図書館ではお静かに
いやーやっと休みだ、朝だ。最近、めんどくさい奴らに絡まれるから発散したいわー。
うんうん。あー、マリーさんと本の話したからか無性に読みたい。
よし今日は図書館でゆっくりしよう。王子とデイジー(ビッチ)さんは絶対来ないっしょ。
ふむふむ、おーぉ、色々知らないのが出てみたいだ。
「不思議の国のカリス」、「カルメンの音楽家」、他にもあるなー!
よし、全部読もう。
ぐーっ
はっ、時計を確認すると昼だった。とりあえず本を片付けよう。
まぁ、お菓子でも食べて再開しよう。
「おい」
うーん、カリスはホラーかと思いきや悲恋。音楽家は純愛だったなー。
今度マリーさんと話してみよう。
「ドラセナ、聞こえて
ないのか」
あれ、駄眼鏡じゃん。うーん、名前なんだっけ?
確かマリーさんと………中庭で………、
「あぁ、すいません。ちょっと考え事をしてたので」
「全くここは図書館だぞ?飯を食べるなら食堂を使え」
「いや、今日一日読もうと思ってましたので、これ食べ終わったらまた再開するつもりだったんですよ」
「ほう、ドラセナは本を読むのか」
「ええ、友達と話していたら読みたくなりまして今、お腹が空いたことに気付いて間食していたところです」
「なかなかいい趣味をしてるじゃないか、哲学書は好きか」
「うーん、見ることは見ますね」
「哲学をどう考えている」
「そうですね、当たり前のことを書いてると思います」
「………」
「ただ、当たり前というのを“言葉”にするのが哲学かと」
ありゃ?なんか考え込んでるな?
思ったことを言っただけなのに。
「………そうか、当たり前か。確かに、難解な哲学も最後にはそこに行きつく。ならばお互いの格言を話そう。ぼくは『この世に情熱なしで達成された偉大なことなどない』だ」
なるほど、勤勉な彼にはぴったりの言葉だ。
「『私の言語の限界が私の世界の限界を決定する』です。だから俺は本を読むのです」
「?!なるほど、君は今まで見てきた中でかなり知的な人物だったのだな」
「いやー、どうでしょうね?哲学ってこれが好きっての言葉を探すのが楽しい気がするので」
「ふふふ、良かったよ。君と話せて。これからも良ければこんな話をしたい」
「まぁ、時間があるときだったらいつでも。」
「すまない、邪魔したな」
そう言って彼は去っていった。
……あ、思い出した。トライアだわ。伯爵だわ。
そして私語が五月蠅いと司書さんに怒られた。
ちくしょー、なんでだよー!!!
………ついでに司書さんの格言は『智は力なり』だそうな。
聞いてたのね。煩くしてすいませんでした。
そして、図書館を出たところでマリーさんに会う。
「ごきげんよう、ドラセナ様」
「ごきげんよう、マリ……マーガレットさん。今日は図書館へ?」
「ふふ、私、昨日の友達とお話をして、本が無性に読みたくなったのです」
だよねー。あんなに盛り上がると楽しくなるよね。
昨日はたぶんそれで眠れなかったんだよ。
「おぉ、奇遇ですね。僕もですよ」
「まぁ、………ふふ、良いのは見つかりましたか」
「新しく出てたのはどれも当たりでしたよ」
「なるほど、それは楽しみです」
うーんどうしようか?明日一緒に感想会でもしたいなー。
お!そうだ。今のうちに誘おう。マリーさん明日空いてるかな?
「そうだ、マーガレットさん、明日感想会がてら町にでも行きませんか」
「………ふふ、よろしいのですか?」
「?マーガレットさんが良ければ特に問題ないと思いますが」
「いいですよ、エスコートお願いしますね」
そんなこんなで、明日マリーさんと出かけることになった。
どんな感想が出てくるか楽しみだな。
今日もまたあまり寝付けなかったのだ。