折れ装填の蒼い回転式連発拳銃(レーヴェル・ピスティ)


もう一つは、洗練された姿にどこか神々しさ放ち、白い石が一つはめ込まれた、朱い自動式拳銃(アーチック・ピスティ)だった。


作りは違えども、どちらも精巧で、店に出ているどの品物よりも滲み出ている魔力が強い。


これを店先に出していたら出店禁止どころではない。

警察が出動してきそうだ。


「二丁とも正真正銘の『魔銃(ヴェルチェ・ヴェール)』だ。曰く付きの中の曰く付きで一般人が手にすれば発狂するほどのな」


「手にとってもいいか?」


「どうぞご自由に、君なら大丈夫だろうさ」


許可を得て、手に取ろうとした。


確かに強い魔力を発しているが、この程度で発狂するような軟な精神力はしていない。


俺は右手に回転式連発拳銃を、左手に自動式拳銃を手に取った。


駆け巡る二丁の異なる力と波動。


右からは冷気によく似た魔の波動が。

左からは暖く包み込むかのような天の波動が。

それと同時に聞こえるのは二丁の鼓動と声。


冷酷な氷刃の如き魔の脈動。

情熱に焼ける鋼鉄にして天の波動。


熱と冷気、朱と蒼、天と魔。

全く異なる力が同時に俺の身体を駆け抜け、反発などせず調和する。


[おやァ? オレ達を手に取れる人間がいるとはなァ]


[レーヴェル、下品な物言いは止めなさい。

 わたくし達に触れることの出来る珍しい人でしてよ]


頭の中に二人の女性の声が響く。

自我を持った武器、か。

これを製作するのにはかなりの財力と技術がいるぞ。

本当にこの男は何者なんだ。


[オイ、折角話し掛けてやッてンだ。無視してンじャねぇぞ]


[レーヴェル!]


『……頭に響くからあんまり大声出すな』


耐え切れず抗議の声を頭の中で発した。


[す、すみません]


[ハッ、怒られてやンの、ざまァみろ]


[誰のせいだと思ってるのかしら? 

 だ・れ・の]


『漫才もいい加減にしろ』


仲が良いのか悪いのよくわからん二丁? だ。


[チッ、注意されちまった事だし、自己紹介でもしようかァ。

 分かってンだろうが、オレは回転式連発拳銃の自我だ。

 名前はなンざねェ、レーヴェルって呼ンでもらえりゃあいい]


[まったく、自己中心的ですわね。

 私は連発式拳銃の自我ですわ。

 同じく名前はまだありませんわ。私は仮称としてアーチックとお呼びを]


『龍崎神月だ、あまり自分を主張するのは得意じゃないんで名前だけで勘弁してくれ』


[オレ達は創製されてからそれほど経ッちャァいねェが、アンタがどんな人間かは大体わかる。頭ン中覗けるからなァ]

[あなた様がどの様な修羅の道を歩み来たかも少し理解しました。

 だからこそ]

[アンタと歩んでみるってェのも面白そうだ]

[どうぞ、そのまま私達に全てをお語りくださいませ]

[力にャなれるぜ?]


生意気な銃だ、だが。


『気に入った。

 いいぜ、語ってやるよ。

 すべてをな』



どれくらいの時間が流れただろうか。


五分か、それとも僅か一分程度だったのだろうか。


時間感覚が麻痺する程に俺は二丁との会話に没頭、いや熱中していた。


俺は二丁を丁寧に鞄の中に戻し、男の方を見ると口に笑みを浮かべこちらを見ていた。


「どうだった、この子たちの声は?」


side:龍崎 fin

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