5月の克己
新緑萌えいづる5月
碧のほむらが天を焦がす
麗らかな春の陽気にまどろんでいた私はゆっくりと覚醒してゆく
なんということだろう!
うかつにときは過ぎてあやうく手遅れになるところ
目覚めよ!覚醒せよ!刮目せよ!
初夏の日差しに混じって鋭いやいばのやうな光線がちりちりとさす
ただぢっと座っているだけなのに
からだじゅうの細胞が湧き起こるエナジーにたちあがろうともがく
うねる、さけぶ
ひとみは碧のほむらをうつし
しずかに、かくじつにもえあがる
そは
天井を知らない
生命のあらわれ