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だからおまえはアホ(王子)なのだ



翌日の教室



いや、女性と仲良くなるとは思わなかったよ。

マーガレ………じゃなくてマリーさん。

あそこまでふざけた感じでできるのは兄貴たちくらいかと思ってった。


席に着こうとすると嫌な人物が目に移る。

な!ん!で!俺の席に王子アホとデイジー(ビッチ)さんがいるのかな!


「おい、そこの男爵の男」


うーん、この第一声。ひどすぎて笑えねぇ。

周り見ろよ。みんな顔引きつってんじゃねぇか。


「ええーと、ハイ。俺の事ですね。ドラセナです」


「そうか、ドラセナとやら。貴様、昨日、あの女に会ってたらしいな。デイジーから聞いたぞ」


ちょっとまて!俺の隣の席の人の事だよねその人!あほか!馬鹿なのか! 


「えぇーと、まり……じゃなくて、マーガレットさんとお茶会をしたのは事実です。誰にも言えない相談でしたので」


「えぇ~、どんなお悩みだったんですか~」


イラっ。


「すいません、ここでは話しにくい内容なので」


「まぁ~、そうですか。私も相談にお乗りしますよ~」


「デイジーは本当に優しいな」


…………やばい、切れそう。

マリーさんすげえな、俺、この一瞬で沸点到達しそうだわ。


「いやー、ありがたいね。ロイエルさんやデイジーさんはさぞ忙しいことでしょう。そこまで気にしなくて大丈夫ですよ」


「ふふ、なかなか分かっているな、ドラセナ。しかし、彼女に近づくのはやめた方が君のためだ」


「………どうしてそこまで言われるのですか」


「いやですわ、ドラセナ様。婚約破棄の騒動はもうお忘れになられたのですか~」


「そうだ、あいつに関わると碌なことがないぞ。君のためだ」


……ブチっ!!俺の中で何かが切れる音がした。

ようし、その喧嘩!買ってやるわ!


「ふふ、なかなか面白いことをいますね」


「なんだと」


「いえいえ、たかだか男爵相手に時間を使うなんてさすがは王子。王族の貫禄がおありで」


「………少し不快な物言いだな」


「王族は寛大だと言いたいだけですよ。まさか、男爵の交友関係にも時間を割いていただけるなんて」


「もちろんだ、平等が私の信条だからな」


「流石はロイエル様です」


「でも、もう遅いですね。マーガレットさんは僕の秘密を知っています。これ以上は勘弁願います。後これは僕から持ち掛けたことです。彼女には手を出さないでください」


「ふむ、君は人選を誤ったかもしれんぞ?デイジーにしておけばもっとやったろうに」


今の会話でそんな言葉が出てくるとは本当にお花畑だな。この王子アホは。

そのビッチに言ったら明日には全校生に知れ渡るだろ。常識手に考えて。

言っても無駄だからなんも言わないけどよ。


つか、やめろよ。みんな見てんじゃん。

王子アホへの生暖かい目と俺に興味を持った奴が数人増えたじゃねぇか。

くっそ、マジで疫病神だな、この王子アホ


「……まぁ、彼女と個人的な関係です」


「ふむ、もしかしてあの女の事が好きなのか。いい趣味とは思えん」


こっ、こいつ!マジか!いくらなんでもアホじゃねえぇか!

どこまで、地雷原に突っ込むんだよ。もう口を閉じてほしい。

切に!


「流石の王子でも言いすぎですよ。俺の友人まで落とす発言はやめていただきたい」


「まぁ、ロイエル様はあなたの事を思って言ってるのですよ」


「大丈夫です。付き合う人は選んでいるので」


「まぁ、精々気を付けることだ」


やっと離れてくれた。つか、暗黙のルール!サロンの事に首突っ込むなよ。

はぁー、この二人危険すぎる!単体でもやばいが二人になるともはや兵器だわ。

クラスの雰囲気最悪になってるし。

マリーさんはちらちらとこっちに目を動かしてるし。ちょっとかわいい。


ん、いつまにか紙が机に置いてある。

―今日もサロンで話しますか―

やばい、あの後だとこれだけでも癒される。

マリーさんにしか見えないようにサインを送る。

それを見た彼女は少し笑っている気がした。




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