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科学で戦う異世界理系JKと、壊れかけの守護者 ~めんどり頼んだら水素爆発しました  作者: 武者小路団丸
第1章 旅立ち

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第16話 旅路の再開と、契約の仲間

 わたしは煉と話し合い、この旅を急ぐことにした。蓄えは少ないけれど、行く先々でギルドの仕事を受ければなんとかなるだろうと、両者の意見は一致した。土地勘も無いけれど、煉がいればなんとかなるだろうという甘い考えでこの地を離れた。


 寝ぼけ眼の煉を無理矢理引っ張り、私たちはこの先の入江にある希望の入江港に急いだ。

 港町に入ると潮の匂いがして、わたしのテンションは上がり、早く船に乗って見知らぬ土地に行きたいと思った。


 目新しいものがたくさんあり、港には漁船やヨットが停泊していた。


 明里「これがわたしたちが乗る船ね?」


 煉「あぁ、これに乗って翠嵐港まで2時間もあれば着くだろ?」


 私たちは目的の船に勇んで乗り込もうとしたが、船員らしき人に呼び止められた。


 船員「おまえたち、見ない顔だけどチケットはあるのか?」


 明里「チケットはありませんけど、買います。」


 船員「チケットが無いだと?チケットが無いなら倍の値段を払ってもらうぞ。」


 煉「はぁ?黙って聞いてたら倍だと?弱みをつけ込みやがって!」


 船員「いやなら、いいんだよ。こちらからは願い下げだ。」


 煉「ぐぐぅぅぅ」


 まさかこんなところで足止めとは…


 うしろから大きな影が近づいてくる。

 声が聞こえ振り向くと、あの砂漠で別れたレックスだった。


 彼は船員にこう詰め寄った。


 レックス「この方々は王族で、色々な地を巡幸している。俺は見守りとして雇われている。」


 船員「はぁ?この人数で巡幸?聞いたことないぞ。」


 レックス「バカヤロー。お付きの担当を見てみろ。あれが王族の紋章だろうが!」


 確かに煉の自慢の刀の柄には立派な意匠がある

 船員「だ、だけど、人数が少ない気が…

 レックスは天を仰ぎ見た。


 レックス「はぁ、これだから…。王族の移動が大勢だったら目立って狙われるだろ?少人数で目立たぬように周っているのさ。わかったら、非礼を詫びて船に乗せて差し上げろ。」


 そう言うと船員が渋々「数々の無礼、申し訳ありません」と謝ってくれた。


 レックス「チケット代を取ろうとする気はないよな?ここまで粗相をしておいて、まだ取るつもりか?」


 船員「勿論でございます。一等船室にご案内します。」


 レックス「こう申し上げておりますから、許していただけないでしょうか。」


 わたしはレックスの申し出に気を取られ、「はい…」としか言えなかった。


 私たちが出港するのを見て、改めてレックスに問い質そうと話しかけた時、レックスが口を開いた。


 レックス「あんた達、あまちゃんがこの国を旅できるのか?モンスターはウヨウヨいるし、土地勘はゼロだぜ?」


 確かに私たちには土地勘もないし、次にどこに行けばいいのかさえ分からない。


 レックス「で、俺を雇わないか?旅団で各地を周り、この国の隅々まで知っている。これはビジネスだ。あんたらは旅の目的があって移動してるだろ?俺は案内人だ。」


 確かに私たちには土地勘もないし、次の目的地である雷の属性の人間がどこにいるのかも知らない。煉が顔を真っ赤にし、今から切り倒す勢いで「なんだと、金取るのか?」と息巻いている。


 レックス「あんたらには船員の件も含めて借り3だぜ?」


 さすがの煉も気勢を削がれた。


 私たちは船室で食事を取り、昼過ぎ、翠嵐港に着いた。賑やかな港町で雷の属性の場所を聞き、北部の山地帯を目指す。その前には熱帯雨林が横たわっており、この場所を通過しなければならない。鬱蒼とした森に入ると、湿気のせいか汗が噴き出てくる。ずんずん奥へと進んだ。


 煉「なんか出そうだぜ。」


 明里「出そうってまたアレ?幽霊?」


 煉の言葉に呆れながら進んでいると、不意に、草の茂みの奥から「ズズ……ズズズ……」と、土を這うような不気味な音が聞こえた。


 次の瞬間、巨体のレックスが、まるで玩具のように放り出された。

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