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第八話 火の霊の力で親子を助けます

男の子は急いでお鍋を持ってきてくれた。

そこに私は積もっていた雪を入れて、その後、鍋に手をかざした。

ボワッ

「すごい!お姉さん、火を使えるの?」

「危ないから、離れててね!」

火がついたのはいいけど、正直加減なんてしたことないし、暴走する可能性もあったので、距離を取らせた。

けれど、火は雪を急速に溶かすくらいの威力で安定していた。


「僕、タオルと布ある?」

「あるよ!」

「それ、持ってきてもらえる?」

「わかった!」

男の子がタオルと布を持ってきてくれる頃には、鍋に入っていた雪は完全に溶け、お湯になっていた。

私は四枚のタオルをお湯につけ、それぞれ、お母さんの背中、お腹、手、足に巻いた。

そして、衛生上良くないとは思いながらも、お湯をお母さんに飲ませた。

「僕も、これ、飲んで?一時的に、だけど、暖かくなるはずだから」

「・・・・ありがと」

私は一度死んでるから、寒いとかは感じないけど、この環境を見ると、とてつもなく寒いんだろう。

「温かい・・・・。温かいよ、お姉ちゃんっ・・・・」

「それならよかった。毛布、お母さんにかけてあげちゃって無いんでしょ?これ、着ていなさい」

私は自分の着ていた上着を男の子に着せた。

「いいよ、僕は大丈夫だからさ!お姉ちゃん着てて!」

「お姉ちゃんは今、寒くないの。だから、私の洋服、着てくれない?」

「・・・・わかった。」

私の上着は男の子には大きくて、裾を擦っていたけど、それだけ温かいと思う。


「た、助けてくれ、寒い・・・・・」

「寒い、寒い・・・・」

そんな声が、アチラコチラから聞こえる。

助けなきゃ。

「私、他の人、助けてくるわ。まだこの辺にはいるから、お母さん、目が覚めたら教えて」

「わかった!」

「念の為、お医者さんに見てもらったほうがいいけど、無理なようなら、また今度、私に教えてくれる?またここに来るつもりだから」

「うん!ありがとう、お姉ちゃん!」


男の子のお礼を聞いてから、私はその家を出て、道に出た。

そこには、他の家に暖を求めて家を出たのだろう、多くの人がいた。

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