第二十九話 彼女を傷つけたという非
「有難いお言葉ですが、お断りさせて頂きます」
何故か、僕の提案が断られた。もう話すことは無いというような態度で、ズバっと。
皇太子の僕の提案だし、僕の方がマドカの役に立てるはずだ。
それなのに、どうして・・・・?
そんなことを考えていたらあっという間に自宅である皇宮に着いてしまった。
「おや、珍しい。アバルトがため息とは」
「マドカ嬢にこっぴどく振られたのかしら?」
こういう時に限って、両親と遭遇するのは、何かの罰なのだろうか。それとも、神が自分に親からの助言を貰えとの指示を出しているのだろうか・・・・?
「嫌われたかもしれない。どうしたらいい?」
「あらあら、いつにもなく真っ直ぐなのね」
「何があったのか、教えておくれ。話を聞くのは得意だから、少しなら力になれるかもしれないよ」
「ありがとう。実は・・・・」
僕は正直にありのままを伝えた。
「それはあなたに非があるわね」
「ああ。寧ろ、これで嫌われていないと言われる方が驚く」
「・・・・どうしてか、教えてください」
「「こればかりは自分で考えなさい」」
「それは困るよ!どうか、ヒントを・・・・」
なぜ、何がダメだったんだ?僕はマドカのしたいことが出来るように、力を貸そうとしただけなのに。
「そうね、ヒントはマドカ嬢が聖女だということかしら」
「それもだが、彼女は随分と頭が良いというのもあるだろうな」
意味が分からなかった。マドカが聖女なことも、賢いということも関わっていればわかることなのに、どうしてそれがヒントになるのだろう。
「とにかく、自分で考えて、謝罪する事ね」
「謝罪・・・・」
「何が彼女を傷つけたのか考えなさい」
・・・・ああ、そうか。僕は彼女を傷つけていたのか。
だから、彼女は僕に任せなかった。
両親との会話から自分の非の一部を理解した僕は、自分の部屋に戻って、何が彼女を傷つけたのか、考えることにしたのだった。




