第二十七話 いいことを思いつきました
「だから、どうだろうか。マドカが花屋を開くというのは」
「・・・・は?」
私は自分が言われていることの意味が分からず、不敬罪への不安など忘れ、正直な反応をしてしまったのだった。
「マドカにはこの世界にはない発想力がある。それはきっと、聖女という特殊な力を持っているからだろう。しかし、せっかくの能力を使わないのはもったいないと思ったんだ」
いえアバルト様、それは私が異世界人だからです。なんて正直に話せればよかったのだけど、そういうわけにもいかない。
「しかし、私には聖女としての仕事と使命があります。両立なんてできません」
私には、聖女としての使命なんてものは持ち合わせていない。私は、復讐するためだけに聖女になったのだから。ただ、復讐と聖女としての仕事に加え、花屋を経営するんて私には出来ない。それに、そんなことをすれば、今ある花屋の人から恨まれるに決まっている。聖女である私に仕事を奪われたとなれば、私の聖女としての地位は剥奪され、最悪の場合偽装だと訴えられ処刑される可能性もある。それだけは避けなければ。
「・・・・そうか。それは残念だ」
残念?ああ、この人は本当にこの国の文化を発展させようとしていたのか。私の発想を否定することなく。
発展?そういえば、ついさっきも同じようなことを考えてたような・・・・。
あ・・・・っ!
「やはり、先ほどのお話、お受けしてもよろしいですか?」
「おい、マドカ。さっき断って話は終わっただろっ」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、マドカに無理はしてほしくない。私が会えなくなると悲しいんだ」
会えなくなると悲しい?そんなこと私は知らない。それに、無理は常にしている。
「大丈夫です、私は何もしません。経営も、販売も、何も」
「マドカが何もしないなら、マドカがこの仕事を受ける必要ないだろ?」
「私は、女性の働く場、として花屋を使いたいわ。アレンジの仕方は私が働く女性達に教えるけど」
私は、花屋の話から、さっきのミルくんのお母さんからのお願いを思い出したのだった。
そして、花屋を女性の働く場として使えないかと思いついたのだった。




