第十二話 ベルアが逮捕されてからの状況を知りました
ベルアがまだ生きていた頃、詳しく言うと、私が刑務所に連れて行かれた頃。
月光姫という、貴族の信仰の的が無くなり、ガルクフェンスをまとめる存在が急にいなくなってしまったかのような喪失感が貴族の中に流れたらしい。
ガルクフェンス国王は信者でなかったため、国自体が不安定になることはなかったらしい。
しかし、月光姫の存在が大きすぎたためだろう。信者は国内にとどまらず、国外にも熱狂的な信者が多く存在したらしい。
そして、月光姫逮捕という情報により、隣国、ポリファリク国が、ガルクフェンスとの貿易を停止させた。
ポリファリクから輸入されていたのが、大量の木材だったのだ。
木材がガルクフェンスに入ってこなくなり、はじめにダメージを受けたのは建築だった。
この国の民家は百パーセント木造。そのため、新築だけでなく改装もできなくなったのだ。
建築を筆頭に、いろんな業界が影響を受けたが、何より深刻だったのが、火の問題だった。
木材が無いため、火を起こせなかったのだ。
布はあったが、マッチがない。マッチはあるが、木材も布もない。
そんな状態が数ヶ月続いたらしい。
そして、ベルアが処刑された昨日。
四季など存在せず、年がら年中温暖な気候のガルクフェンスに、大雪が降った。
一番被害の大きかった地域が、私が行った地域らしい。
あの地域は、歴史が古く、建物の多くが、先帝の頃に作られたものだという。
そんな木造建築は、雪の重さに耐えられるわけもなく、あの状況になってしまったのだ。




