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第十九話 国王陛下の謝罪から王子との婚約話にまで発展しました

「まずは、ヴェルトくんに謝らせて欲しい。叔母様と従姉妹に、あんな運命を背負わせてしまったこと、本当に申し訳なかった」

『なんで、貴方達が謝るのっ!お母様のことは知らないけれど、私のことはリオ様が悪いだけなのにっ』

そんなベルアの声が、聴こえた。

「・・・・なぜ、貴女方が謝るのですか。理由もなく謝罪されても、私は受け入れることが出来ません」

「そうだろうね。もちろん、話をさせてもらうよ。この話は、息子と彼女の婚約にも、関わるはなしだから」

そう言うと、国王陛下は話し出した。


話を簡単にまとめると、こうだ。

国王陛下の仕事のひとつに、婚約の承認というものがある。国王陛下は、ベルアの母の婚約とベルアの婚約、両方を承認したという。

しかし、その両方とも、悲劇を辿ってしまったが故に、国王陛下は後悔をなさっているというのだ。


「なにせ、一番辛かったのは、この前のベルアちゃんの件だ。彼女のことはどうやったとしても忘れることなどできないだろう」

・・・・国王陛下をはじめとした国家は、月光姫を信仰しなかった。でも、見守ってはいたはずだ。月光姫や、団体の動向も。リオ様を信じて、見守っていた彼女を託したはずだ。なのに辿ったのは、処刑されるという運命。

「事後報告とはなるが、あの処刑は重大な国家法違反のため、あの場に協力した貴族の長は処刑対象として現在牢獄にいる。また主犯であるベルアの父、それからリオセスリ・テスロは現在拷問に掛けられている」

・・・・拷問。何をされているのだろう?地獄のような針山だろうか、それとも前世の漫画にあった切断などだろうか。


「・・・・こんなことで、罪を償っているおつもりですか」

「いいや。償うことばどれほど月日が経っても無理だろう。だが、もう大切な人に、同じような運命を送って欲しくないのだ」

『償いなんて、貴女達には求めてない。私は自分で歩んだのよ。あの時私は確かにリオ様が好きだったのだから』

私の中のベルアが、訴える。

苦しいよ。私が間違えたことが、こうして色んな人に迷惑をかけている。あいつらが殺したのは、ベルアだけじゃない。ベルアの周りにいた、大切な人たちの気持ちも殺したんだ。


「・・・・私は大丈夫」

これ以上、二人の懺悔を聞いていられないと思った私は、ヴェルトに小さな声でそう伝えた。

「大丈夫なわけないだろ。お前、親と自分のことだろ?」

「大丈夫。だから、お願い。話を進めて」

知りたいことは沢山ある。でも、知りたくないのだ。知ったら私はまた、ベルアになってしまう。聖女マドカとして、前に進めなくなってしまう。


「こういう理由で、若者の未来を決めるべきでは無いことは知っている。でも、お願いだ、マドカ。アバルトの婚約者となってはくれないだろうか」

「・・・・」

そういうこと、ね。

今なら、聖女を国が離したくないが故の婚約、という体が使える。

だから、このタイミングで話しているんだろう。

「もちろん、すぐに答えは求めない。だが、2人にはお互いのことを知ってもらいたいと思っている。このくらいは、婚約どうこうは別として、いいであろう?」

・・・・正直、それも嫌だ。前にも思ったけど、王子なんかと仲良くして無事な未来なんてないのだから。できるだけ関わりたくない。

けど、国王陛下の頼みだ。断る訳にもいかないことくらい、原作ファンの私は分かってる。

「も、もちろん構いません」

「・・・・マドカっ」

「そうであろう?アバルト、聖女マドカはこう言ってくれている。全力で恋させてみよ」

「えっ!」

こ、恋!?この国王命令に王子が逆らえないとすると、私はこれからこのイケメン王子に口説かれるってこと?

「お父様、それはご命令と言われても流石に無理ですよ。恋をするかどうかは、僕よりもマドカさんの気持ち次第ですから」

王子はそう言うと、部屋に戻ると伝えて、席を立っていた。

良かった、正直王子が命令に従うとばかり思っていたから、一気に緊張が解けて、少し俯く。


「僕はマドカのこと、本気で惚れさせるつもりですから、そのつもりで」

その時そんな声が耳元で聞こえたので、びっくりしたのは言うまでもない。

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