俺だけってマジですか
小説処女作です。自分の思い描いていた妄想話です。
特に、何事も起こらない日常。そんな中、机に突っ伏し今日も授業を受ける体制を維持する。周りはチャラいグループに物静かなグループ、オタクグループと分かれている。俺は一人だけど......
眠いまぶたを持ち上げ独り言に近い事を思っていた時、机が光ったような気がした。気のせいかと思いつつ再び眠ってしまおうと考えまぶたを閉じる。が、周りがやけにうるさい。いったい何事かと目を開けるが、そこにあったものは机ではなく冷たい床だった。
「よく来てくれた! 勇者たちよ!!」
皆声のした方向を見やる。そこにいたのは私が王様だと言わんばかりの服装で手を広げている人物がいた。その横に杖を持った女の子が疲労困憊といったように座り込んでいた。周りは兵士に囲まれているようだ。訳がわからなすぎて長考してしまう。クラスの皆の反応というと......
「はぁ? なにここ超意味不明なんですけど!?」と驚くもの
「ここは......夢の中なのでしょうか?」と夢だと疑うもの
「ま、まさか......これって異世界召喚的な!?」と驚愕と喜びに満ちているもの
それぞれがそれぞれの解釈をしていると、王様からなにやらこの世界について話が始まった。とりあえず要約すると。
俺たちが召喚され来たこの世界は、やはりというか確定で異世界らしく召喚した理由は他国に対抗する力を手にするためだという。つまり俺たちはこの国の戦力として召喚されたようだ。なんとも自分勝手なんだろうとも思っていたが、俺は異世界系の漫画は好きで少しばかり喜んでいた。他にどのような国があるのかという質問を、先生がノリノリで質問していたことが先生てきにどうなんだろうと思ったが、俺も疑問に思っていたし別に良いか。どうやら獣人は当然のことエルフに魔王までいるのだという。魔王という言葉に皆顔が強張るが王様によると,魔王を倒せというわけではない,と、言った瞬間安堵の表情に変わる。
(でも、戦力にするためって事は結局戦う羽目になるよな)
少し憂鬱だ。
そして、この世界について少し教えてくれた後。王様が手を鳴らす。メイドの格好をした。女の子が二人なにやら水晶が上に乗っかっている台を押しながら表れた。王様が声を上げる。
「これから諸君らの職業を自らみてもらう!」
職業は勇者なのでは? と首をかしげるクラス一同。代表して先生が言う。
「あの、職業は勇者ではないんですか?」
「ぬ? 勇者とはいえそこから細かく分かれるのだ。例えば<勇者 戦士>と言った具合でな」
「な、なるほど......」
「私の場合は<王族 王様>となる。水晶をみていれば自信の職がわかってくるはずだ」
わかってくる。そんな感覚的なのだろうかと水晶をみる。3秒はたっただろう王様が言ったことわかった。ゲームなどで言うステータス画面が浮かび上がってきた。
=薬芽 実=
性別 男 血液型 O型
職業 <万能型 薬剤師>
つまり、前がメイン職で後ろがサブ職か。面白い
周りを見てみるとほとんど職をもう見た様子。さて、一つおかしな部分がある。俺は一回目を閉じ気のせいかと疑う。再び見る。
職業 <万能型 薬剤師>
勇者じゃないぞ!!??
皆が「俺戦士だった!」とか「え!? 私魔法使いだ!」と歓喜の声が交差する。俺はおそるおそる王様に質問する。
「王様、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「なんだ? 申してみよ」
「俺、勇者って出てないんですけど......」
「......は?」
一気に静寂が辺りを支配する。皆の視線が驚愕から徐々に部外者でもみるかのように変わる。長い沈黙の末、王様から言い渡された言葉は。
「勇者以外はいらぬ! 即刻城から追い出すのだ!!」
「「「「ハッ!!!」」」」
「......嘘だろ?」
兵士に担がれ運ばれていく中、俺は最後にクラスメイトの顔を見た。わかってはいたことに皆知らんぷり。チャラいグループのみ笑い罵倒に近しい言葉を言っていることがなんとなくわかる。もちろん先生も知らんぷり。
別に怒りは多少なりとも感じたが、俺でも同じ事をしていただろうとも感じていた。ならば、追放された後好きに生きてみようと思う。他に国があるようだしそっちに行くのも良いな。
城の正門らしき場所に置かれた俺に対して、小袋を投げ捨て兵士は城に中に行く。
「いったー......」
「........くっ....」
その表情は哀れとでも言いたげである。が、そんなことよりも異世界で生きるという一生に一度も体験できなかったであろう事に、胸を膨らませる。
クラスに溶け込むのは思った以上に難しい。