第十三話 皮肉めいた運命を私は生きます
「状況はわかった。ガルクフェンス全体としての被害は?」
「全体としても、ひどいものだ。処刑の時、観覧に来ていた大半が、帰宅前に道端で倒れ亡くなっている。無事に家にたどり着けた人でも、一時間以内に倒れ、亡くなったという」
「・・・・その人たちについて、詳しい症状は?」
「話している時、手をにぎったが、人の体温とは思えないくらい、冷たかったらしい」
・・・・絶対、低体温症だ。低体温でそれだけ多くの人が亡くなっている。
確かに、ガルクフェンスの人の多くは、年中半袖を着ていたし、今私が着ている服も七分袖。確か、王族や貴族が着るドレスには長袖があった気がするけど、それも薄いものばかり。
「私がさっき行った地域の、温度ってわかる?」
「温度?なんだそれ」
ああ、この世界に温度計ってものは存在しないのか。
「気にしないで。でも、もし今の状況が今後も続くとしたら?」
「もし、とかじゃないだろうな。信者は月光姫の祟りだと、その他のものは月光姫の呪いだと騒いでいる」
・・・・もう、やめてよ。
祟りも、呪いも、そんなものは存在しない。
「・・・・みんな、私のせいってことね。月光姫の死んだ今でも、その信仰はガルクフェンスに悪い影響を与え続けている」
「否定のしようが無いな」
「・・・・私のせいで国を苦しめておいて、蘇った私が聖女としてこの国を救う?すごい皮肉よ、そんなの」
「でも、お前が復讐するには、方法はそれしかない。それに、蘇るときにどんな霊が憑くかは本当に運だ。お前の運命は、皮肉めいているものだってことだな」
それは、そうだ。
ベルアが殺されて、私がベルアになっちゃって、そのベルアには炎の霊が憑いて。
そんな変な話が、こうして、今につながっている。
私の、いや、ベルアという人間の運命なのかもしれない。殺されてるけど。
「そんなこと以前に、お前が困ってる人を助けないなんて、できそうにないからな」
「・・・・よくご存知で」
「確かにお前は、ベルア・シアンは一回死んだ。だからこそ、助けたい、って、思うんだろうな」
そうじゃないけど、そういうことにしておいた。
私は、マドカ。日本じゃないけど、ここで、マドカとして生きる。
ベルアのために復讐する、原作ファンとして。
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