表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/28

第3話


 オリヴィアはレイル・スコットという婚約者の弟君を味方につけることにした。


 レイルは銀髪の長い髪をひとつにくくった線の細い美青年だ。

 兄であるラファエルより素朴で大人しく、まだあどけない。


 男、というよりはまだ男の子……もしくは女の子に見えたりもするくらい中性的で美しい。


 性格も、聡明で無邪気な子だった。歳はオリヴィアより四つほど下だ。オリヴィアにとっても可愛い弟である。


 ラファエルとレイルは、対照的だった。


 紳士然として魔力も強い優等生のラファエルに比べ、レイルは少し頼りなく魔力も弱い。


 王宮でも、ふたりはよく比べられているようだった。


 オリヴィアはレイルに、自分を重ね合わせていた。


 圧倒的ヒロイン感のあるソフィアに比べ、オリヴィアは劣っていた。

 家柄こそ立派なものの、与えられるドレスもあまり好みではない。


 どれもどぎついのだ。

 深い赤色や漆黒など、はっきりとした色のものが多い。オリヴィアとしては、白や淡い桃色などが好みなのだが。


 とはいえ、これ以上ないくらい悪役令嬢らしいので、この服装を変える気はない。

 とりあえず、悪役令嬢でいる限りは。


 オリヴィアはレイルに、素直に今の想いを打ち明け、協力を頼んだ。


 するとレイルは、喜んで手伝うよと頷いてくれたのである。


 貯めた資金はすべてレイルに預けることにして、さっそく悪役として動くことにした。


 とはいえ陰湿な嫌がらせをするというのは、度胸のないオリヴィアにとってはちょっと精神に悪い。


 レイルに相談すると、それなら、と素晴らしい提案をされた。

 影でふたりのお膳立てをする、というものである。

 

 ラファエル王子には嫌われるような言動を取り、ヒロインの前ではつんとする。


 そして、第二王子であるレイルに、影でオリヴィアがこう言ってたああ言ってた、など、散々良くない噂を流してもらった。(若干レイルが悪役王子となった)


 すると、少しづつオリヴィアは学校で孤立していった。

 ゲームの終盤では、学校内でオリヴィアを好く者はいなくなった。

 

 結果、オリヴィアは無事ラファエル王子から婚約破棄を突き付けられ、その後の処分待ちの牢の中に収まった、というわけだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ