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愛するシャーロットを想い命を絶ちました

「無実の罪で処刑されかけた元公爵令嬢は、絶体絶命の国王を守る為戦う事を決めました~私の魔力で命の恩人を絶対守ってみせます~」


リアム視点のIFストーリーです。


本編まだの方は、先に本編を読んでからこちらの作品を読んでいただくことをお勧めしますm(__)m

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目の前には最愛の人、シャーロットがいる。

「シャーロット、待って!シャーロット!」

何度名前を呼んでも振り向いてくれない。それどころか、別の男と嬉しそうに腕を組み、歩いて行ってしまう。


「待って、シャーロット!頼む、待ってくれ!シャーロット!!!」


ハッと目を覚ますと、いつもと同じ見慣れた天井がある。シャーロットを失ってから14年が経った。毎日の様にシャーロットの夢を見る。でも、夢の中のシャーロットは、僕に振り向いてはくれない。


分かっている!いくら僕がシャーロットを思っても、もう二度と会うことも触れることも話すことも出来ない。最後にシャーロットを見たのは、13年前。


“殿下、どうか私の事は忘れて、幸せに暮らしてください”それが僕にかけられたシャーロットからの最後の言葉だった。でも、僕には彼女を忘れる事なんて出来ない。今でもこんなにもシャーロットを愛しているのだから。


毎日毎日、ずっとシャーロットと過ごした楽しかった思い出を思い出す日々。決して戻ることはない、幸せだった日々…


「シャーロット…」

そう言えば今日はシャーロットの29回目の誕生日だ。毎年シャーロットの誕生日には、1人ひっそりとお祝いをしている。今日もメイドに頼んでケーキを準備してもらった。


「シャーロット、29歳の誕生日おめでとう」

僕はそっとそう呟くと、1人でゆっくりとケーキを口に含む。シャーロットの名前を口にするだけで、なんだか彼女と繋がっている気がして幸せな気分になれる。


決してもう本人に会うことはないのに…


ふと、僕は14年前、シャーロットを無実の罪でぶち込んだ地下牢に足を運んでみたくなった。今は使われていない地下牢。カギを開けて中に入る。


あの日、シャーロットが自らの命を絶とうとした地下牢。シャーロットはどんな気持ちでここに入れられていたのだろう。


僕は地下牢に座り、周りを見渡す。冷たくて薄暗い地下牢。きっとこんなところに閉じ込められて、さぞ怖かったことだろう。僕は本当に馬鹿だ。あんな女の魅了魔法に引っかかってしまうなんて…


その時、地下牢の端っこの方に何か光るものが目に入った。手に取ってみると、どうやらあの日、シャーロットに付けられていた魔力無力化リングの破片の様だ。この破片ですら、愛おしく感じる。


僕は破片をギュッと握りしめる。もう二度と会えないシャーロット。僕は、このまま生き続けていても辛いだけだ。ならば、この場所で自らの命を絶つのもいいかもしれない。


王太子の座も弟に譲った、ずっと部屋に閉じこもっている僕は、きっとお荷物でしかない。ならば、ここで命を絶とう。シャーロットと同じように、全魔力を放出して。


僕は全魔力を集中させ、一気に放出させた。これで僕は楽になれるんだね。さようなら!シャーロット…

僕は意識を手放したのであった。


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