第五話 私はルース家の人に賛成されないまま蘇らされたようです
「・・・・・本当に、蘇らせたのですね」
「そうだけど?」
「・・・・・」
彼が進んで行った先には、家があった。
ドアを開け、出迎えてくれた女性が開口一番、そんなことを言ったのだ。
「ねえ、ヴェルト、ルース家の人、賛成しなかったの?」
「賛成するわけ無いだろ、闇魔術だぞ?禁忌だぞ?」
「なに、自慢げに言ってるの?禁忌をサラッと犯しておいて」
「お前が蘇ったのが悪いだろ」
「なに責任転嫁してるの?使えるのが悪いんじゃない?そもそも、闇魔術なんか使う気になるから」
「・・・・とにかく、今晩は、ベルア様を我が家で預かりましょう。その先は、ヴェルトが自分で考えてなんとかしなさい」
え、ちょっと待って。
今この女の人、今晩『は』って言わなかった・・・・?
「わかってる」
「ちょっとまって、今晩だけしか泊まるところないの?」
「俺に考えがある。その通りに動いてくれたらそれでうまくいくはずだ」
それだけ言うと、ヴェルトは一人、家の奥へと行ってしまった。
「すごく信じられないんだけど・・・・・」
「ベルア、さんでしたよね。お部屋、案内しますね」
「まどか、と呼んでください。すみません」
「謝らないでください。こちらこそ、あの子が勝手にすみません」
女の人は、私を部屋へと案内すると、逃げるように出ていってしまった。
ベッドに横になると、急に眠気が襲ってきて、私はそのまま眠ってしまったのだった。