第六話 夢で霊と会話したので前世のことを考えてしまいました
『まさか、君のような小娘に憑依するとは』
「・・・・あなた、霊?」
私、何をしてたんだっけ?確か、ベッドに転がって・・・・・。
『ここは無意識下だ。きっと寝たんだろう』
「・・・・そうね。きっと寝てしまったのね」
眠るたびに、霊と話すのか・・・・。眠れた気がしなさそう。
『・・・・殺すのか?』
「殺す?そんなことしないわ」
『なら、どのように復讐をするつもりだ?』
「・・・・・社会的に抹殺するわ。金、名誉、信頼。全部奪うの」
『生ぬるいな』
「そうかしら?ひと思いに殺すほうがぬるいわよ」
私を殺すことを、クソジジイもあの男も、なんとも思っていないのなら、殺し返すだけ無駄。
二人が血を流したって、私は絶対許せない。
「私はね、血が見たいんじゃない。堕ちて堕ちて堕ちて、もう自分すらわからない。そんな状態になったあいつらを見て初めて、救われる気がするのよ」
『小娘、面白いことを言う』
「どう?力、貸してくれる気になった?」
『ああ、わかったよ。契約が終わるときは、お前は死ぬ。それでもいいんだな?』
「もちろん。さっき、私は死んでるんだもの。生に執着はしないわ」
『そのまま、貫けよ、小娘』
「・・・・・もちろん」
パチっ
気がつくと、目が覚めていた。
何この疲労感。体が重い。霊と話すと、こうやって疲れてしまうのかも。
「・・・・契約が終わったら死ぬ、か」
死、なんて、今まで私にとって遠いものだったのに。
なんで、こんなに身近にあるんだろう。さっき、ベルアが殺されたと知ったからかな?
それとも・・・・・。
そういえば、私はなんでベルアになってしまったんだろう?
もとの世界にいる、両親は元気かな?友達は?
私は、もとの世界ではどうなってるんだろう?
普通に生きてるのかな?それとも、寝たきり?
最悪、死んでたり、する、のかな・・・・・。
考え始めたら止まらなくて、私はそれから眠ることが出来なかったのだった。