第十四話 国王陛下と面会しました
「はじめまして、国王殿下」
「君が、噂の聖女、かな?」
「はい。何故か、そのように呼ばれています」
あれから二ヶ月ほど経った今日、私はガルクフェンス国の国王に、呼び出されていた。
この二ヶ月、私ははじめの地域のようなところをまわっていた。
そうしているうちに、私の噂はどんどん広がっていき、ついに国王陛下にまで届いたということだろう。
「名前は?」
「マドカ・ルースと申します」
「マドカ、か。変わった響きだが、音がいいな」
「ありがとうございます」
「ルース、ということは、今はルース家にいるのかい?」
「はい。倒れていた私を、助けていただきました」
倒れていたことも、助けてもらったことも事実。
その後、私は正式にルース家の養子になった。
聖女と発覚する前に引き取ることは、問題ないらしい。
「そうか。困っている人を放っておけない、そんな人間がルース家には多いのだ。しかし、その優しさを、お節介や偽善と捉えるようなら、他へ行ってもよいと思うぞ」
この世界にも、お節介や偽善って言葉があるんだ。
でも、私はそうは思えない。
偽善でも、自己満でも、人を助けることに理由はいらないはず。
助けられた人が、笑顔になるなら。
せめてもの、償いになるなら。
「・・・・ご心配、ありがとうございます。ですが、私はそうは思っていませんので、大丈夫です」
「そうか。この世界に慣れるのは大変であろう。その中でずっと、君のその清らかな心が汚れないことを願うよ」
そう言うときの、国王陛下は、悲しげだった。
「せっかく、こんなところまで来たんだ。ゆっくりしていくといい」
「お断りします。その時間に、困っている人たちを助けたいので」
「・・・・なぜ、そこまでして人を助ける?利益も恩も、この間この世界に来た聖女にはないだろうに」
「私は、困っている人を助けるのに理由はいらないと思ってます。自分にできることがあるのなら、力になりたい。それだけです」
「・・・・そうか。君は根っからの聖女体質みたいだね。これからも、ガルクフェンスの助けになってくれると嬉しいよ、聖女マドカ」
「もちろんです」
私がそう言うと、国王陛下は退出していった。
騎士兵に出口を案内され、私は外に出た。
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