昼食時の出来事
午前十二時三十五分
side:龍崎
百貨店を出て少し歩き、今は簡易料理店で昼食を摂ろうとしている。
買った服や小物は店を出たら待機していた黒服の人(ものすごく街の風景から浮いていた)にココロの手から渡された。
正体? そんなもの知る由も無い。
死神組織に雇われている人だとか、局長の使い魔だとか言われているが、俺の知り合い連中は誰も正体を知らなかった。
うわさでは、正体を知ると裏から消されるとも聞いた。(十中八九嘘だ)
まぁ、そんなことはどうだっていい。
問題は俺とココロの前の机を埋めている、二人分の昼飯にしては明らかに多すぎる料理だ。
「……如何してこうなった?」
「……反省してるです。」
事の発端はこの店に入り料理をどれにするかを選んでいるときに遡る。
※
「む~、悩むです。」
いまさっきもこんな光景を見たする……。
と思わず既視感を抱いてしまう程さっきの百貨店で展開されていた光景に似通っていた。
昼飯時には少し遅いのか、店内に人が少ない。
とはいえ、何時までも注文所を占拠している訳にもいけない。
「神月くん、どれにすればいいと思うですか?」
「いっそのこと全部頼んじまえ」
ほんの冗談だ。『えー、もっと真剣に考えるですよ』みたいに返すだろうtと思ったのだ。
「いいですねそれ。全部一つずつください」
は? いや、ちょっとまて!
「……全部……でございますか…?」
アルバイトらしき店員さんも聞きなおしてんじゃねぇか!
「はい、全部♪」
♪が見えるかのような言い方をしやがった。
いや、今重要なのはそこじゃない、全力をもって止めねぇといか―――
「「「はい、よろこんで~!!!」」」
んって、遅かったか……。
まさかの裏方の店員さんによる大合唱が起こるとはな。
挑戦系のテエビ番組に迫る分量だと思うぞ。
「お支払いは?」
「カードで」
結局こうなるのか……。
※
で、今に至る訳だ。
さすがに飲み物は一人一つずつで、俺はコーラ、ココロは紅茶を選び、一緒に付いてくるポテトは一番小さいのを選ぶことが出来たんだが。
「……こんなに食えるのか?」
「が、頑張ればなんとかいけるはず、です」
はず、か。
つまりは食えないんじゃねぇか。
もうちょっと絞るということを覚えるべきだな。さっきの買い物も含めて。
まぁ、頼んじまったもんはしょうがないから食べるか、せいぜい主食といえるのが十個、副菜が十五個だ。
最近燃費が悪くなっている俺にはちょうどいい量かもしれないしな。
「ココロ、食いたいやつ先に取れ、後は俺が食ってやるからよ」
「ごめんなさい、頼むです」
「気にすんな、止められなかった俺も悪い」
ココロは少し悩んでから中くらいの大きさのサンドウィッチと野菜サラダを取って食べだした。
さて、俺も食うとするか。
side:龍崎 Fin
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